新たな拠点がコミュニティを作り出し、まちに新たな人の流れを作る! (第1回)(沖縄市)5
商店街との連携
平成29 年の5 月に整備されたばかりの図書館ですが、2 年前から商店街が立ち上げた図書館との連携を考える会議「カルチャーストリート委員会」へ参加し、「まちライブラリー」等の取組みを商店街と一緒に検討しています。この「まちライブラリー」は、商店街内にミニ図書館を設置し、図書館へ来ている本を好きな方々へ、本の感想を共有する仕組みと場を提供することで、商店街に人を呼び込もうという取り組みです。
この他の企画段階のものに、「図書館コンシェルジュ」があります。この図書館コンシェルジュは図書館館内の案内だけでなく、例えば、家族連れで利用できる飲食店の案内など、まちなかの案内もできるコンシェルジュです。その準備のため、図書館職員は積極的にまちなかを利用し日々研究をしています。
また、現在までの取り組みでは、図書館内に商店街で実施した「まちゼミ」を案内する特設コーナーを作り、「まちゼミ」実施の周知を図りました。これをきっかけに、さらに商店街の取り組みを図書館から発信する方策を模索中です。その他に、図書館で管理している来館者数や年齢層などの数値データを商店街と共有する取り組みがあります。商店街の各店舗がデータをマーケティングに活用します。実際に、このデータを利用した売上が向上した店舗が出てくる等の実績がありました。
加えて、図書館駐車場の活用があります。この図書館は大型テナントショップをリノベーションし整備されました。よって、駐車場も大きく、その活用は駐車場が不足する商店街にとって大きく影響しています。この駐車場は3時間までは無料で利用でき、駐車目的に図書館利用が含まれていなくても構いません。つまり、商店街に買い物目的で図書館の駐車場を活用できる形になっています。3時間と長めの無料時間となっているので、休日にはお昼を商店街で食べてからゆっくり図書館で本選びをする家族連れが多くなったといいます。
沖縄市立図書館の今後
オープン後間もない沖縄市立図書館ですが、中心市街地活性化の観点では、さらに商店街と連携し、来館者をまちなかへと誘導する取組みを模索する必要があります。そのためには、図書館が収集しているデータを強化し、来館者の行動パターンを分析し商店街と共有するなどの取り組みが望まれます。