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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例

お店の中にパン屋が出現! 観音寺パンストリート02

(2)背景~ショップ・イン・ショップが原点~

観音寺市には4つの商店街振興組合と任意の3組合があり、加盟事業者数は約150店舗。さらに組合間の調整を行う任意組織の観音寺商店街連合会を組織しています。しかし大型店の郊外への出店、後継者のいない店舗の閉店などで商店街全体の売り上げが往時の1/3に落ち込みました。このままでは後がないと覚悟を決め、商店街の垣根を越えてまちの活性化を考えることにしました。それが、平成23年から取り組んだ観音寺まちなか活性化プロジェクト「Re:born.K」です。

Re:born.Kとは観音寺のまちなかが、様々な人の“プラットフォーム”となり交流人口UPや定住人口UPを目指したプロジェクトです。根底には自分たちが考えて実践する、そのためには若手をファシリテーターに据えてアイデア出しや議論の集約を行いながら、できることから始めました。

そのひとつが居酒屋からの情報発信で「今宵もはじまりました」と題してUstreamで発信されるプログラムはゆるやかな雰囲気で人気となり、コンテンツを見て県外から見ず知らずの人が観音寺市内の居酒屋へ参加する場面も見られるようになりました。

さらにワークショップを繰り返すうち、ひょんなきっかけで生まれたのが「ショップ・イン・ショップ」というアイデアです。

ショップ・イン・ショップとは、既存店の店内に別の店が出店する形態で、ランジェリーショップとケーキ店のような組み合わせがあり、既存店は新規店をサポートしつつ互いにその集客を活用できるというものです。

ショップ・イン・ショップの事例(撮影:2015年9月)
ショップ・イン・ショップの事例(撮影:2015年9月)

新規創業者が商店街に出店する場合、出店費用、駐車場の問題に加えて、商店街での人間関係や慣行等になじめるかどうかという不安があるようです。既存店の店舗で営業を行うことで商店街でのお試しデビューという意味もあります。

とはいえ、自分の店舗に仕切りを設けることなく他人の店舗を受け容れるには、受け容れ側の意識改革、入店者との人間関係の構築などの高いハードルがありました。それを乗り越えたのが観音寺の商店街関係者の危機感と熱意です。横田会長は「商店街には人材はいるのです。それらが商店街組織の垣根を越えて活躍できる場を設けることで商店街はまだまだやれることを実証したい」と言います。

そのショップ・イン・ショップの発展形としてパンストリートが実現したのが平成27年の秋のこと。第2回となる平成28年は、12月3日に開催されました。これらの情報はチラシだけではなく、Twitter、FacebookなどのSNSを通じて情報発信され拡散されました。商店街としてSNSの使いこなしに力を入れてきたことも集客に貢献しました。