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「令和5年度まちづくり会社研究会 まちづくり会社の事業開発セミナー」開催報告
中小機構は、令和6年1月15日に『令和5年度まちづくり会社研究会 まちづくり会社の事業開発セミナー~』を開催しました。
本セミナーのプログラムは、まちづくり会社の事業開発に関する講演、まちづくり会社が利用できる次年度の中小機構の支援事業の紹介、中心市街地サポートアドバイザーによる個別相談会及び名刺交換・意見交換会です。
参加40団体56名(うちオンライン参加48名)を頂いた本セミナーの概要をご紹介します。
プログラム
(1)開会挨拶 中小機構高度化事業部
部長 山添望
(2)講演「地域に受け入れられる事業開発の秘訣」 一般社団法人横浜まちクリエイティブ
理事 飯田峰子氏
(3)中心市街地・商店街等活性化支援事業について 中小機構高度化事業部まちづくり推進室
室長代理 志田竜彦
(4)個別相談会及び名刺交換・意見交換会(会場参加者のみ) 中心市街地サポートアドバイザー
まちづくり会社の事業開発セミナー 案内チラシ(814.37 KB) 別ウィンドウでpdfファイルを開きます
1.セミナー開催の趣旨
開会にあたり、中小機構高度化事業部の山添望部長より、挨拶とともにセミナー開催の趣旨について説明がありました。
中心市街地活性化協議会の主要な構成員であるまちづくり会社は、中心市街地や商店街等の活性化において、その期待に応えながらも、継続的な事業開発等が課題となっています。
そこで中小機構高度化事業部(まちづくり推進室)では、まちづくり会社の事業開発をテーマに、事業開発に関する事例、まちづくり会社の動向(アンケート分析)及びまちづくり会社が利用できる支援施策等を紹介する本セミナーを開催することとしました。
また、まちづくり会社の経営課題等に関して個別相談会を行い、まちづくり会社の事業開発のあり方や支援施策の活用等について考える機会としました。
2.講演「地域に受け入れられる事業開発の秘訣」
横浜市中区石川町に所在する一般社団法人横浜まちクリエイティブ理事の飯田峰子氏より、「地域に受け入れられる事業開発の秘訣」と題して講演を頂きまました。
同法人は、石川町で活動しているまちづくり会社です。2017年の設立以降、飲食業、宿泊業、観光業、酒販業、広告業、物販、駐車場、レンタルスペースなど、多種多様な事業を展開しています。
飯田氏は同法人の理事のほか、個人事業主としてカフェのオーナー、商店会会長やラジオのパーソナリティーなど、さまざまな役割をこなしながら、精力的にまちづくり事業に取り組んでいます。
同法人が、短期間で多くの事業を立ち上げ収益化し、どのように地域住民とともに石川町を活性化させたのか講演頂きました。(※講演の詳細は別稿でご紹介します)
3.中心市街地・商店街等支援事業について
続いて中小機構から、まちづくり会社の動向と、まちづくり会社を支援対象に含む令和6年度の中小機構の支援事業について説明を行いました。
(1)まちづくり会社の動向について
全国の自治体において、社会福祉や老朽化した社会インフラの再整備など財政負担の増大が見込まれています。それに伴い、(自治体から財政支援等を受けている)まちづくり会社には積極的な自立的経営が求められ、また、持続的なまちづくりの担い手としての期待も高まっています。
平成18年の改正中活法施行から約16年が経過し、まちづくり会社の社会的な認知も進んでいます。しかし、収益力のあるまちづくり事業を行うまちづくり会社がある一方、多くのまちづくり会社が、自立的経営の必要性を感じつつも、収益力ある事業を展開できない状況にあります。
まちづくり推進室では、令和2年度よりこの問題に取り組み、調査及び研究会等を重ね、令和4年度に「まちづくり会社のアライアンスに関する調査」をとりまとめました。
調査結果の概要と、そこから見えるまちづくり会社の動向、調査結果のまとめと提言について、説明を行いました。
調査のまとめは以下のとおりです(出所:中小機構の事業説明資料)。
1.まちづくり会社の多くは、資本及び取引等において市町村等の行政への依存又は関与が見られる。 2.まちづくり会社の多くは、自主事業により経営の安定化(自立的経営)を目指すべきと考えている。 3.自立的経営を掲げるも、市町村等の出向又はOBポスト化により、(人によるが)挑戦や変革への推進力を得られない会社もある。 4.先進のまちづくり会社では、収益事業を展開し自立的経営の状況にあり、ノウハウの「商品化」の可能性が認められる。 5.先進のまちづくり会社では、近隣の市町村等(まちづくり会社)への営業(取引によるノウハウの横展開)の取り組みを始めている。 |
まちづくり会社は自主事業により経営の安定化(自立的経営)を目指すべきところ、挑戦や変革への推進力を得られないでいる会社があることが分かりました。また、収益事業の確立のためには人材が必要ですが、まちづくり会社では資金面の問題から非正規雇用者が多いことも課題として挙げられました。
これらの課題を解決し、各地のまちづくり会社が蓄積してきたノウハウを消失さないためにも、アライアンス(ノウハウの横展開)の必要性が提言されました。
先進的なまちづくり会社のノウハウ提供を受けることにより、時間的効率化を図りながら、成熟したノウハウが得られ、後発のまちづくり会社でもリスクを軽減しながらの経営が可能となる考えです。
(2)令和6年度 中心市街地・商店街等支援事業の説明
中心市街地や商店街の活性化は、社会経済情勢の変化により、これまでの商業を軸とした支援だけでなく、地域コミュニティのニーズに応じた機能を複合的に導入していくことが必要と考えられます。また、従来からの補助金による事業活動支援も必要ですが、持続性を考慮すると、前提となる組織力の強化が重要といえます。
中小機構の令和6年度中心市街地・商店街等支援事業では、支援対象として、これまでの中心市街地活性化協議会に、商店街組織及びまちづくり会社を加え、地域における経済活力の向上とエリア価値の向上等に向けた取り組みを支援します。これら中小機構の支援事業について説明を行いました。
令和6年度の中心市街地・商店街等支援事業は、商店街組織やまちづくり会社を支援対象とした中心市街地・商店街等診断・サポート事業の①専門家による巡回型支援及び②プロジェクトチームによるパッケージ型支援、中心市街地活性化協議会を対象とした③中小企業アドバイザー(中心市街地活性化)派遣事業、そして④勉強会や情報発信等を行う中心市街地活性化協議会支援センター事業を展開します。
また、基盤事業として⑤協議会等訪問の活動として、協議会総会のオブザーバー参加や基本計画の進捗状況ヒアリングに取り組みます。
これらの支援事業は、まちづくり推進室及び中小企業アドバイザーのほか、中小企業庁や経済産業局等との連携によって進めていきます。
まちづくり会社には、巡回型支援やパッケージ型支援の活用、また、中心市街地活性化協議会の事務局等として中小企業アドバイザー(中心市街地活性化)派遣事業を活用した、事業開発等の課題への取り組みが期待されます。
5.まとめ
最後に、会場参加者による名刺交換・意見交換が行われ、また、中心市街地サポートアドバイザーによる個別相談会が行われました。
終了後の参加者アンケートから、講演及び事業説明とも概ね役立ったとの評価を頂けました。また、今後の研究会の開催方法や取り上げてほしいテーマなどが多く寄せられました。
まちづくり推進室では、研究会の開催を通じて、まちづくり会社の活動を支援していく考えです。