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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

昭和の下町情緒を再現するイベント「幻まつり」

ポイント

  • 商店街コンセプトを重視したイベント
  • 商店主、商店街サポーターによる手作りイベント
場所:
岐阜県岐阜市柳ヶ瀬
分類:
【イベント】
人口:
41万人
協議会:
あり
実施主体:
日ノ出町商店街振興組合
参考URL:

http://ameblo.jp/yanagasehinodemathi/ 別ウィンドウで開きます


まちの概要

規模・人口

 岐阜市は日本のほぼ中央部、岐阜県の南西部に位置し、名古屋からは約30㎞、東京からは約250km、大阪からは約140kmの距離にあります。岐阜市全域の人口は約41万人、平成9年からほぼ横ばいで推移しています。

交通アクセスなど

 JR東海道本線、名鉄名古屋本線を利用することで名古屋からのアクセス性は非常に高いといえます。また、JR高山線により日本海側の富山まで結ばれています。

まちの現状

 終戦直後、旧国鉄岐阜駅前に繊維問屋が形成され一大産地となり、復興目覚ましい柳ヶ瀬は全国的に有数な繁華街となり、岐阜市の中心市街地へと発展し、歴史ある娯楽街として岐阜市民に親しまれてきました。かつては、映画館などの娯楽施設や各種小売店や飲食店が軒をつらね、「柳ブラ」を楽しめる場として賑わってきました。

 しかしながら、繊維産業の海外展開と流通体系の変化による問屋街の衰退、中心市街地から大型店舗の撤退と郊外への大型店舗の出店、公共公益施設の郊外移転もあって、もはや過去の商業的意味での栄華を求めることは難しい状況にあります。平成11年以降、域内の大型店が相次いで閉店しまい、一部は未だ空き店舗の状態で残され柳ヶ瀬衰退の象徴となっています。岐阜市郊外や周辺市町村における相次ぐ大型店舗の新規出店に伴い、それまでの柳ヶ瀬の購買層がそれらの店舗へ流出し、来街者減少に歯止めがかからない状況となっています。

活性化の取り組み

商店街コンセプトの策定

 柳ヶ瀬の日ノ出町商店街振興組合では商店街の性格、雰囲気を特徴づけて明確にするためにコンセプトづくりから始めました。専門家の支援を受けながら商店街の皆でまちの歴史、マーケットの状況、競合の分析をして、街のキーワード、イメージを検討し「あの日、あの時、そして今を遊ぶ、街を遊ぶ。」をキーワードに「日ノ出町宣言」を作り上げました。

 日ノ出町宣言(抜粋。全文は 商店街ブログ 別ウィンドウで開きます に掲載されています。)
『ここは柳ヶ瀬、日ノ出町商店街。街に一歩踏み入れると…。そこには昭和の匂い、下町の匂い、サブカルな匂いが混じりあうカオスな街。街ごと劇場のような街。』

具体的な内容

幻まつりの風景

 商店街コンセプト「日ノ出町宣言」に基づいたイベント「幻まつり」を開催しています。平成21年12月に第1回を開催して平成22年12月の第7回まで、継続して実施しています。継続して開催することで柳ヶ瀬のイベントして市民に親しまれています。

 平成22年12月23日~26日に第7回幻まつりが開催されました。見どころ、食べどころ、買いどころが盛りだくさんの内容になっています。毎回恒例の空き店舗を利用して昭和の雰囲気にあふれる“トリスバー”を再現。“大盛り、特盛り、店自慢”「大きいことはイイことだ、多いことはイイことだ」を合言葉にした商品の大盛り、焼きそばの超大盛りのメニューの提供。開運水晶玉、真空管ラヂオなどなど店主自慢のレアでディープなサブカルものを店内に展示。商店主が閉店後に集まって作った特製の手作りの行燈(あんどん)70個を道路両側に300mに並び、昭和レトロの雰囲気を醸し出しました。

 日ノ出町商店街にある映画館、ロイヤル劇場では柳ヶ瀬の活性化につなげたいという思いから日ノ出町宣言に賛同して昔懐かしい昭和の名作映画を上映しています。

幻まつり

取り組みの効果

 幻まつりを支えているのは、商店主だけでなく、商店街が好きな学生、若者もサポーターとして加わっていて街の活性化に向けた新しい取組みに育ってきております。

 商店街ブログでの情報発信、ラジオ出演でのPR、など商店街としてこれまでやってこなかった新しいことにも取り組んで、新聞に掲載されることも多くなってきました。

 人通りや売り上げが少し上向いたという声もあって、少しずつ取り組みの効果が現われてきています。

今後の課題

 今後は、柳ヶ瀬地域内の周辺商店街とも幻まつり共通ポップを作製し、協賛売出しを実施するなど連携を図っていくことにしています。

 また、幻まつりを通した「個店カルテ」を作成し、PDCAを実施しながら「オモシロイ」を発信続けていけるよう、幻まつりのブラッシュアップとともに、イベント開催時以外(日常)の各個店の販売促進につなげる取組みに発展させていくことにしています。

関係者の声 まちの声

 「商店街では従来からイベントを多く開催してきたと自負している。今回コンセプトを明確にすることで市民に強く印象付けることができた。市民の反応が違ってきたと感じている。

 新聞、ミニコミ誌への情報提供をしっかり行って、商店街の情報発信を強化している。商店街活性化のため幻まつりは継続していく。」

取材を終えて

 今回、商店街のリーダーに話を伺いました。閉店後の準備、冬は雪が降るなかでの準備など御苦労もあったそうです。継続して開催すること、毎回工夫を凝らして開催していくことでイベントの効果、活性化の手ごたえがつかめるものだと感じました。

 参考資料:岐阜市中心市街地活性化基本計画

<取材日H23.1.31>