まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
お店の中にパン屋が出現! 観音寺パンストリート03
(3)パンストリートの実績
第1回は、香川県を中心に四国各地から32店舗が観音寺市の商店街の個店に出店しました。関係者の予想をはるかに超えて1万人がイベントに来場し、商店街はパンの袋を下げた人たちで賑わいました。発売開始早々に売り切れる店が続出し(全店で完売)、駐車場に停められないなどの混乱も見られました。潜在的にパン店を求める地域住民の需要もあったのでしょうが、遠方からの来訪も多く、まち全体で香川県を中心に四国の有名なパン店が出店する斬新さ、それを求めて回遊する愉しさが人々を魅了したのでしょう。
2年目の今回はパンの数を2万個に増やすとともに、お客様1人1店舗あたりの購入個数を5個に制限しましたが、販売開始の2時間前から店頭に並ぶ店も見られました。お客様も1台のクルマに便乗して来場され、商店街内を歩いて回遊して手分けして数店舗のパン店を回ったりイートインコーナーでは談笑したりする場面が見られました。
関係者がねらいを定めたパン店一軒一軒に足を運んで出店を説得する行動が店主を動かし、有名店が出店したことも話題となりました。店で提供する品質を確保するために涙を飲んで出店を断念した店もあるなど、商店街の熱意が地域のパン店を動かした観音寺のパンストリートの試みはパン業界で話題となりました。この試みがきっかけとなって観音寺のまちなかで出店を検討するパン店も出てきたようです。
パンストリートの運営は、観音寺商店街連合会が主催、観音寺商工会議所が事務局となってフォローする体制。補助金を活用しておらず商店街の自主財源でこれだけの集客を生み出したのは大きな事業成果です。