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(第2回)久留米街元氣プロジェクトが推進するまちゼミや創業支援とは (福岡県久留米市)

(2)クロスメディアアプローチ

事業やイベントを展開するにあたり、そのイメージを形にするのは難しいことです。久留米街元氣プロジェクトチームの一員であるネットワークサポーターは、事業やイベントに込められた想いを汲み取り、チラシやホームページなどを作成するデザインのプロ集団と言えます。久留米街元氣プロジェクトチームの発案とそれを形にするネットワークサポーターの取り組みを以下に記します。

まず特徴的なのはまちゼミの「ロゴ」です。通常のロゴに久留米らしさを出すために、地元の伝統工芸である「久留米絣(かすり)」を取り入れたデザインにしました。

絣のデザインを取り入れたロゴ
(久留米街元氣プロジェクトホームページより)

※久留米絣は、久留米市を中心とした周辺地域で製造されています。主に藍色と白色の意図を用いて模様を作り出すのが特徴です。伊予絣、備後絣と共に日本三大絣に数えられています。

さらに、まちゼミ参加店の店主をクローズアップし、店主や個店のイメージを訴求する個店ポスター展があります。久留米市ではこれまでまちゼミを告知するにあたり、店主それぞれの写真をチラシのデザインに使用していました。久留米街元氣プロジェクトチームから「店主それぞれの写真があるなら、店舗ごとにポスターを作成して、まちなかに掲示すれば、より店主の魅力が伝わりやすいのではないか」と意見が出ました。ネットワークサポーターのノウハウを活かし、店主の魅力を引き出した写真を撮り、デザイン性の高いポスターに仕上げました。ポスターは商店街だけでなく、駅構内や市役所、久留米街元氣プロジェクトのホームページなどにも掲示・掲載されました。

店主や店舗の魅力を引き出すポスター
(久留米街元氣プロジェクトホームページより)

個店ポスター展は第4回のまちゼミから導入されました。その効果により、第3回のまちゼミの参加者が785名に対し、第4回は1,359名と参加者数の大幅に伸びが見られました。個店ポスター展の効果は、まちゼミ参加者数に表れただけでなく、「〇〇さんのポスター見たよ」と店主が顧客から声を掛けられるなど、個店と顧客の心理的距離を縮める効果もありました。また、店主同士がポスターの出来を話題にコミュニケーションが活発になるなどの効果も出ています。

 

その他にも参加者の参加講座の増加を図る「まちゼミアカデミー」があります。具体的には、1講座参加すると1単位取得でき、8単位取得すると久留米絣をあしらったペンケースやノートカバーなどがもらえます。まちゼミアカデミーで得たペンケースやノートカバーを次回のまちゼミで使ってもらい、参加者のまちゼミに対するロイヤルティを高めるアイデアです。

獲得した単位は、専用の受講票に記入しますが、その受講票には、かわいいオリジナルキャラクターがデザインされ、楽しさを演出する工夫がなされています。

ネットワークサポーター作成のまちゼミ受験票の表面(左)と裏面(右)
(久留米街元氣プロジェクトホームページより)

※マッチ姿のキャラクターは「マッチゼミくん」と言います。まちに火を灯すという想いと、まちゼミの「まち」を掛けてデザインされました。

このように、「楽しい企み」や店主の想いを汲み取りデザインされたまちゼミのチラシやまちゼミポスター展などの相乗効果により、市民のまちゼミへの期待感を高め参加を促すとともに、まちを明るく彩ることで活性化に大きく寄与しています。