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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

重層的なネットワークがまちに変化をもたらす(島根県江津市)

主体的になるまちづくりプレーヤー 52bar(ごうつ・バー)事業

52barは、まちの情報発信の拠点となり、新しい人的交流を図る場です。きっかけは、手つなぎ市などで成功体験を積み重ね自信をつけた青年部の中から、空き店舗をリノベーションして、まちの人との交流を図るバーをやってみたいと提案があったことでした。ちょうど、青年部が中心となり駅前商店街の空き店舗調査を行っており、調査をしながら空き店舗の利活用について話し合っていたといいます。

リノベーションにあたり、改装資金は一部補助金を活用したものの、青年部がオリジナルTシャツを作成販売するなどで調達しました。また、改装にあたっては、商店街内の空き店舗を活用したシェアハウスを拠点とする『Design Office Sukimono(デザイン オフィス スキモノ)』が設計を手掛け、改装作業は青年部が手弁当で行いました。さらに、運営は青年部メンバーが交代でバーカウンターに立ち店を切り盛りしました。まさに未来を担う商店街のキーマン達が手作りで整備・運営したと言えます。

52barの様子(52barフェイスブックより)
52barの様子(52barフェイスブックより)

52barは、まちの若い人が出会い、将来の商店街像を楽しく語り合える空間として機能しました。つまり、52barがまちで楽しいことをしたい人材の集まるプラットフォームとして機能したのです。その結果、空き店舗に入居し開業するなどの効果がありました。52barは、3年で21の空き店舗が埋まったこともあり、目的達成したとして閉じることとなりました。

市内ではリノベーションによる空き店舗対策が進んでいる
市内ではリノベーションによる空き店舗対策が進んでいる

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 島根支部島根職業能力開発促進センター(通称ポリテクセンター島根)(以下、ポリテク)との協業

駅前商店街に設計デザイン事務所を構える『Design Office Sukimono(デザイン オフィス スキモノ)』の代表がポリテクでゲスト講師として授業を担当したことがきっかけで関係が生まれる。江津市では、ポリテクと協働しリノベーションによる空き店舗対策を展開している。ポリテクとしては、リノベーションが制作実習課題の一環として生徒の技術向上につながるなど、Win-Winの関係を構築している。

江津市では、52barのほかに、江津市が主催する「う・まいんど」という行政や商工会議所、U・Iターン希望者等、市内外から江津に関わる、または、関わりたい人が集まり親睦を深める交流会があります。こうした楽しい飲食を介した交流により、ポジティブなアイデアや企画が生まれやすくなります。また、交流会を通してデザイナーなどともつながりが出来ます。デザイナーなどのクリエイティブな職種の方は、アイデアを目に見える形に表現する能力があります。さらに、アイデアの実現に向けた仕組み作りについては、まちづくり団体である「てごねっと石見」がフォローします。それにより、交流会で出たアイデアが飲み会の上での話に留まることなく、形を成し実行されやすくなるといいます。

う・まいんどは目的により東京でも開催される(でごねっと石見のフェイスブックより)
う・まいんどは目的により東京でも開催される(でごねっと石見のフェイスブックより)