市民が考えるまちづくり事業(大阪府堺市)
まちづくり部会設立のきっかけ
まちづくり部会を立ち上げたきっかけは、基本計画が認定されたことです。中心市街地の対象となった地域は、堺東駅周辺および堺駅周辺、そして、それらをつなぐ山之口地域を含めた190ヘクタールです。それぞれの区域を独立して考えるのではなく、190ヘクタールを面的に捉え、それぞれの人的・文化的資源を活かし相乗効果を図りたいと立ち上がったのがまちづくり部会です。190ヘクタール全体の魅力を活用した取り組みを行うことで基本計画の後押しをしようとしたのです。
会の発足の声を上げたのは商店街の事業者達です。基本計画認定前からお互いの商店街の集まり等に顔を出し情報交換などを行っていました。以前からそれぞれの商店街で活性化のために力を入れていた事業者たちは、基本計画認定をきっかけに、「堺を変えたい」「堺をより活気あるまちにしたい」と想いを高め、商店街同士が協力して中心市街地全体で出来る取り組みを作り上げようと考えたのです。
商店街の事業者は、商店街でコミュニティ再生の為、朝食交流会を伴う清掃活動や、自転車マナー改善の取り組み、市内イベントの手伝いなどの協働を通して、商店同士の絆を結び直す一方で、堺市商店連合会の一員としてまちづくりプレーヤーや行政などとパイプをつなぐ活動など地道に人脈を広げていきました。
そういったまちづくりに興味を持つ人材を巻き込みながら、堺の中心市街地でのまちづくりを考えるフリートークセッションを開催し、堺をどのようにしたいか話し合いを始め、堺の活性化を図る事業構築への想いを共有しました。このフリートークセッションがまちづくり部会設立の大きな一歩になりました。つまり、普段から培ってきた人脈の形成が、まちづくり部会設立の大きな要因となったのです。
協議会は商店街の代表者たちの想いを汲み取り、官民が一つのテーブルで中心市街地活性化について話し合えるよう、協議会の下部組織としてまちづくり部会を設立しました。まちづくり部会には商業者の他に、行政・商工会議所なども加わっています。まちづくり部会において、メンバーはそれぞれの肩書を気にせず、一市民として参加しています。なお、まちづくり部会には敢えて代表者を置いていません。自らの意志で参加するのであればみんなが代表者との考えに基づいているからです。