売り切れ御免!お客さん目線で大人気の商店街情報誌「koma」
~ 大阪 駒川商店街 ホームページ・交流施設との連携でにぎわい創出!~
- 場所:
- 大阪府 大阪市 東住吉区 駒川商店街
- 分類:
- 【情報発信】【空き店舗・空きビル】
- 人口:
- 13万人
- 協議会:
- なし
- 実施主体:
- 駒川商店街
大阪屈指の商店街 駒川
「今日は、トマトときゅうりがとにかく新鮮、ごっつう美味しいデエ~」。威勢のいい掛け声。商店街を行き交う多くの人々、活気。ここは大阪でも屈指の規模とにぎわいを誇る、東住吉区の駒川商店街です。
大阪市の南東部、松原市と接する東住吉区の住宅街に駒川商店街はあります。天王寺駅から近鉄南大阪線で10分、近鉄針中野駅と地下鉄駒川中野駅に挟まれた好立地にあります。
商店数220、南北540m、東西190mの十字型アーケード商店街は業種も食料品・衣料品・買回り品・飲食店・サービス業と多岐にわたっており、幅広い客層からの支持を得ています。
5万人が詰めかける「駒川まつり」、クリスマスイベントのドイツ祭りなどイベントも活発ですが、何と言っても今話題なのは商店街発行の広報冊子「koma」です。
「koma」 ファッション雑誌風の編集で大人気!
「koma」は毎月発行されるB5版、カラ-刷り8ページの広報冊子。その表紙を飾るのは、商店街に来る若い女性のお客さんや、商店街の看板娘などみな素人さんです。
ファッション雑誌のようにオシャレで、工夫を凝らした紙面は話題を呼び、商店街の店頭に置いても毎回無くなってしまうとのこと。駒川商店街振興組合の名和理事長さんは「表紙モデルさんは公募もするけれども、自薦の方も結構いらっしゃいますよ。なかなか人気があってありがたいです。」と語ります。
現在、発行部数3万部を誇る「koma」ですが、3年前まではタブロイド版新聞体裁の広報紙でした。
それを刷新したのは商店街の広報委員長の須田さん。8ページの冊子とし、タイトルはお客さんに親しみやすい「koma」に変更。お客さんや、商店街の看板娘に表紙モデルになってもらい、暮らしの情報や、店舗や商品の紹介もお客さんの生の声で載せるなど、大幅なリニューアルを行いました。
結果は大成功。「koma」の表紙モデルは毎回、まちの大きな話題になります。「komaに載っちゃいました!」と看板娘のお店がホームページやブログでもう一度取り上げるなど、波及効果も生まれています。
店頭では「この間、表紙出てたでしょ!」と看板娘との話も弾みます。お店の紹介記事を見て新しいお客さんが来てくれたり、季節の料理記事を読んで若い奥さんが八百屋さんに相談に来たりと、お客さんと商店街の交流が大きく進みました。
「koma」と連動した商店街ホームページ 「komaステ-ション」
駒川商店街のホームページは「koma」と連動していて、同じ情報を見ることができます。
地域のイベント情報の入手ルートとしても活用されており、ホ-ムペ-ジでアップしたとたん、マスコミから取材依頼が来ることもあるとか。
人気のヒケツは お客さん目線
商店街の話題づくり、にぎわいづくりに貢献している「koma」、「komaステ-ション」ですが、その秘訣は「お客さん目線にある」と須田さんは語ります。
例えば「ガールズチョイス」というコーナ-があります。女性のお客さんに商店街で自由に買物をしてもらい、気にいったお店や商品をお客さんの生の声で紹介するコーナー。その情報から、即日完売になることも度々だとか。
売り手目線でなく、「お客さん目線」に立つ事の重要性を教えてくれます。
継続が大事
「もうひとつはとにかく情報を更新し、休刊することなく続けること。駒川のファンが新しい情報を待ってくれているから。」と須田さんは力強く語ります。
「koma」とホームページ「komaステ-ション」の企画は、商店街広報委員の2名だけで行っているそうです。その方針に従って取材は外部業者に任せ、上がってきた原稿を委員がチェックする仕組みにしています。
「商店街で一定レベルの広報事業を続けるには、コストはかかるが、時間のとられる取材活動を業者に任せ、我々はよい企画づくりや魅力ある情報を常に探すことに集中した方がいい」。(須田さん)
広報委員をサポートしてくれているのが、商店街の有志や企画・編集好きのお客さんたちです。ボランティアで参加してくれている人たちに、自由にアイディアを出してもらっていると言います。「まわりを引き込むこと」も継続の秘訣のようです。
「koma」や、ホームペ-ジ「komaステ-ション」の効果で商店街への来街者は増えているそうです。
「うれしいのは、ベビーカーを押した若いお母さんや小さな子供を連れた若夫婦など若い層が増えていることですね。」と、須田さんも手ごたえを感じている様子でした。
地域交流の場 リアルの「komaステ-ション」も誕生!
さらに商店街では昨年6月、商店街の空き店舗を借り上げて地域の交流施設がオープンしました。リアルの「komaステーション」の誕生です。
今のところ「赤ちゃん相談室」や区役所の行政手続きの窓口として活用されていますが、名和理事長は「先々は商店街に訪れる人に、商店街や地域の暮らし情報などを発信する場にしたい。さらに「知っている人」が「知りたい人」へ教え合いながら、地域の人が集える寺子屋的な場にしていきたい」と抱負を語られます。
地域交流施設「komaステーション」の情報は、情報誌「koma」に掲載されていますが、今後はホームページの「komaステ-ション」とも連携するよう準備中とのこと。「地域の交流の場としての駒川商店街をアピールしていきたい」と名和さんは相乗効果に期待を寄せています。
編集後記
「お客さん目線」という考え方は、商店街で行っている「タマ-ル」というスタンプ事業にも生かされています。携帯電話にポイントが貯まる、便利で若者向けの「デジタル式」、台紙に貼って貯める、従来型中高年向けの「アナログ式」の両方を運営しています。
幅広いお客さんに支持されている駒川商店街の広報活動への取り組み姿勢は、ホームページトップに書かれているメッセージに表わされているので、最後にご紹介したいと思います。
「駒川商店街」が地域の「ひと」たちといっしょに「まち」の情報を楽しくお届けします。