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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

重層的なネットワークがまちに変化をもたらす(島根県江津市)

自信を取り戻す商店街 手つなぎ市の展開

駅前から離れた本町は、ふらりの取り組みから活性化に向けて動き始めていたものの、駅前商店街は、郊外の大型店進出などで空き店舗が増加し衰退が進んでいました。駅前商店街では、「ハード整備をしないとまちが動かない」と活性化について環境に依存する考えを持つ商店主が多い状況でした。
しかし、ふらりの取り組みから手ごたえを感じていた藤田氏は、ふらりで得たノウハウを活用し、イベントで駅前の雰囲気を変えることを考えました。イベントへの出店には空き店舗を活用することで、イベント時にでもシャッターが開けばまちの雰囲気が変わると考えたのです。また、藤田氏はイベント展開において、駅前商店街を変えるにはその商店から協力者が必要と考え、有志を募り、駅前商店街青年部(以下、青年部)を立ち上げました。藤田氏と青年部は手つなぎ市というイベントを開催することにしました。

ふらりの評判の高さから手つなぎ市の期待も高まったことや、青年部が地道にチラシを手配りしたことが功を奏し、イベント初回から盛況となりました。手つなぎ市の盛況ぶりは、駅前商店街のかつての賑わいを想起させ、駅前商店街の人たちの自信を取り戻すきっかけとなりました。
さらに、イベントを通して空き店舗を利用した出店者が駅前への出店意欲を高め、空き店舗が徐々に減少する流れが出来始めました。こうして、青年部は成功体験を蓄積し、より一層、駅前商店街の活性化に向けて主体的に活動するようになります。

手つなぎ市の様子(手つなぎ市のフェイスブックより)
手つなぎ市の様子(手つなぎ市のフェイスブックより)

なお、今では手つなぎ市は開催していません。賑わいのあるまちの風景を市民にみせ、活性化を図る力があることを肌で感じてもらうこと、また、駅前商店街活性化に向けた青年部などのまちづくりプレーヤーの発掘、並びに、そのまちづくりプレーヤーがイベント開催などを通して自信をつけることなど当初の目的を達成したからです。

つまり、活性化への次のステージとして、駅前商店街のまちづくりプレーヤー自らがイベントを企画・実施する必要が出てきたのです。その青年部などの駅前商店街のまちづくりプレーヤーが協議を重ねて企画・運営するイベントがハロウィンパーティーです。江津市では人材やまちの成長ステージごとに取り組みを変化させる動きが見られます。

駅前の新たなイベントであるハロウィンパーティー
駅前の新たなイベントであるハロウィンパーティー