まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
商業インキュベーター(チャレンジショップ)成功の要因 ‐夢CUBE誕生10周年を迎えて‐(奈良市)
もちいどのセンター街が起こした逆転劇‐夢CUBEの成果とは‐
(2)通行量増加・公示地価の上昇
夢CUBEに出店するチャレンジャーを選考するにあたり、今までのもちいどのセンター街にない業態や業種であることを判断基準の一つとしました。これまでにない店舗が出店されることで新しい顧客層を商店街に呼びこむ目的があるからです。また、2008年に整備された食品スーパーマーケットである「オーケスト」のオープンも相まって、もちいどのセンター街の通行量はV字回復を果たしました。昨今では、インバウンド効果もあり奈良町方面からの観光客の取り込みを図るなど、通行量をさらに押し上げています。
年々下降気味であった一日当たりの通行量が2007年の夢CUBE整備・2008年のオーケスト整備を機に回復基調となった。2010年の平城遷都1300年祭以降は下降に転じるが、昨今はインバウンドの影響もあり再び上昇傾向となっている。
また、公示地価についても以下のグラフのように上昇傾向です。夢CUBEのような起業支援が公示地価上昇の一助となっているなどの新聞報道があるほどです。
2014年から公示地価は上昇傾向。特に2017年は前年の7%増となった。
これらの成果は、夢CUBEとスーパーマーケット「オーケスト」のオープンや、夢CUBEをきっかけとした空き店舗の減少と夢長屋のオープン、さらに夢CUBEのチャレンジャーと商店街の先輩商人の協力体制が商店街の雰囲気を変えた結果と言えます。