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地元の食と人の温かみで観光客を呼び込む! ~「食の観光施設ながら創業も促進する屋台村」のスキームとは~ (鹿児島市)3

マーケティングの視点から

メニューのコンセプト

屋台村のコンセプトにある通り、屋台村は鹿児島県産品の情報発信を行う場として機能します。そのため、各店舗で提供する料理の食材は地産地消にこだわっています。鹿児島県産として有名な黒豚・黒毛和牛・薩摩地鶏を始めとして、県内野菜や県内で水揚げされた水産物もそれぞれの屋台で味わうことができます。固定式の屋台なので、刺身などの生ものも提供が可能になっています。また、メニューは、顧客に各店舗の回遊してもらうことも目的としているため、各店舗で重複が無いように鹿児島グルメ都市企画が管理しています。

さらに、季節のイベントとして鹿児島県産の食材をテーマに各店舗でメニューを創作します。取材時はちょうど「桜島冬の恵みフェア」を開催していました。有名な「桜島大根」や世界最小と言われる「桜島小みかん」を取り上げて各店舗がメニューを開発しており、集客に貢献しています。

ターゲットとする顧客層とその対応

屋台村のコンセプトによれば、対象とする顧客は観光客になります。しかし、観光客を呼び込む基礎として、地元客の集客は必要です。屋台内部は、店主が顧客に行き届いたおもてなしをするため、また顧客同士のコミュニケーションを促進するために、店主を囲むようにカウンターが「コの字」で最大8人掛けになっています。店主や顧客間の距離が近いので会話が弾みます。つまり、観光客を店主と地元客が歓迎する形になっています。店主や地元の方との会話を楽しむためにリピーターになっている観光客の方もいるほどです。

また、最近増えつつあるインバウンド客への対応も行っています。メニューや案内リーフレットの外国語対応、Wi-Fiの設置を行っています。今後は外国語版の看板設置や従業員の外国語対応を視野に入れています。

参考)屋台の内部と店主・顧客間のコミュニケーションの促進
参考)屋台の内部と店主・顧客間のコミュニケーションの促進
参考)多言語対応の案内リーフレット
参考)多言語対応の案内リーフレット

販促策

屋台村の販促策は、先述した県内特産を中心とした特別メニューイベントのほかに、餅つきや桜祭りといった季節ごとのイベント、村コンなどのユニークなイベントを多数行い集客を図っています。周知策としては、イベントなどに行政などが協賛に入る場合は関係先にポスターなどの掲示を行います。独自での周知策はホームページやフェイスブックでの情報発信が主になります。しかし、最も集客に寄与しているのは「口コミ」です。過去、来店者に取ったアンケートから「口コミ」が来店のきっかけになっていることが分かりました。「出張に行った先輩からの勧め」や「鹿児島の友人からの紹介」など様々です。先述の多数のイベントが「屋台村に行けばいつも何かやっている」という期待を抱かせ、屋台村の各店主や地元の方との語らいが「良い思い出」となり口コミを誘発するのです。

参考リンク) 屋台村の様々なイベント 別ウィンドウで開きます

参考)春祭り「屋台村春満開」のイベント
参考)春祭り「屋台村春満開」のイベント
参考)屋台村内の寿司店の季節メニュー(春あさりと春野菜のバター焼き)
参考)屋台村内の寿司店の季節メニュー(春あさりと春野菜のバター焼き)