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(第1回)久留米街元氣プロジェクトが推進するまちゼミや創業支援とは

(2)創業×事業展開×まちゼミ

久留米には創業をきっかけにまちゼミに参加し、自店の成長に繋げた例があります。整体院である美骨LABOエーパシ・カイロプラクティック(以下、エーパシ)もその一つです。先述の起業家サポート支援を活用し商店街内に出店、それと時を同じくしてまちゼミに参加しました。まちゼミ講座を利用し、エーパシのサービスの質を発信することで、リピート顧客を創出するなど高い広告効果があったといいます。

整体院を営む井上洋人・井上彩夫妻

これは、「街なか起業サポート支援」を利用し繁盛店へと成長するノウハウを吸収しながら、まちゼミという情報発信の場でそのノウハウをいかんなく発揮した個店の頑張りと支援側の二人三脚の結果と言えます。

エーパシの取り組みはこれに留まりません。エーパシを経営する井上洋人・井上彩夫妻は、「経営には日々成長を図ることと危機感を持ち続けることが必要」と感じています。競合他店に負けないように、様々な工夫をしています。

例えば、「本気で腰痛に悩む人のための整体」など、顧客ターゲットを絞って情報発信をしています。本気で痛みに悩む方をターゲットとするには競合他店を上回る技術や知識が必要ですが、それをまちゼミで発信することにより、自店の魅力を顧客にアピールしています。エーパシはまちゼミ後に行う報告会で、松井洋一郎氏や商工会議所などから経営に繋がるまちゼミの販売促進・情報発信などのアドバイスを受け、更なる改善を行っています。

さらに、エーパシは健康や美に関するノウハウを貪欲に吸収しています。整体、体操・ストレッチによる痛みの緩和ばかりでなく、栄養学や心理学、健康的に痩せるダイエットの体験で得た知識など、多岐に渡ります。

エーパシはこれらをまちゼミで発信し、飽きのこないまちゼミ講座の展開につなげています。これは、魅力的なまちゼミ講座の実施に留まらず、新たに得たノウハウが事業に繋がるかを試す場ともなっています。つまり、まちゼミをテストマーケティングの場としても活用しているのです。これらの取り組みから、整体だけでなく、プロテインや化粧品などの物販事業の展開に繋がっています。

エーパシのまちゼミポスター(久留米街元氣プロジェクトホームページより)

※エーパシは、ユーモア溢れるポスターで店舗・顧客間の心理的距離を縮めています。まちゼミ参加店それぞれのポスターを作成・掲示する「まちゼミポスター展」の取り組みは2回目の記事に記載します。

また、エーパシは、店舗単独のまちゼミの他に他店とのコラボレーション講座を実施しています。例えば、エーパシと茶葉販売店とがコラボレーションしたまちゼミ講座です。整体師、茶葉販売店のそれぞれの専門知識を活用して、体の冷えの改善について講座を開いています。

久留米には、このような個店同士がコラボレーションしたまちゼミ講座が多く見られます。西原氏が語ったように「お互いの店舗の本質を知る」ことで発展した、個店ネットワーク構築の一つの形と言えます。