主体的に活動するまちづくりプレーヤーや組織を呼び込む環境作り(長野県飯田市)
IIDA WAVE(イイダ ウェーブ)
IIDA WAVEは、まちなかでイベントや趣味を中心とした取り組み等を行う会員制の市民グループです。200名以上の市民が登録しています。そのIIDA WAVEの活動方針は、「参加者が楽しいと思えることしかしないこと」「小さな成功体験を積み重ねることにより、参加者に主体性を持たせること」の2点です。始まりは、2001年に音楽に造詣の深いまちづくりプレーヤーが、TheFINALという市内のアマチュアバンドの音楽コンテストを開いたことでした。具体的には、テープ審査やオーディションライブ審査を通過した10組のアーティストの中から会場入場者全員の投票で4組の入賞者を選ぶ音楽イベントです。その4組の中でさらにグランプリに選ばれたバンドには、楽曲のCD化やDVD化ならびに販売などの特典があります。中にはメジャーデビューした歌手や音楽バンドも出てくるなどTheFINALの認知は高まり、人気のイベントに発展しています。
この音楽イベントの成功体験が周囲のまちづくりプレーヤーに影響を与え、映画上映イベントを開催することで映画好きのコミュニティの場を創出する団体や、サイクリングを行うことで、飯田市の良さを再認識しながら健康づくり・仲間作りを行う団体が新たにできるなど、まちの活性化に寄与する組織が生まれました。一人のまちづくりプレーヤーの成功体験が、仲間を次々に呼び込んだ一例といえます。IIDA WAVEの団体・サークルを以下に記します。
・Music WAVE
まちの活性化とアマチュアミュージシャンの育成を目的とし、音楽イベントを開催。
・Cinema WAVE
映画好きの方々のコミュニティを活かし、映画・人との新たな出会いなど飯田下伊那の新たなシーンを演出するため観賞会などを実施。
・Runners WAVE
健康づくり、走ることを通して感動を分かち合える仲間作りを基本としたまちの賑わいを創出。月に一度のトレーニングやマラソンレースの参加などを実施。
・Walking WAVE
ウォーキングで飯田の名所を巡りながら健康づくりを行っている。月に一度の例会では歩き方の指導も受けられる。
・やさい WAVE
「ふれあう、味わう、楽しむ、活かす」をキーワードに、地域食材の地消を図るため、生産者、飲食店、消費者を一つに結ぶ取り組みを実践。地元食材を地元飲食店で生産者を交えて味わうとともに、収穫体験や農場訪問、大豆から育てる味噌造りなども行う。
・Cycling WAVE
初心者からベテランまで身近なスポーツとして毎週サイクリングを楽しむ。飯田の良さを知りながら、健康づくり・仲間作りを通して、豊かなライフスタイルの実践を図る。
・Golf WAVE
ゴルフを通して、世代間を超えた交流を図る。初心者には適切な練習方法もアドバイス。月に一度の練習に加え、年に2回のラウンドを予定している。
・Wakamono BIZ.wave
未来のまちの活性化のため、若者の仕事への関心の育成と、地域らしい産業の創造につながるプラットフォームになることを目的としている。セミナーや研究会を定期的に開催。