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商業インキュベーター(チャレンジショップ)成功の要因 ‐夢CUBE誕生10周年を迎えて‐(奈良市)

もちいどのセンター街が起こした逆転劇‐夢CUBEの成果とは‐

(1)空き店舗解消・店舗数の推移

夢CUBEのオープンが、周囲に影響を及ぼし変化が生まれました。初めの変化は、夢CUBE1期生の募集倍率が4倍であったことを受けて、周囲の空き店舗オーナーが家賃を夢CUBEの入居条件の水準に合わせれば同様に入居希望者があるということが分かったので貸そうという気になったことです。つまり、夢CUBEの開業を受けて、もちいどのセンター街に借りたいという要望が高まったのです。これにより、夢CUBEの卒業生を待つまでもなく空き店舗が減少するという嬉しい誤算がありました。

次に、夢CUBE開業後、起業を促す施設が増えてきました。まず、2012年にオープンした「きらっ都・奈良」、さらに、2013年に夢CUBEの向かいに、民間が夢CUBEを参考に「夢長屋」というチャレンジショップを整備しました。こちらは、チャレンジショップのような期限付きの条件だけでなく、継続的に出店できるスキームもあります。よって、夢CUBEの卒業生が夢長屋に出店することがあります。夢CUBE卒業生にとって、夢CUBEの向かいの夢長屋に入居することは、チャレンジ期間に開拓した顧客をそのまま開業店舗に誘導できるメリットがあります。なお、これまでにチャレンジした31店舗の内、16店舗が商店街内外で営業を続けています。

夢CUBEを参考に整備された夢長屋

さらに、先述したチャレンジャーと先輩商人との協働が信頼関係を醸成し、廃業予定の店舗に夢CUBEの卒業生が入居するなど、新しい世代交代の形も生まれつつあります。

加えて、2011年には近隣の商店街にもチャレンジショップが整備され、こちらも入居者が相次ぐなど夢CUBEが創業支援・起業支援のモデルケースとなり地域活性化に寄与する様子が窺えます。

もちいどのセンター街 店舗数の推移(軒)
夢CUBE誕生10周年記念誌「餅飯殿町12番地の奇跡」を元に作成

2006年には72店舗まで落ち込んでいたが、2007年の夢CUBE整備後は徐々に上昇し、2013年の夢長屋整備を機に100店舗を越えてからは堅調に推移している。