中心市街地活性化×社会課題解決〜富山県高岡市 高岡市中心市街地活性化協議会02
空き店舗解決と「シルバーショップたかおか」の運営
シルバーショップたかおかは、高岡市の中心部で高齢により廃業を決めた商店主が商店街の中心部を「空き店舗にしたくない」という強い気持ちのもと、商工会議所に相談を持ちかけたことが始まりでした。高岡商工会議所と高岡市が連携し、この空き店舗予定地にシルバーショップを計画しよう、と始まったのが「シルバーショップたかおか」です。このモデルは空き店舗という社会課題と、シニア活躍という社会課題を同時に解決するものです。
商店街の中心に構える「シルバーショップたかおか」は公益社団法人高岡市シルバー人材センター※1が運営を行っています。(支援は富山県、高岡市、高岡商工会議所、商工会福岡支部)
※1 シルバー人材センター
「高年齢者等の雇用の安定等に関する法」に定められた、市区町村が国に申請し組織する「臨時的かつ短期的なもの又はその他の軽易な業務」に係るものの機会確保と提供を目的とした、全国各地で活動する公益の法人です。
209平方メートルの店舗で運営されている「シルバーショップたかおか」の業務内容は1.シルバー人材センターのPR、2.販売(会員の手作り品や農産加工品の販売、高岡市の物産やお土産などの受託販売、会員同好会の写真や絵画の展示と販売など)、3.各種教室(会員が講師となる参加型教室)、4.健康相談・講座(保健師などによる定例健康相談や講座の実施)などです。
全国にあるシルバー人材センターは、定年退職者などの高年齢者に、そのライフスタイルに合わせた「臨時的かつ短期的又はその他の軽易な業務(その他の軽易な業務とは、特別な知識又は技能を必要とすること、その他の理由により同一の者が継続的に当該業務に従事することが必要である業務をいいます)」 を提供するとともに、 ボランティア活動をはじめとするさまざまな社会参加を通じて、 高年齢者の健康で生きがいのある生活の実現と、地域社会の福祉の向上と、活性化に貢献することを目的としており、この「シルバーショップたかおか」にはシルバー人材センター会員であるボランティアスタッフがたくさん活躍されています。
「シルバーショップたかおか」は平成26年に開設されました。その効果として空き店舗が埋まったことに加え、来場者が増え売上げが増加しています。そしてその効果は近隣の商店の売上げ増や活性化に繋がるなど、大きな効果を挙げています。
営業日 | 来店者数 | 売上げ | |
---|---|---|---|
1年目 | 260日 | 13,619人 | 3,926千円 |
2年目 | 261日 | 15,203人 | 4,550千円 |
3年目 | 256日 | 18,026人 | 4,740千円 |
また、シニアの方々が外出し集うことが増えてくるなど、商店街に期待されている「コミュニティの担い手」という役割を担いつつあります。
このように「シルバーショップたかおか」運営事業は、シニアの方々の健康で生きがいのある生活を実現することとともに、中心市街地の活性化に寄与するといった相乗効果をもたらしています。日本の高齢化社会を迎えるにあたっての中心市街地活性化のための課題解決策のヒントになるのではないでしょうか。