地域資源を活用し、コト消費の空間を創出 ~「観光客の回遊性向上と商店街組合員の増加」を図るイベント策~ 神奈川県湯河原町4
取組みの効果
平成28年度に「ぶらん市」を訪れた観光客および地元住民はおよそ15,000人(3,500~4,000人/回)となりました。温泉宿では積極的に「ぶらん市」を宿泊客に紹介したり、送迎バスに乗車した宿泊客が会場前で途中下車することに柔軟に対応したりするなど、明店街と温泉街との協力体制も徐々に進んでいます。このため、観光客の回遊性向上という当初の狙いは達成しつつあるといえるでしょう。
「ぶらん市」はこれまで明店街をあまり利用していなかった地元住民と、運営スタッフとして活躍する店主等とのFace-to-Faceの関係を作る場でもあります。継続的に実施することで、各個店への来店動機の向上に貢献しています。出店者の目的も「ぶらん市」開催当初の「イベントへ協力するため」から、「自分の店舗や商品・作品のプロモーションの場として活用するため」といった変化が生じているようです。
また、「ぶらん市」をはじめとする地域の賑わいづくりに向けた積極的な活動への評価が高まり、新たに3店舗が明店街に入会するなど組織・財政面での基盤強化にもつながりました。
今後の課題
今後も出店者の継続的な開拓やステージイベントのブラッシュアップなどを図りながら、来場者のさらなる増加に取り組む工夫が求められています。主要ターゲットは観光客となりますが、湯河原町を訪れる観光客数は年々減少していることから、その底上げが不可欠と考えられます。
明店街では、こうした課題への対応策を着々と打っています。平成25年度には二次元キャラクター「シャッター街の狸姫AKARI」を考案しました。新たな地域資源として活用するべく、平成28年度からは横浜商科大学の学生らとともにグッズの開発などの取り組みを始めています。ちなみに、このキャラクターのモチーフとなった狸には、湯河原温泉を発見したという伝説があります。また、訪日外国人観光客の利便性向上を目指し、外国語対応の商店街マップの作成、NTT東日本神奈川事業部との連携による「光ステーション」の整備なども進めています。