商店街と市民をつなぐ地元FM局(鹿児島県霧島市)2
収入源確保のために
FMきりしまは収入を確保するために、スポンサー獲得に注力しています。平成29年現在で、スポンサー数は約90社にのぼります。FMきりしまはスポンサー獲得・維持のために、日々、地元企業や商店街店舗に足を運ぶなど営業活動に勤しんでいます。フェイス・トゥ・フェイスを意識した人とのつながりを大切にすることで、営業訪問先から新たなスポンサーの紹介を受けることもあります。
さらにスポンサーからの要望に柔軟に対応することでスポンサー維持を図っています。例えば、特売日情報などをラジオで周知を図りたい商店の要望も、2,3日中なら希望日に合わせてリアルタイムで情報発信するなどで支持を得ています。このような、地道な営業活動からFMきりしまの認知度が高まっています。
スポットCM
- 基本秒数20秒 1,500円/回
- 制作費用 5,000円/本
- 月額5,200円コース (1回/週)
- 月額10,000円コース (2回/週)
- 月額22,000円コース (1回/土日を除く毎日)
- 月額26,000円コース (1回/日曜を除く毎日)
- 月額50,000円コース (2回/日曜を除く毎日)
その他
- 時報CM 1日1回 37,000円/月
- 電話中継(霧島市内) 4分間~ 5,000円/回
- 電話出演 4分間~ 3,000円/回
上記の他にもFMきりしまとの相談により番組やコーナーの提供や買取りもできます。
リスナー獲得の工夫
多様なスポンサーをもつFMきりしまは、多世代からリスナーを獲得する必要があります。そのために、FMきりしまがリスナー獲得のために工夫していることが3つあります。
1つ目は、市民や地元商店・企業の番組参加です。FMきりしまの一番のリスナー獲得策は、市民や地元商店・企業が気軽に番組出演できる体制を構築していることです。特に若者の番組参加は多世代リスナー獲得の一助となっています。例えば、FMきりしまは高校生がパーソナリティを務める番組(「未来のキミへ~Fromきりしま~」)を放送しています。この番組は市内の5つの高校から交代に生徒がラジオ出演し、各高校の紹介やイベント情報を発信するものです。生徒はプロのパーソナリティからサポートを受けながら楽しんで収録しています。こうした取り組みが、FMきりしまを若者の身近なものにし、高校生リスナー獲得に繋がっています。このラジオ出演の経験から、FMきりしまのパーソナリティに将来なってみたいと本気で考える生徒も出てきています。
2つ目は、パーソナリティの充実です。パーソナリティの個性は番組の魅力につながります。FMきりしまが開局した当時は、パーソナリティはスピーチの専門家などを起用していました。しかし、霧島らしさを出すために徐々に地元のパーソナリティを増やしてきました。地元のパーソナリティは、市民ゲストとして番組出演したことをきっかけにパーソナリティになるケースが多いです。また、FMきりしまが商店街で行う「まちゼミ」でパーソナリティの魅力を発信したことをきっかけに、パーソナリティになった方もいます。そうした地元から発掘したパーソナリティには素人の方もいます。そこで、開局当初から在籍するパーソナリティが、新規のパーソナリティに教育するなどでスキルを高め、番組の質を保っています。
また、パーソナリティは地元市民や企業が出演した様子をブログで発信するなど、リスナーや地元企業との距離を縮める活動をしていることも、愛顧を高める要因となっています。
参考リンク) FMきりしまのパーソナリティのブログ 別ウィンドウで開きます
3つ目は、スマートフォンなどのタブレット端末対応やラジオ番組のケーブルテレビ放送による情報発信メニューの多様化です。発信媒体の多様化を図り、防災時の情報到達可能性を高める観点から、開局と同時にスマートフォン等に対応のアプリケーション(以下、アプリ)を設置しました。このアプリは、スマートフォンから番組を視聴できるだけでなく、アプリから放送局に向けてメッセージを送信することもできます。送信されたリスナーからのメッセージは放送中に紹介されることもあります。ハガキだけでなく、このような双方向コミュニケーションの強化がリスナーからの愛顧を高める一つの要因になっています。このアプリの総ダウンロード数は16,000を超え、その内の12,000のリスナーが継続的に利用しています。つまり、ダウンロードしたアプリの75%が継続利用しています。このアプリをダウンロードしたリスナーは市内だけでなく、市外に住む元霧島市民も含まれています。市内だけでなく、市外に住む元市民の心もFMきりしまが結んでいると言えるでしょう。
参考リンク) FMきりしまの番組表 別ウィンドウで開きます