
基本計画終了後の協議会(島根県雲南市、滋賀県草津市)
中心市街地活性化法(以下「中活法」という)にもとづく基本計画が終了した後、その実施に貢献してきた中心市街地活性化協議会(以下「中活協議会」という)はどうなるのでしょうか。
まちづくりの取り組みは、基本計画が終了した後も止まりません。整備されたハード施設の活用や、にぎわい創出のソフト事業の実施など、まちづくりに民意を反映する場として機能してきた中活協議会は、その存在意義を引き続き発揮します。基本計画終了後も中活協議会が活動を継続する例は全国にみられ、中心市街地活性化の担い手として活躍しています。
今回は、基本計画終了後の中活協議会のあり方の事例として、島根県雲南市と滋賀県草津市の取り組みを紹介します。
目次
1.事例 島根県雲南市
(1)概要
雲南市(うんなんし)は、島根県東部に位置する人口約34千人のまちです。2004年11月に5町1村が合併して誕生しました。中国山地と出雲平野の狭間にあり、斐伊川(ひいかわ)やその支流が中心市街地をはじめとする平坦地を形成しています。斐伊川の堤防沿いには約2kmにわたる桜並木があり、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。歴史的には、日本古来の製鉄法「たたら製鉄」の中心地であり、「八岐大蛇(やまたのおろち)」神話の舞台としても知られています。
最近では、移住促進への取り組みが奏功し、若い子育て世代や移住し創業する人が増えているそうです。宝島社の「田舎暮らしの本」(2025年2月号(2025年1月4日発売))に掲載の特集「住みたい田舎」ベストランキングにおいて、若者世代・単身者で全国第1位(4年連続・人口3万人以上5万人未満のまち部門)、総合でも全国第2位に選ばれました。
また、自然環境を活かした産業基盤の整備を行い、市内への企業誘致を進めています。無料高速道路やスマートICの開通で物流の効率化や他地域とのアクセスが向上したこともあり、今後ビジネス関連の人流増大が期待されています。
さらに、2028年には国スポ(国民スポーツ大会)が島根県で開催されるため、これに伴う宿泊・観光需要も見込んでいます。
斐伊川堤防沿いの桜並木※ 八本杉(八岐大蛇の首が埋められているといわれる)
雲南市は、2016年12月に基本計画の認定を受け、2022年3月までの5年4か月にわたり取り組みました。町村合併後の「商業の中心・まちの顔を作る」ことを目的とし、中山間地域における中心市街地活性化の好例となることを目指しました。計画区域は、雲南市役所・下熊谷バスセンター・JR木次駅を含む約130ヘクタールとしました。


基本計画では、中心市街地の活性化によって、①市外に流出している購買力の流れを止める、②市外に移住する人口(定住人口)の流れを止める、③宿泊客(交流人口)の流出を止める、という3つの「ダム効果」を発揮することを基本テーマとしました。
(2)中活協議会を継続した理由
雲南市が、基本計画終了後も中活協議会を継続した理由は基本計画中に完了しなかった事業を継続するためです。事業継続にあたり、中活協議会が引き続き意見集約・提言を行う場として機能しています。
ここでは、中活協議会が推進する3つの取り組みについて説明します。
①木次駅前地区活性化プロジェクト~観光・文化・商業の交流拠点へ~
雲南市の鉄道の窓口であるJR木次駅周辺には、文化施設チェリヴァホール、商業施設マルシェリーズ(駅前ショッピングセンター)があり、観光・文化・商業の拠点としてのポテンシャルは高いです。一方、JR木次線の乗降客は減少が著しく廃線の危機も憂慮されています。
木次駅前地区活性化プロジェクトは、木次駅前地区と周辺施設、連坦地本通りまでを対象とするものです。2018年に木次駅前地区の有志による木次エリア活性化推進協議会から「木次駅前地区活性構想(仮称)策定に向けた提案」を受けたことをきっかけに、2019年に中活協議会内に木次駅前地区活性化構想検討会を設置して始まりました。木次駅前地区は基本計画の計画区域に入っていましたが、基本計画期間中は活性化に向けた構想にとどまったため、具体的な取り組みを進める必要がありました。主要メンバーは、前述の木次エリア活性化協議会をはじめ、駅前商店街組織、マルシェリーズのテナント会、近隣の若手起業者、金融機関、JR木次駅、自治会、地域自主組織など多様で、地域の関係住民の意見を反映させることに重点をおきました。
JR木次駅 チェリヴァホールとマルシェリーズ
同プロジェクトで実施する「木次駅前秋の賑わい市」は、木次駅前地区のにぎわい作りの実証実験として2022年に始まりました。木次駅を中心に毎秋開催の「きすき駅フェス」の1イベントで、プロジェクトのメンバーを主とした実行委員会が主催しています。第4回となる2025年の賑わい市からは、連坦地本通りまで実施対象区域を拡大したことにより、本通り在住の若手起業家との連携が可能になり、新たに数名が実行委員会に加入しました。本通りの若手起業家は、商店街の活性化を目指す「木次まちなかプロジェクト」に取り組んでおり、その実質的なまとめ役は地域おこし協力隊が担っています。市が地域おこし協力隊の活用に力を入れ直したことが、まちづくりの活性化や関係者間の新たなつながり・連携などの効果につながっているとのことです。

中活協議会では、2024年6月に市に対して「木次駅前地区整備に関する提言書」を提出しました。提言では、イベント開催のしやすさやJRの利活用促進を図るために駅前地区の整備を行い、来街者にとって魅力ある場所にすることが必要としています。提言書には整備イメージ図も添えられており、公園や広場の整備、道路の改良、空き家対策などが盛り込まれています。
空き家対策に関しては、都市再生推進法人の立ち上げも進んでいます。2025年度には空き家対策のためのエリアプラットフォームを立ち上げ、(一財)地域活性化センターの移住・定住・交流促進支援事業を活用し、エリアビジョンの作成に取り組んでいます。2026年度以降は、国土交通省の官民連携まちなか推進事業を活用し、都市再生推進法人の指定を目指します。対象となるのは木次町に起業した若手事業者の会社で、空き家・空き店舗の活用の促進とまち(本通り)の新たな魅力づくりを事業目的としています。
②うんなん元気百貨店まちづくり協議会~若年層・子育て世代が暮らしたくなるまちへ~
「うんなん元気百貨店まちづくり協議会」は、2017年に設立された組織で、旧三刀屋原商店街・中心市街地商業施設コトリエット(以下「コトリエット」という)・周辺商業者が主体となり、事務局を雲南市商工会(以下「商工会」という)が担っています。中活協議会とは連携関係にあり、新たなにぎわい作りと商業エリア全体の活性化のための実働組織として機能しています。
コトリエットは2019年にオープンし、地元飲食店6店舗が入居しました。市道の整備と相まって、地域の購買力や交流人口の流出を防ぐ「ダム効果」を発揮しています。このコトリエットを会場に、子育て世代を主なターゲットとしたイベントを積極的に展開しています。毎年8月の最終土曜日に開催する「Un-Machi-Festa(土曜の夜)」は、ステージパフォーマンスや縁日、飲食ブースなどが設けられ、地域の魅力を楽しめるイベントとなっています。また、商工会主催の「秋の軽トラック市」への出店なども通じて、地域の商業活性化にも貢献しています。
さらに、雲南市内外の学生を巻き込んだまちの応援団作りや、三刀屋原エリアのファン育成、新たな人材の発掘にも力を入れています。これらの活動は、移住促進策によりIターン・Uターンをしてきた若年層や子育て世代にとっての、暮らしやすいまちづくりにもつながっています。
中心市街地活性化商業施設コトリエット※ Un-Machi-Festa(土曜の夜)チラシ※
③交流人口拡大のための取り組み~ビジネスホテル開業をチャンスに~
2023年度、中活協議会と商工会、雲南市観光協会、地区内店舗協議会及びテナント会、市が協働して「交流人口拡大のための行動計画(2024~2026)」を策定しました。2024年度には同メンバーによる交流人口拡大連絡会を設立し、計画の進捗管理や情報共有を行っています。
この取り組みの大きな節目となったのが、2025年7月のビジネスホテル開業です。市内初の本格的なビジネスホテルであり、商用利用や観光宿泊の需要に応えるとともに、地域経済への約2億3千万円もの波及効果が期待されています。
ホテル開業に合わせて、中活協議会では来街者対応の強化を図るため、まち歩きマップの作成や観光・飲食・土産物の充実を進めています。特産品の試作・販売や特産館開設に向けた協議も行われており、地域の魅力を発信する拠点づくりが進行中です。また、ホテル側との意見交換や調整を重ねることで、宿泊者のニーズに応える商業環境の整備を進めています。市内には製造業が多く、商用利用の宿泊者が見込まれることから、飲食店の対応力強化やイベント開催による周遊促進を図ることとしています。
開業翌月、ホテル周辺の飲食店では月間売上が大きく伸びたとのことです。ホテル側も想定を超える順調な滑り出しと評価しているそうです。

中活協議会の事務局長で、まちづくり会社(雲南都市開発(株))の常務取締役である吉田さんは「木次駅前地区の活性化と、ホテル開業への対応の目途が立った段階で、協議会の役割にようやく一段落つくと思う」と話していらっしゃいました。またコトリエットについては、運営会社として一層注力していくとのことでした。

雲南市における中活協議会は、基本計画終了後も動き続けるまちづくりにおいて、多様な関係者と協働・連携しながら、さまざまな取り組みの実践の核として活動しています。協議会での構成員間の関係はとてもフラットで、各員が関わる事業に対して活発な議論を展開しています。市との強力な連携体制も、中活協議会を中心としたまちづくりを後押ししています。
中活協議会の存続が、まちづくりの活力を維持している事例といえます。
2.事例 滋賀県草津市
(1)概要
草津市は、滋賀県南部に位置するまちです。県庁所在地の大津市に次ぐ県下第2位の人口(約14万人)を有しています。西部には琵琶湖、東部には丘陵があり、豊かな自然に囲まれたまちです。歴史的には、旧東海道と中山道が分岐・合流する交通の要衝として栄え、宿場町「草津宿」として発展しました。
京阪神との便利なアクセス性から都市化が進み、住みやよさランキングでも全国上位となっています。今も駅東側を中心とした大型マンションの建設ラッシュで、子育て世代を中心に人口が増加をしています。そのため、新旧住民の交流や関係性の構築、住民のまちへの関わりを増やすことが課題となっています。
旧東海道に面した草津宿本陣 街道の向こうに見えるマンション
草津市の認定基本計画は、第1期は2013年度から2018年度まで、第2期は2019年度から2024年度(1年延長)まででした。第1期では、駅前の商業施設niwa+(ニワタス)や、廃川となった草津川を利用した草津川跡地公園de愛ひろばなどの公共空間の整備を行いました。第2期では、近隣の公共施設を集積させた市民総合交流センター(キラリエ草津)や、スポーツ環境の充実などを目的に、市立プール(インフロニア草津アクアティクスセンター)などのハード整備を引き続き行いました。計画区域は、草津駅をはさんだ駅西・駅東エリアに加え、宿場町として形成された本陣エリアで構成される 約197ヘクタールとしました。

草津川跡地公園de愛ひろば 草津川跡地公園de愛ひろば
(2)中活協議会からエリアプラットフォームへ
①エリアプラットフォームとは
「エリアプラットフォーム」(以下「エリプラ」という)とは、地域を再生・活性化するための枠組みの1つです。地域の未来ビジョンを掲げ、さまざまな立場の多様な人(市民、地元企業、行政など)が集まって、課題の解決やまちづくりを進めるための共有の場を構築します。
国土交通省の官民連携まちなか再生推進事業のなかの「エリアプラットフォーム活動支援事業」では、官民連携によるエリプラの構築や未来ビジョンの策定など、エリプラの活動に対する支援を行っています。未来ビジョンは、再生しようとするまちなかエリアの将来像を明確にしたもので、地域の特性や課題を踏まえ、地域の魅力を伸ばすための指針として策定されるものです。官民連携を前提に、多様な人材の参画を促し、新たな価値創造や課題解決を目指す活動を展開します。
官民連携まちなか再生推進事業 (国土交通省「官民連携まちなか再生推進事業」より一部抜粋) 未来ビジョンについて (国土交通省「官民連携まちなか再生推進事業」より一部抜粋)
②エリアプラットフォーム設置までの経緯
草津市では、第2期基本計画終了を見据えた2022年度から、次期の取り組みをどうするか検討が始まりました。第3期基本計画の選択肢もありましたが、ハード整備が一旦落ち着き、「中活」という枠組みである必要性は薄れる一方、中活で築いた公共施設をより使いこなしていくフェーズ(段階、局面)への移行が求められ、「共創」をテーマに国土交通省が推奨するエリアプラットフォームの設置の検討を開始しました。
そして、2024年度、エリアプラットフォーム活動支援事業の対象として採択されたことを受けて、草津市はこれまでの議論をまとめ、2025年3月に「草津駅周辺エリア未来ビジョン(以下「未来ビジョン」という)」を策定しました。
2024年1月には、中活協議会でワークショップを行い、これまでの中心市街地活性化の取り組みを総括するとともに「30年後のまち」をテーマに意見交換をしました。そして同年6月から9月にかけて、全4回の「KUSATSUまちなかクロッキー会議」を開催しました。この会議には、市民だけでなく学生・就業者・地域活動団体・まちづくりに関心のある人々が、中心市街地5エリアを題材に未来の姿をイラストに描き出しました。これらの市民の意見をまとめ「未来ビジョン」はできあがりました。

同年3月には「未来ビジョン市民フォーラム」を開催し、中活協議会構成員、KUSATSUまちなかクロッキー会議の参加者をはじめ、多くの市民や関係者とともに未来ビジョンを共有し、新たな人のつながりと交流を生み出すきっかけとしました。
2025年5月に行われた中活協議会総会で、基本計画の最終フォローアップに対する意見聴取が行われた後、中活協議会の終了と、「くさつまちなかエリアプラットフォーム」への移行が正式に決定しました。
③推進体制
エリプラは、「ビジョン推進委員会」「世話役会」「デザイン会議」「プロジェクト会議」から構成されています。事務局は、都市再生推進法人である草津まちづくり(株)・草津商工会議所・草津市の3者が担います。

●デザイン会議
多様な人がゆるく集まり、未来ビジョンの実現につながるプロジェクトについて話しあうのがデザイン会議です。市民や地元企業をはじめ、関心を持つ方なら誰でも自由に参加でき、オープンな雰囲気の中でプロジェクトのアイデア出しや意見交換をします。この会議を通して、市民が日常的にまちづくりに関わるとともに、実効的なプロジェクトの発掘・まちづくりの担い手(人材)の発掘・ネットワークの創出・事業の支援やマッチング・創業支援などにつながることを目指します。毎月定期的に開催しています。
くさつデザイン会議の様子 くさつデザイン会議の様子
●ビジョン推進委員会
デザイン会議での新しいプロジェクト案や、中活協議会時代から実施しているプロジェクトの進捗、予算など、エリアプラットフォームの活動にかかる承認機関として機能します。中活協議会の構成員がそのまま委員会のメンバーとなり、中心市街地活性化を支えた知見を活かしています。
●世話役会
未来ビジョンを推進するためのマネジメント機関として設けられたのが世話役会です。デザイン会議とビジョン推進委員会を結ぶ役割も担っており、デザイン会議で発案されたプロジェクトについて、ビジョン推進委員会に諮り、予算承認や支援を得るということも行っています。現在は、プロジェクトのリーダーのほか、事務局の3者がメンバーとなっています。
(3)エリプラに移行した理由
草津市がエリプラに移行したことについて、草津市都市地域戦略課の係長・高山さん、矢野さん、草津まちづくり(株)のマネージャー・能政さんに話を聞きました。
「第2期の基本計画を経て、人口増や地価の上昇などまちの状況に改善が見られました。駅前の中心市街地のハード整備もある程度進み、『ハードをどう使いこなすか』というフェーズへと移ったことで、ソフトの取り組みを充実することが必要になりました。そうしたなか、新たな基本計画を策定するよりは、市民や民間がこれまで以上に前面にでて、官(行政)が裏方として支える形で、指針となるものを作れないかと考えました」。
「ちょうど2020年度から国がエリプラの支援事業を始めて、県内他市が基本計画終了後に『未来ビジョン』を策定しました。草津でも事例を学んで、これだ、となりました」。(能政さん)
「中活協議会はまちづくり関係団体の代表者、まちの重鎮ともいえる方が多く集まる場でしたが、広く市民の皆さんにもまちづくりの計画に参加・参画できる場を設けることが必要でした。そこに、エリプラがはまると思ったのです」。
「基本計画は市民の意見を踏まえつつ行政が策定しました。一方、くさつDREAM MAPは草津駅前の活性化に興味を持つまちの人が集まり、『まちのつかい方』を想像しながら未来像を考えてくれました。皆で一緒に作った、思いが反映されたという満足感は高かったと思います」。(矢野さん)
「草津市が目指すのは、滋賀県南部の核となることです。これまで、駅前活性化は市内に暮らす方たちに向けて行ってきました。今後は県南部最大の駅として、市外に暮らす県南部の方たちにも向けていきます」。
「現在は人口増でも、近い将来人口減へと転じることが予想されます。そうしたなか、地縁組織など地域の中の強固な関係性を中心に動かしてきたまちづくりを、市外の関係人口を巻き込んで『ゆるいつながり』を作り、より多くの人を有機的につないでいきたいと考えています」。(高山さん)

中活協議会は、基本計画の推進での経験を活かし、新しいエリアプラットフォームの誕生において重要な役割を果たしました。そのうえで、エリアプラットフォームでは、民意の反映という最大の目的を維持しつつ、幅広い市民の参加を促し、まちづくりの未来を形作り続けています。この移行は、草津市のまちづくりの進化における重要なステップといえます。
3.基本計画終了後の協議会の状況
令和7年7月現在、中心市街地活性化協議会支援センターの情報によると、平成18年度の改正中活法制定以来、全国で設置された協議会の数は201、うち現在活動中または設立準備中は98、休止中は46、解散等は57です。
また、活動中または設立準備中のうち、現在実施中の認定基本計画に基づくものは50、認定基本計画終了後も活動を続けているものは37となっています。

4.まちづくりの協議体の維持
雲南市と草津市の、両市に共通するのは「まちづくりの協議体を維持したこと」です。
基本計画をきっかけに築かれたまちづくりの協議体を維持することには、大きな意義があります。それは、協議会という形であっても、協議会から発展した別の形を取っていても変わりません。5年以上にわたって中心市街地の活性化に向き合い、基本計画の実施と成果を見続けてきた協議会に蓄積した知識や経験、構成員間の信頼関係などは、同じものを再び構築するとなると相応の負担になるものと考えられます。
以下に、協議体の維持の利点をまとめます。
①民意をまちづくりに反映する場として機能 基本計画終了後も、市民をはじめまちの多様な関係者が集まり、意見を集約し行政への提言をするなど、民意をまちづくりに反映する場として、引き続き機能します。 ②中心市街地活性化の継続的な担い手としての重要性 まちの多様な関係者が、地域の課題を共有し、活性化のための事業に際して引き続き担い手として活動するほか、関係者間の調整や協力を取り付けやすくなります。 ③地域の活力の維持と将来の可能性の模索 市民の広範な参加・参画を促進することで、持続可能なまちづくりの基盤を支え、長期的な発展を支援します。 |
さらに、中小機構の支援事業をはじめ、公的支援を引き続き受けられることも利点として挙げられます。
5.おわりに
改正中活法施行から20年近く経過し、中活法を活用したまちづくりが一定の落ち着きを見せるなか、基本計画終了後も中活協議会が活動を続けることは、持続的な活性化を目指す上で重要な意味を持っています。また、中活法を経て新たなまちづくりの展開へと移行するときも、それまでの経緯を把握し、長く議論を重ねてきた中活協議会の経験はおおいに活かされます。
今後も中活協議会には、まちづくりの核として、地域の力を結集し、持続可能な発展に寄与していくことが期待されます。
※印の写真・画像については、関係者の皆さんから使用の許可をいただき掲載しています。