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(第1回)久留米街元氣プロジェクトが推進するまちゼミや創業支援とは

久留米街元氣プロジェクトとは

久留米街元氣プロジェクトでは、商業活性化事業として「まちゼミ」を軸に三本の矢を展開しています。「本の矢:久留米街の得するゼミナール」(平成25年度~)・「二の矢:街なか起業家サポート」(平成21年度~)・「三の矢:商店街繁盛店ネットワーク事業」(平成29年度~)三位一体となった街元氣の取り組みです。三本の矢の概要については以下を参照ください。

(1)「本の矢:久留米街の得するゼミナール」

商店街活性化の取り組みの中で、イベントは賑わいを創出し、来街者を増やすことが目的です。一方、まちゼミは“来店者”を増やし新規のお客様と既存のお客様の固定化をめざす取り組みです。

個店の店主が講師となり、地域生活者に対して、自店の商品・サービスの魅力などを伝える少人数のゼミナールを開くことで、お店とお客様の距離を縮め、新規客を顧客にし更にはロイヤルカスタマー(リピーター)へとつなげていく「お店とお客様とのコミュニケーション事業」です。お店やひとの存在・特徴を知っていただくと共に、お店(店主やスタッフ)とお客様のコミュミケーションの場から、信頼関係を築くことを目的とする事業です。愛知県岡崎の商店街から始まった「まちゼミ」実施地域は340地域(平成30年2月現在)となり、各まちゼミ地域の創意工夫により進化発展を続けています。

久留米でも街元氣プロジェクトの基幹事業として、平成25年度より「まちゼミ」を実施し、来店者や顧客の増加、そしてリピーターと売上の増加など目に見えた効果(買い手良し・売り手良し・地域良し・支援者良し=四方良し)を挙げています。

更には、久留米方式と言われる独自の取り組みにより、まちゼミへの年間参加者は約4千人と全国最大級の規模に発展しています。

※久留米市がまちゼミに施した工夫の詳細は2回目の記事に記載します。

まちゼミの様子(久留米商工会議所より提供)

(2)「街なか起業家サポート事業」

「空き店舗対策」として補助金を投入しても対象店舗が繁盛店として持続化しなければ意味がありません。久留米では、「空かない店舗対策」として、街なか起業家サポート事業」を平成21年から実施しています。この取り組みは、街なかでの起業家を募集し、ビジネスプランの作成・出店店舗リサーチ・店舗オープン・オープン後の営業ミーティングなど、創業の助走から安定飛行まて、繁盛店になるまで支援を続ける「伴奏型サポート」(共に奏でる)といった課題解決から繁盛店へ導く「商店街アントレプレナーシップ」事業です。まちゼミの取り組みも起業家一期生・二期生から「まちゼミを始めましょう!」という提案から始まりました。

街なか起業家には経営サポートの他、空き店舗改装費など300万円を上限に2分の1の補助を受けることができます。

また、起業家の卵を対象に、「くるめ創業ロケット」(久留米市創業支援施設)とタイアップし「創業までの道筋を誘う」13のオムニバス形式のセミナー「起業カフェ」を実施しています。このセミナーは「まちゼミ」のノウハウを活かし将来の起業マインドの醸成や動議付けなど気軽な気持ちで受講できることが特徴です。

起業カフェの告知(左)と申し込み書(右)(久留米商工会議所より提供)

(3)「商店街繁盛店ネットワーク」

久留米シティプラザ(前掲)から生み出される様々な賑わいと地域コミュニティをエネルギーに、個店および集団の情報発信力、商品・サービスの魅力向上が求められています。

「街なか起業家サポート事業」「最強の商業活性化事業まちゼミ」を展開する中で、経営力・販売力・情報収集力を高め、「業態」としての「力」を高め、「商業活性化のシナジー」(三矢一体)を最大化する時がきています。

「人の活性化」「モノの活性化」「収益構造の活性化」「情報の活性化」「ネットワークの活性化」「情熱の活性化」。これらの一貫した商店街の経営資源の活性化に向けた「ナビゲーション」「コーディネーション」「コンサルテーション」といった一連の伴奏型サポートによる「商店街繁盛店ネットワーク事業」が平成29年より開始されました。

①繁盛店創出とネットワーク創り

「まちゼミ」に参加した店舗を中心に10店舗を募集。“繁盛店づくり全力投球サポーター”(経営コンサルタント)と街元氣プロジェクトがチームを組み、参加店への経営サポートを集中的に実施(5回~6回)し、アクションプランを作成し、PDCAを回す中で繁盛店創出と元氣な商業者ネットワーク創りに取り組んでいます。

②Bench marking & Best Practice(ベンチマーキング・アンド・ベストプラクティス)

当事業では、参加店の成功事例と課題を比較し、改善や変革の方向性を見出します。そして取り組みの中から最良のやり方を行っている実践例を見つけ出し、課題解決のアプローチを行っています。

取り組みによる成果は商店街で共有し、参加店以外の店でも実践することにより、商店街全体の魅力を高め、集客力の向上を図り、商店街の活性化へと繋げていくと乗り組みです。

また、選考された店舗は店舗改装やプロモーション経費など50万円を上限に3分の2の補助が受けられます。

商店街繁盛店ネットワーク事業の告知(左)と申込書(右)(久留米商工会議所より提供)

この三つの事業を連動させることで、個店のファンづくりやネットワーク強化、新規事業者の掘り起こしと育成に繋げています。これ以降は、久留米で行われているまちゼミにて個店を中心とした取り組みについてお伝えします。