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民間会社が展開する商店街再生プロジェクトとは(新潟市中央区沼垂)

テラスオフィスが展開した活性化策の効果とは

このような動きから、再スタートからわずか1年足らずでこの長屋式建物の空き店舗は、ほぼ解消しました。空き店舗解消後も出店希望者が絶えず、その度に断らざるを得ない状況でしたが、沼垂テラスの周辺の空き家オーナーから物件活用の申し出がありました。

これを機に、テラスオフィスは、沼垂テラスだけでなく沼垂全体の活性化を目指して動き出すことになります。沼垂テラス周辺の空き家を活用した店舗をサテライト店として位置付け、「沼垂テラス・エフ」と名付けました。沼垂テラス・エフの店舗は3店舗(2018年6月現在)に増えており、出店希望者数の現状をみると、空き家とのマッチングがうまくいけばこれからも成長が見込めそうです。これは、周辺の空き家・空き店舗物件所有者が、沼垂テラスの活性化の流れに感化された動きと言えます。

沼垂テラス・エフに出店したKADO shoe repair & beer stop(沼垂テラスホームページより)

以下のリンクにある通り、沼垂テラスおよび沼垂テラス・エフには、若い感性を持った個性的で魅力的な店舗が多くあります。入居希望者に対してテラスオフィスが面談を行いますが、「あえて沼垂に来ないと出会えない個性的で面白い店舗であること」を最も意識していることが要因と言えます。一方で、家賃は若者が起業しやすい設定にしてます。審査を経た魅力的な店舗が、口コミや人脈などで更なる入居希望者を呼び、個性的・魅力的な店舗の集積が集客を生んでいます。

 

沼垂テラスと沼垂テラス・エフの店舗一覧 別ウィンドウで開きます

 
さらに、若い感性を持った店主たちが集積するメリットとして情報発信力が挙げられます。若い感性を持った店主たちはツイッターやフェイスブックなどのSNSで情報発信を頻繁に行います。沼垂テラスの公式サイト上のブログ更新や各店舗の情報発信が相乗効果が生み、集客に寄与しています。また、ツイッターやフェイスブックを中心とした販促は、広告宣伝費のコストが大幅に抑えられるといったメリットもあります。

まとめ

テラスオフィスのスピーディな事業展開、レトロな沼垂の雰囲気、そしてその雰囲気にマッチした各個店が個性を発揮し、それが相まって、今の沼垂の賑わいがあるといえます。その民間力でにぎわいを取り戻したことが評価され、2016年1月には地方新聞社と共同通信社が、地域活性化に挑む団体を応援する賞である「地域再生大賞」では準大賞、さらに2017年10月には、公益財団法人日本デザイン振興会が主催の「グッドデザイン賞」を受賞しました。

取材に応じていただいた高岡氏は、「商店街の個性的なお店をきっかけに沼垂の魅力を感じていもらい、住む場所としても選んでもらえるようにしたい。沼垂テラスの活性化は周囲に影響を及ぼしつつあり、テラスオフィスの理想も現実味を帯びてきた。さらにその流れを強めるには、週末やイベントを中心とした集客だけではなく、平日も来街があるような商店街にすることが課題。それにむけて商店同士の結束力をさらに高めていきたい」と語ります。これまでの苦難を乗り越えてきたように課題に対応していくテラスオフィス、沼垂テラスの姿が想像できます。

 

第6回地域再生大賞 別ウィンドウで開きます

 

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人口 801,298人(平成30年4月1日現在)
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