本文へ

中心市街地活性化協議会支援センター

文字サイズ
まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例
  • HOME
  • まちづくり事例
  • (第1回)久留米街元氣プロジェクトが推進するまちゼミや創業支援とは

(第1回)久留米街元氣プロジェクトが推進するまちゼミや創業支援とは

久留米におけるまちゼミの展開と深化について

1回目の久留米のまちゼミの参加店舗は28店舗、講座数は38講座、参加者数は415名でした。これが9回目では89店舗、137講座、1,548名まで成長しました。この成長の要因は、個店同士のつながりと個店の魅力向上に向けた努力、そして、まちづくり関係者の「楽しい企み」から生まれた「久留米方式」と言われる独自の展開にあると考えられます。

(1)まちゼミの始まりと展開

久留米まちゼミ開催のきっかけは、商店街活性化を推進していた若い店主たちが、商工会議所からまちゼミの魅力を聞いたことです。若い店主たちの一人である問屋街あきない通りに久留米絣の店を構える西原健太氏は、「まちゼミは、一般的なイベントと違い、日ごろお客様を相手にしている販売の一環だと感じた。持っている知識にプラスアルファを加えれば、お客様の感動に繋がるのではないか」といいます。

商店街単位の付き合いが少なくなり、個店同士の関係性も希薄である中、まちゼミ開催を決めた若い店主たちが、まちゼミ参加店舗を募るにあたり大切にしたことは、個店同士のフェイス・トゥ・フェイスのつながりです。まちゼミに魅力を感じる店主が中心となり、他の店舗を直接訪ねて、まちゼミ参加を呼び掛けたのです。

さらに、まちゼミ参加が決まった店舗同士で、開催講座内容について情報交換なども頻繁に行うことで、近隣の店舗が「どのような商品を販売しているのか」、「サービスにどのような特徴があるのか」など、お互いの店舗を深く知るようになりました。

このまちゼミ展開時の個店同士のコミュニケーションにより、店舗間の横のつながりが強化されました。これまで希薄だった店舗間の関係性が改善されたのです。

まちゼミ開催後、まちゼミを軸とした商店街内の個店同士のコミュニケーションはさらに活発化しました。例えば、まちゼミに参加したことがない店主を自店のまちゼミ講座に招待することや、スケジュールが合わなく不参加になった店舗に対して、まちゼミ実施後の報告会に出席してもらうこと、店舗同士でまちゼミ実施ノウハウを交換することなどです。

これらの取り組みにより、店舗のまちゼミに対する理解が深まり、まちゼミ参加店の増加、まちゼミ講座のブラッシュアップなどが図られ、まちゼミ参加者数や顧客化率の向上に繋がりました。こうして広がったまちゼミの輪は、1回目のまちゼミでは、2つの商店街エリアでの実施でしたが、今では近隣の他の商店街を含め5つのエリアで行われるようになりました。

西原氏は、「まちゼミをきっかけに、お互いの店舗の本質を知ることができた」と語ります。一般的にまちゼミでは、参加者に対し店舗間でお互いの講座を紹介し合い、まちゼミ全体の活性化を図る動きが見られます。久留米の以上のような取り組みは、参加者に対し、他講座をより魅力的に伝えることに繋がるとともに、個店同士のネットワーク構築の強化にも繋がり、より一層のまちの活性化に寄与しているといえます。

参加店として積極的にまちゼミを推進した西原氏はまちづくり若手リーダーの一人