(第1回)高山市が展開するインバウンド対策について(岐阜県高山市)
加えて、日本政府観光局(JNTO)(以下、JNTO)の海外事務所に観光パンフレットを設置するなど海外に高山市を売り込む活動も行っていますが、さらにJNTOの香港事務所とパリ事務所に市の職員を派遣しプロモーション活動も行っています。また、JNTOはターゲットとする国を策定して日本の魅力を発信していますが、高山市はJNTOの方針に沿いながら高山の魅力を発信することで相乗効果を図っています。
平成30年3月時点で、ソウル、北京、シドニー、ロンドン等をはじめ14のJNTOの海外事務所にパンフレットを設置しています。
さらに、国内外の交流事業や大学のゼミ合宿などに対し、補助を行うことで、高山市に人を呼び込み高山市の魅力を知ってもらう「高山市コンベンション開催支援補助金」があります。具体的には、コンベンションやゼミ合宿などに参加する人数に対して1,000円補助が出る仕組みです(平成30年3月時点)。高山市の強みである観光産業を活かし、観光学部や経済学部を持つ大学にプロモーションを行い、学生などを高山に呼び込むことで、学生たちが高山市の観光施策を学ぶとともに高山の魅力を感じることとなります。彼らが、高山市のリピーターや口コミの発信源になることを狙っているのです。
高山市は、平成8年から観光施策を強化。試行錯誤の時期が続くが、平成17年の市町村合併が、面的な観光施策を展開するきっかけとなった。その後、平成21年にリーマンショックの影響があったが、平成22年まで順調な伸びを見せた。東日本大震災の影響で、平成23年は約95,000人に落ち込んだものの、これまでの様々な観光政策の相乗効果により、平成29年には約513,000人と年々外国人観光客の宿泊者数は増加している。