(第2回)歴史ある商店街のリノベーションによる活性化(岐阜県岐阜市)
サンビルで販売される商品は、大規模ショッピングセンターなどと差別化を図るために、「一品物、ここにしかないものを販売する」ことをコンセプトに展開されました。顧客ターゲットは、手仕事を重んじ、物の手入れを好む傾向がある30から40代の女性(マーケット用語でいうシンプル族)に定めました。こうした層をターゲットとした理由は、柳ケ瀬内に近年30~40代女性起業者が集まり、変化の兆しがあったからです。以上の取り組みは、中小企業整備基盤整備機構(以下、中小機構)のアドバイザー派遣制度を活用し、その衰退商業地の再生の専門家からのアドバイスによって、構築されました。
サンビルは、平成26年9月から現在に至るまで毎月第三日曜日に開催されています。イベントの運営は、当初は商店街と有志による実行委員会が運営に当たりましたが、現在では、平成28年12月に設立された100%民間出資のまちづくり会社である「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」が運営しています。
【参考:柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社】
柳ヶ瀬商店街の遊休不動産を活用するために、商店街関係者有志で出資し設立した。役員は商店主やまちづくりの専門家、岐阜大学の准教授らが名を連ねる。現在はロイヤル40のリノベーションやサンビル運営などを手掛ける。
サンビル出店者の合計売上と一店舗当たりの売上は、開催日の天候などの理由で増減はあるものの増加傾向にある。
サンビル出店応募件数は時期により増減はあるものの増加傾向にある。実際の出店については、柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社が出店者を厳選している。それが、来街者の満足度向上に寄与している。
以上のように、サンビルは出店者の売上が増加傾向にあり、創業希望者の中でサンビルの認知が高まり、出店応募件数も増加傾向にあります。来街者もターゲットを30から40代女性と絞ったため、SNSや口コミなどでその評判は広がり、参加者は増加傾向にあります。来街調査では、市内が40パーセント、県内が30パーセント、それ以外からの来街が20パーセントとなっており、県外からの来街も多いイベントとなっています。