まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
(第1回)高山市が展開するインバウンド対策について(岐阜県高山市)
高山市が仕掛ける外国人誘客策とは
高山市が観光施策の強化を決めたのは、平成8年に示された将来人口推計がきっかけでした。将来人口が今より半減する現実に直面した高山市は、人口が減少する中、交流人口を増やし経済活力の向上を図る方針を示しました。
また、「住みよいまちは、行きよいまち」であり、福祉施策と観光施策は不可分であるとした市の基本理念の下、まちのバリアフリー化推進も方針として定められました。(バリアフリーについては後述します。)
交流人口を図るため、外国からの誘客も必要であると考えた高山市は、ターゲットを台湾に定めプロモーション策を展開しました。理由は、言語が漢字圏であり、日本語を話せる方が多いことや、観光客ベースで見ると最も訪日者が多く、歴史的背景から日本との交流が深く親日家が多いことです。
高山市が展開するプロモーション策は、外国の旅行博覧会などに出展する取り組みです。旅行博覧会では、海外の旅行会社や旅行雑誌の記者と繋がりが出来ます。その際、彼らのニーズと高山市の魅力とのマッチング性が高いと判断した国には、予算が許す範囲で現地に赴きさらに営業を仕掛けるのです。市長自らが現地へ赴きトップセールスを行うこともあり、現地への強いアピールとなっています。旅行博覧会への出展にあたっては金沢市や南砺市、白川郷、松本市と共同ブースで出展する一方で高山市単独で出展することを使い分けて訴求効果を強めています。
また、海外の旅行会社やメディア、ブロガーなどを招へいし、高山をアピールするプロモーション策も展開しています。