まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
再開発 そこから始まるまちづくり(愛媛県西条市)4
(2)再開発で変化したこと(取り組みの成果)
西条紺屋町では再開発を成し遂げた60~70代の親世代から30代~40代の若手へとバトンタッチして盛り上げようとしています。その活動の場が、商店街100%出資のまちづくり会社「株式会社やりよるけん西条」でテナントミックスやイベント開催を担います。再開発前は住居と店舗が一体で廃業後の店舗の入れ替えが難しかったのですが、新陳代謝が容易となったことが再開発の利点とまちづくり会社の髙瀨裕介さんは語ります。また、家賃も実勢を反映した適正価格で賃貸することが可能となりました。
再開発後には商店街振興組合が物件を約20店舗分取得して直営事業、もしくは賃貸によるテナントミックス事業を行えるようになりました。
そのひとつが平成29年8月開店のコインランドリー事業。まちなかに増えたマンションでは時間帯や天候によって洗濯と乾燥が難しいため、コインランドリーの需要に着目して組合の直営事業として行うことにしました。西条市の中心市街地は名水百選にも選定された「うちぬき」(名水百選)と呼ばれる石鎚山系からの伏流水が自噴しており水道代が要らないという強みもあります。店内の管理や清掃は商店街の個店が交代で行うなど、ひとつの店舗を組合員が関わって運営することで共通の目標(課題)を共有でき、商店街のまとまりを醸成しています。