(第1回)歴史ある商店街のリノベーションによる活性化(岐阜県岐阜市)
イベント開催でまちづくり人材を発掘する
最初に、柳ヶ瀬周辺地区のマイナスイメージ払拭のため、商店街を含めたまちづくり関係者が行ったことはイベント開催及びその誘致です。「柳ヶ瀬ジェラシックアーケード」を始め、市民有志で開催された柳ヶ瀬お化け屋敷「恐怖の細道」や日本酒イベント、ワインフェスなどさまざまイベントを展開しました。特に商店街の若手役員とボランティアで運営された「柳ヶ瀬ジュラシックアーケード」は2日間で8万人の集客を誇るイベントとなるなど、柳ヶ瀬周辺地区のイメージ改善にある一定の効果がありました。
ところで、「柳ヶ瀬ジュラシックアーケード」においての、イベント展開の最大の効果と言えるのが、まちづくりプレイヤーの発掘です。イベントは回数を重ねる毎にイベント運営側が受動的になるケースがあります。その中で柳ヶ瀬周辺地区のイベント展開では、主体的に動きたい人が楽しいと思えるように意識しました。ポイントは、商店街以外の外部からの協力者(ボランティアも含む)を単なる人手と捉えず、外部協力者のイベント参画動機などを大切にしながらイベントを進めたことです。その結果、ボランティアがイベントを企画するまでに至り、参画意識がさらに高まりました。今では、ボランティアが、ボランティアを呼ぶようになり、まちづくりプレイヤーの輪が広がっています。
こうしたイベントを通して発掘したまちづくりプレイヤーが、人脈を広げ、商店街店主とも連携して2016年には100パーセント民間出資のまちづくり会社である「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」(後述)設立までに至りました。
しかし、こうしたイベントが発展しても、柳ヶ瀬周辺地区の日常的な集客には中々つながりませんでした。公社をはじめとしたまちづくり関係者は、どういう状況になればまちが活性化したと言えるのかを改めて考えるようになりました。その中で、「中心市街地活性化とは、民間の個人・法人が柳ヶ瀬周辺地区に建て替えや・出店・起業・居住などの投資が起こる持続可能なまちであること」と結論付けました。具体的には、エリアの価値を上げることで、魅力的な店舗を展開する起業家に遊休不動産が活用され、賑わいが創出される。その結果、居住人口が生まれてくるという考えです。これを段階的に達成していくために以下の方針を定めました。