高齢者にやさしい商店街を実現する「街のコンシェルジェ」
- 場所:
- 東京都品川区 中延商店街
- 分類:
- 【イベント】【医療福祉】
- 人口:
- 36.5万人
- 協議会:
- なし
- 実施主体:
- 中延商店街
老後は便利なまちなかに住みたいですね。近所の商店街で世間話をしながら買物したり、親しいお友達と食事や情報交換したり。元気なうちはボランティアで汗をかいて、困った時はご近所の人が助けてくれる・・・。
そんなシルバ-ライフを過ごせる街があります。東京都品川区にある中延商店街。東急池上線荏原中延駅と東急大井町線中延駅間に展開する約130店舗からなる商店街です。
半径700m内に約1万人近い高齢者が住む中延商店街。高齢者対応が街づくりの課題と考えた鶴田副理事長はボランティア団体との連携を考えました。
いくつかの団体と交渉し「NPOバリアフリ-協会」の沢田氏と意気投合。地域通貨を使った有償ボランティアサ-ビス、「街のコンシェルジェ」を中延に導入しました。
家事や洗濯、庭掃除、買物代行、電球交換など、ちょっとしたボランティアで人の役に立ちたい!と思う人を「コンシェルジェ」として登録。利用したい人は1枚800円のク-ポン券綴を購入し、受けたサ-ビスに応じてク-ポン券で支払います。
登録も利用も商店街の半径700m内に住む人に限定。顔なじみなので安心して利用できます。
ク-ポン券は500円の共通商品券に交換され、差額の300円は運営資金に、商品券は地元で使われ商店街にも貢献するという「地域循環型のシステム」です。
空き店舗を拠点に2004年11月スタ-ト。口コミで評判が広がり、コンシェルジェ登録は850名。
来街者が気軽に立ち寄れる交流施設「街中サロン」も併設し、ここを溜まり場にパソコンや絵画教室、講演会、商店街の商品を使った料理教室など、定休日の水曜以外はフル稼働です。
高齢者をはじめとした地域住民から喜びの声が聞こえる中延商店街。鶴田副理事長は「商店街の得意分野はふれあい。ターゲットは中高年。街のコンシェルジェはそれを再認識させてくれた。」と語ります。
現在「50+(FIFTY'sPlus)」と銘打った中高年向けの一店逸品運動を準備中。
バリアフリー協会の沢田専務は、「商店街の目先の売り上げばかり議論しても街は再生しない。まずは地域の住民が喜ぶこと。その結果として商店街が潤う。その仕組みにはボランティアの精神が欠かせない」と語ります。
ちなみにフランス語の正しい発音は"コンシェルジュ"ですが、中延では中高年も発音しやすい"コンシェルジェ"が正式名称だそうです。
あくまで「利用者本位」の中延でした。