
(第2回)高山市が展開するインバウンド対策について(岐阜県高山市)
集客を図る商品造成やイベントの展開
市内の観光客誘致商品開発
高山市は市が収集したニーズを活用して誘客商品の造成につなげています。外国人観光客のニーズを分析した結果、以下のような魅力的な観光商品が出てきました。
①飛騨・高山ウルトラマラソン
平成24年より実施しており、第6回となる平成29年には、全国から3,002人(うち外国人68名)が出走しました。地域資源に富んだコースとなっており、累計標高差が約2,500メートルと日本屈指の過酷な大会となっていますが、飛騨高山の赴きある町並や自然を満喫できるレースとなっています。このイベントの直接経済効果は約2億1000万円、波及経済効果は約4億6000万円と言われています。

②農山村体験(グリーンツーリズム)
「農業」「自然」「生活文化」「環境活動」「食文化」「雪遊び」の6つのカテゴリーから約70種類以上の充実した体験プログラムが用意されています。田植え体験やさるぼぼ作成体験、スキーハイクなど四季を通じて高山の文化や自然を楽しむことができます。

※「さるぼぼ」とは地元では「猿の赤ちゃん」という意味で、娘が良縁で安産であることを願って作るぬいぐるみの事です。
③着物散歩
着物で高山の情緒的な町並を散歩できる商品です。地元の和装教室の講師が、着付けの対応をします。和装教室の講師は、着付け技術の向上を目的としているため、ほぼ無報酬で対応にあたっています。
④ロケツーリズム
映画やアニメの舞台として飛騨高山は選ばれています。その舞台となった場所を巡るマップ作りやコラボレーション商品の開発などを展開しています。
このような、観光商品造成のポイントは、外国人観光客を含む観光客が、高山の普段の生活の中で、どのような体験をしたいかに焦点を当てることが大切です。つまり、観光客のニーズに対応する商品造成にあたっては、観光客のニーズに沿った形で、地元の地域資源を最大限に活かすことが重要となってきます。