まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
(第2回)久留米街元氣プロジェクトが推進するまちゼミや創業支援とは (福岡県久留米市)
(3)まちゼミファンの存在
ここまで、店主や久留米街元氣プロジェクトチームがまちゼミを育ててきた経緯を記載してきましたが、久留米ではまちゼミの参加者がまちゼミの発展に関わっていることも無視できません。
先述のまちゼミポスター展の掲示の場に居合わせたとある参加者は、この取り組みが参加者に大きな影響を与えるとともに、参加店舗にも広告効果として大きな影響を与えるのではないかと気づきました。つまり、参加が決まった店舗ばかりでなく、未参加の店舗もまちゼミポスター展を見てまちゼミ参加に意欲を見せるのではないかと考えたのです。その情報を得た街元氣プロジェクトチームは、参加店舗を募集する告知ポスターをすぐさま作成し、まちゼミポスター展に掲示しました。
また、まちゼミをきっかけに参加者間でネットワークを構築し、まちゼミに関する情報交換を盛んに行い、まちゼミを盛り上げるコミュニティも出来ています。まちゼミをこよなく愛する参加者は、様々な講座をハシゴします。そこで得た情報や体験をコミュニティで共有することで、講座の良さが口コミで広がりさらなる参加者を呼ぶのです。
こうした参加者のために、久留米街元氣プロジェクトチームは図書館と連携し、図書館にまちゼミ講座の内容に関連する書籍を取りまとめたコーナーを設置しました。まちゼミと書籍の相乗効果で参加者の理解はさらに深くなるのです。
見識を高めた参加者に満足してもらえるように、参加店もまた講座に磨きをかけていきます。こうして参加店と参加者がお互いを高め合い、店舗の魅力がさらに向上していくのです。