まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
(第2回)歴史ある商店街のリノベーションによる活性化(岐阜県岐阜市)
2つめのステップ 店舗リーシングについて
柳ヶ瀬活性化2つ目のステップは、サンビルを通して掘り起こした創業者を柳ヶ瀬の遊休不動産にリーシングしていく動きです。具体的にはサンビルに繰り返し出店し固定客を創造した、ユニークで実力ある店舗をリーシングします。その際には、リーシングする店舗の特性に合わせて、店舗面積などの需要と供給のバランスを取るため、遊休不動産のリノベーションを行います。
また、遊休不動産の中で高層階を持つ物件については、店舗として不向きなものもあります。そのような高層階については、シェアオフィス等店舗以外の活用方法も進めていきます。雇用の創出ともに物件所有者の未入居によるリスク分散と収益の確保を図ります。先述のまちでつくるビルで見られるように、クリエイターたちの交流による相乗効果はまちに新しい変化を与えることになります。
以上の取り組みにより、2013年から2017年の間に民間の取り組みも含め、柳ヶ瀬周辺に70名以上の雇用を生み出すことが出来ました。こうしたリノベーション物件で生まれた創業者、雇用者の内訳は次の通りです。
- ロイヤル40 :16名
- まちでつくるビル:18名
- カンダマチノート:14名
- 矢沢ビル :9名
- 美殿町個店 :10名
- その他 :5名
3つめのステップ 新規事業者と地元商店街店主の交流・連携
こうした取り組みにより、新たにまちにやってきた創業者やクリエイターたちが中心となり、「おとなの学校」いう、それぞれが講師となり得意分野を教えあう形式のイベントを開催したり、創業者が経営する飲食店を会場としたワークショップの開催などを通してコミュニケーションの輪を広げています。このようなイベントをきっかけに、もともとまちにいる人と新しくまちに来た人をつなぎ、コミュニケーションを通して、今後、まちに刺激と変化を与える姿が想像できます。