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新潟古町まちづくり株式会社が展開する三方良しのソーシャルビジネスとは

無料駐車券事業について

メリットを提供し提携駐車場・無料駐車券サービス店を増やす

新潟古町まちづくり株式会社は、来街者、駐車場、無料駐車券サービス店それぞれにメリットのある事業スキームを作り上げました。その結果、60か所以上の駐車場が提携し、160店以上の無料駐車券サービス店を呼び込みました。その事業スキームの構築に至るまでの概要は以下の通りです。

新潟古町地区では、以前より3つの商店街が、それぞれの指定する駐車場の無料券(30分)を発行していましたが、駐車券が紙であるため、管理人の常駐する駐車場でしか利用できない現状がありました。さらに、各駐車場は、回収した駐車券を発行店別に分け、金額を集計して個別店舗に請求しており、事務負担が大きいことも課題でした。
 
そこで、新潟古町まちづくり株式会社では、これらの業務を一括で請け負い、無料駐車券の磁気カード化によって無人駐車場で利用できるようにしました。磁気カード化による機材などの初期投資については市の補助金を活用しました。

つまり、駐車場には、初期投資を抑えながら人件費など運営コストを削減するメリットがあるのです。これらのメリットの提供により、新潟古町まちづくり株式会社は、各駐車場から無料駐車券を通常の駐車場利用料から割り引いた価格で仕入れることができるようになりました。

一方で、無料駐車券サービス店に対し、新潟古町まちづくり株式会社は、駐車場が通常提供する駐車場利用料から割り引いた価格で無料駐車券を販売しています。個店にとっては、通常利用料金より安く無料駐車券を購入できるメリットと、先述の管理業務の合理化による協力駐車場の増加により、顧客に案内できる駐車場の選択肢が増えるメリットがあります。

さらに、無料駐車券サービス店の増加についてですが、ソーシャルビジネスを展開するまちづくり会社が無料駐車券事業を運営をすることで、商業店舗ばかりでなく、銀行、医院なども加盟店に呼び込み、無料駐車券サービス店の増加を図っています。なお、無料駐車券の発行基準については、各個店の自由となっています。

  

(参考)無料駐車券サービス店一覧 別ウィンドウで開きます

無料駐車券事業の収益構造

新潟古町まちづくり会社の無料駐車券事業における収益スキームは、次の通りです。

先述の通り、新潟古町まちづくり会社と駐車場側との取引では、無料駐車券の清算業務をを新潟古町まちづくり株式会社が行うことで、無料駐車券を通常の駐車場料金より割引いて購入しています。また、新潟古町まちづくり株式会社と無料駐車券サービス店からの収入は、会費と無料駐車券販売額ですが、この販売価格は通常の駐車場料金より割引かれています。

つまり、無料駐車券買取時の割引率より低い割引率で無料駐車券サービス店に販売することで、その差額を収益としています。

以上のように、新潟古町まちづくり株式会社は、駐車場、無料駐車券サービス店にメリットを提供することで、来街者の利便性の向上を図り、収益を獲得しています。

無料駐車券事業のスキーム図
無料駐車券事業のスキーム図

「無料駐車券仕入時の割引率>無料駐車券販売時の割引率」とすることで収益を生んでいる。