本文へ

中心市街地活性化協議会支援センター

文字サイズ
まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

地域の暮らしの豊かさを伝える越谷「技」博(埼玉県越谷市)

越谷「技」博の概要

越谷「技」博(以下、技博)は、株式会社まちづくり越谷(以下、まちづくり越谷)が企画した、様々な体験プログラムを約40日間にわたって越谷市内で行う交流イベントです。

プログラムの提供者は、伝統産業の職人や商店街店主、ワークショップを定期的に開催する方、将来的に起業・副業を検討する方まで広く募ります。集客は越谷市内とその近隣市を中心に考えており、一部都内からの集客も狙います。

近隣住民や来街者に、古くから伝わるものから現代のものまで、ものづくりに関わる技を体験しながら、伝統職人や店舗経営者などと交流することで、その背景にある人の魅力や歴史の深さ、そしてそれらが集積するまちの豊かさに気づくきっかけ作りとなることを目指しています。

技博の実施背景

技博開催の背景には、体験型のプログラムを展開できる人材が多く越谷には存在していることがあります。

  • 越谷市には人形、甲冑、だるま、せんべいなどの伝統的工芸があるほかに、市内には約80件ものものづくりの工場が稼働していること。
  • ここ最近では、市内では事業者や市民を中心としたマルシェが1年間で40件ほど開催されているほか、市民によるワークショップ開催も増加していること。
  • 起業セミナーや副業セミナーが市内で複数開催されており、どのセミナーも数十人単位で参加者を集めているが、その中にはワークショップで小さい起業を目指す人が少なからず存在すること。

つまり、人材という地域資源を活かして、全国で展開されている「オンパク」のように、人が持つ技を通して地域の見直しや活性化に寄与できないかとまちづくり越谷は考えたのです。

技博のスキーム

技博のスキームは以下の通りです。

伝統工芸の職人や店舗経営者、市民などのプログラム提供者が自店舗や貸会場で、受講者に対しプログラムを提供します。プログラム料金はプログラム提供者が各自で設定します。

まちづくり越谷は、中小企業診断士などと協働してプログラム提供者にプログラム構築のアドバイスや会場設定などセミナーや個別相談できめ細かに対応し、講座内容の充実を図りました。その結果、プログラム提供者は86名、プログラム数は118に上りました。

現在は、2020年11月7日の開催に向けて、講座受講者を募集しており(2020年10月現在)、まちづくり越谷は技博の運営を管理するとともに広報活動を積極的に行っています。広報はタブロイド型の冊子を越谷市内に5,000部、浅草駅前で500部配布するほか、越谷市外へもチラシを50,000部配布します。またFMラジオを通じて、30回以上のラジオ広報、また希望するプログラムの申込もできる技博情報発信HPサイトのを開設など幅広く行います。

スキーム
【技博のスキーム】
情報冊子
【技博のプログラム紹介冊子】

技博実施の先に

コロナ禍において、まちづくり越谷はWEBアプリ活用の飲食店テイクアウトマップを展開しました。約3万人の越谷市民がこのテイクアウトマップを活用し、そのアプリ内の行動数は80万を数えました。その結果、市内115もの飲食店周知につながり、まちづくり会社は飲食店の売上に貢献しました。コロナ禍の中、まちづくり会社の懸命なアクションは、飲食店から信頼を得ました。

今回の技博では、飲食店だけでなく小売店も参加します。店舗経営者が日々の経営で培った技をもとに市内外からの受講者に対して満足を与えることが出来れば、店舗と顧客の心理的距離感を縮めることにつながります。これが、さらなる市内店舗とまちづくり会社の信頼関係の醸成につながるはずです。まちづくり越谷はこれを基盤に新たな事業の仕組み作りに取り掛かっています。

また、今回、技博のプログラム提供者の中には、創業希望者や副業を視野に入れて参加する方もいます。まちづくり越谷は、技博をきっかけとして、こうした新しい働き方を模索する層にどのような機会を与えて、開花を促していくか模索しています。

さらに、市民や来街者に対しては、技博をきっかけに、まちに隠れていた伝統や歴史、魅力な人材、また、まちに新しい価値を呼び込む創業者などを発信することで単なるモノ消費ではない新しい消費の形を提案することも模索しています。

これらのまちづくり会社の新事業についてはまた別の機会にご紹介いたします。

(技博参加希望者問い合わせ先)
Tel) 048-940-8676
Mail) info☆koshigaya-machi.com(星印を@(アットマーク)に代えてお問い合わせください)