まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
伝統文化を活かした人と人をつなぐ「勝部自治会火まつり交流館」の取組(滋賀県守山市)3
(2)勝部火まつり交流館整備事業-
前述のような守山市の中心市街地の状況において、第2期基本計画の商業メニューで位置づけられた「勝部火まつり交流館整備事業」は、勝部自治会が自治会館の移転を機に「勝部自治会火まつり交流館」を建設する事業で、地域に必要なコミュニティ機能を備え、中心市街地の商業と連動を図り、地域と中心市街地の両方の活性化を目的としています。
1)勝部自治会
勝部自治会は、区域人口が約5千人と大きな自治会で、平成27年7月に「認可地縁団体」として認可されています。認可地縁団体とは、地方自治法等に定められた、不動産登記ができる法人格を持つ団体です。
2)自治会とまちづくり会社の連携によるコミュニティビジネス
「勝部自治会火まつり交流館」における事業の大きな特徴は、事業部を設けて自治会活動の一部をまちづくり会社(株式会社みらいもりやま21)と連携しコミュニティビジネスとしてカフェ・レストランや貸館事業などを実施するといった新しい形の展開の創出にあります。自治会が本格的に収益事業を行う先進的事例です。
3)伝統文化を活かした情報発信
勝部火祭りは、鎌倉時代、大蛇退治で天皇の病気が良くなったという言い伝えがきっかけで始まったお祭りで、火まつり交流館近隣の勝部神社で毎年行われる800年続く、滋賀県が誇る伝統行事です。大蛇に見立てたたいまつを燃やし、1年間の健康を祈るもので、1958年には、県の選択無形民俗文化財に指定されました。当館では勝部火祭りの展示・情報発信を行って、火祭りに寄せる勝部の人々の熱い思いを伝えています。
- 施設名称:
- 勝部自治会火まつり交流館
- 施設規模:
- 木造2階建、延床面積 約700平方メートル
- 着工:
- 平成28年6月
- 竣工:
- 平成29年3月
- オープン:
- 平成29年4月