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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

創業者育成から開業後の事業継続まで一気通貫の空き店舗対策3

継続的経営を促進する「商人塾」

コンセプトを定めた岩村田本町商店街は、商店街活性化にあたり課題を整理し中長期計画を策定しました。その遂行のために商店街組合員全員に声をかけ全体会を多数開きました。それに付随して行われたのが個店経営を学ぶ「商人塾」です。この商人塾は、後継者養成塾で学んだ理事たちが今度は教える側に立ち、単なる知識の詰め込みではなく、実践に重きを置き展開したものです。参加者は、毎回のテーマについて学んだあと、次回の講義までに実践し商売を体で覚えていきます。この商人塾は人気を博しました。

商人塾の成果は、4点あります。1点目は、商店街の店主の意識が単なる店長から経営者へと変わった点です。2点目は既存のやり方を疑問視し、地元顧客視点に立った商売を意識するようになった点です。既存商品のラインナップに疑問を持ち、顧客ニーズに基づき商品を研究し直し品ぞろえを改善するなどで店の魅力が高まりました。3点目は商人塾を通して商店街組合員との連帯感の強化につながり相乗効果が生まれた点です。同じ商店街組合員でもお互いがどのような商売を営んでいるか分からないことが多いといいます。商人塾を通して店の垣根を越えて商売を考えることで活発な意見交換が行われ、自店経営のブラッシュアップにつながりました。4点目は、商人塾で学んだことを自店の経営だけでなく商店街運営にも応用するようになった点です。岩村田本町商店街ではコミュニティビジネスを展開しています。商店主たちから、コミュニティビジネスの事業展開において商品のラインナップやサービス提供など前向きな意見が出たことで「本町おかず市場」では年間売上が2,000万円を超え、経常利益も300万円に到達するなどの成果がありました。

中小企業診断士から経営者の精神など経営の基礎を学んだ理事たちが、周囲の商店主にそれを伝播させるこの取り組みは、商店街の自主・自立の取り組みとして評価されるものと言えます。

参考)商店街が商店主に経営の精神や基礎を伝える取り組み
参考)商店街が商店主に経営の精神や基礎を伝える取り組み