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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

創業者育成から開業後の事業継続まで一気通貫の空き店舗対策5

オーナーとの話し合い(家賃水準引き下げの話し合い)

さて、中小企業庁がまとめた平成27商店街実態調査報告書によると、店舗の貸し手側と借り手側は、空き店舗が減らない理由に以下の点を挙げています。

【貸し手側】

「貸す意思がない」(39%)
「店舗の老朽化」(34.6%)
「家賃の折り合いがつかない」(29.2%)

【借り手側】

「家賃の折り合いがつかない」(33.8%)
「商店街に魅力活気がない」(33.6%)
「店舗の老朽化」(26.9%)

参考)平成27商店街実態調査報告書より空き店舗が減らない理由(上位三項目)

ここから分かることは、借り手がいても貸し手側にそもそも貸す意思がなく、貸し手側に貸す意思があっても借り手にとっては家賃が高いという状況です。その中で、貸し手と借り手の橋渡し役は重要な役割を持ちます。

そこで岩村田本町商店街は、家賃が高止まりしている状況を改善するためにオーナーとの話し合いを行い、固定費削減に繋げることで新規開業者の事業継続可能性を高めています。具体的には、「大家サミット」というオーナーと商店街側との意見を交換する場を設けています。その場では、オーナーの心境やニーズを聞きながら、これからの商店街のビジョンを明確に示し、それに即した商店街活性化策を共有することで、オーナーに商店街の応援団になってもらう取り組みを行っています。

こうしてオーナーから理解を得ることで、家賃水準の引き下げに成功しています。大家サミットが終了した今では、商店街が行う活性化の具体策やその実施結果などを記した「事務局通信」を毎月発行しオーナーなど商店街関係者へ情報発信しています。

取材を終えて

今回は岩村田本町商店街の創業支援や人材育成策、地権者の同志化など、商店主の事業継続可能性を高めることで空き店舗を解消する取り組みをお伝えしました。これらの支援策自体もよく練られたものですが、岩村田本町商店街のさまざまな活性化事業は商店街の明確なビジョンの元に行われたものであることを強調しておきたいと思います。(岩村田本町商店街のさまざまな活性化事業は下記URLを参照ください)

商店街ビジョンを商店街内だけでなく地域とも共有し、共感を得ながら、ブレなく活性化策を遂行していく岩村田本町商店街の取り組みを今後も注目していきたいと思います。

参考リンク) 岩村田商店街オフィシャルサイト いわむらだ.こむ 別ウィンドウで開きます

まちの概況

地域:
長野県佐久市
地域:
長野県佐久市 人口:99,429人(平成29年4月1日現在)
分類:
「空き店舗・空きビル」「人材育成」
協議会:
なし
実施主体:
岩村田本町商店街振興組合

歴史など

長野県佐久市岩村田は長野県の東部に位置します。中山道の宿場町として栄えた歴史ある街です。本陣・脇本陣がなかった珍しい宿場町だったといいます。佐久の伝統的な食文化である鯉料理で使用される佐久鯉の産地でもあります。

取材日:平成29年8月1日

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