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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

店舗開業前に顧客が出来たコミュニティカフェ(埼玉県越谷市)6

地道な事前調査と住民と楽しんだ準備期間の先に

オープン後4ヶ月になろうとしているコミュニティカフェは未だに客であふれています。 越谷では、カフェといえば駅なかにある大手チェーンのみでした。ゆっくりできて、友人と会うための場所や誰かと時間をシェアする場所としてのカフェが少なく、また街なかでのパン屋も少なかったのです。

  • 「越谷の商圏では、どんなカフェが必要とされているか?」
  • 「どんな世代の人たちがパン好きなのか?」
  • 「どんな人たちがどこまで時間をシェアするために移動するのか?」

このようなさまざまな事前調査をしっかり行いニーズ分析などを行ったことや、準備期間は、マルシェやリノベーションキャンプなどのソフト事業も十分に行い親しみをもってきました。その結果、オープン三ヶ月の平均売上が、各月とも目標値を超えました。

当初の目的通りオープン後は新しい客層が土日に多く通りにあふれています。平日は高齢者のみなさんが集う場所になり、客単価も平均900円と高額を維持しています。

IC803に置かれたパンフレットは、ある企業で土日に150枚も持ち帰り頂いたという報告もあり、新年度を迎え、さらなる創業者支援を始める予定です。その第一弾として、商店会の中で一定の場所であれば、簡単に販売ができる屋台を貸し出す「ペダルビジネス支援事業」が始まります。具体的には、商店会で屋台自転車を一日低価格で貸し出し、空き店舗の軒先や川縁のデッキで、市民が小商いに参加しやすくしていくための仕組みを検討中です。また「起業しない起業」と新たに「中小企業診断士による起業相談(越谷商工会議所事業)」などもCAFE803で実施予定です。

井橋氏はこれまでの変化を、「商店会の試みが始まり、CAFE803の集客により、周りの呉服店やお茶屋さんもより魅力的な商品陳列を行うようになったなど、周辺店舗にも良い影響を与えています。2年近くの市民巻き込み型の小型ソフト事業を繰り返し行ってきたことで、今からできあがる店舗への期待をオープン後すぐに親しみに変えていく事ができ、開店当初から安定したコミュニティカフェの運営が出来た。」と分析しています。

写真:左から、畔上順平氏、井橋潤氏、佐々木恵美氏。
写真中央は井橋潤氏。写真左は畔上順平氏(建築家、芝浦工大講師)。井橋氏と共に越ヶ谷宿の町並みを再活用したまちづくりを、若者たちと始めている。写真右は佐々木恵美氏(イラストレーター)。越ヶ谷TMOのSNS/ホームページの管理を始め、IC803のまとめ役でもある。マルシェの広告デザインとオーガナイザーを務めている。

埼玉県越谷市の概況

地域:
埼玉県越谷市
人口:
339,677人(平成29年4月1日の数値)
分類:
「交流施設」「空き店舗・空きビル」「情報発信」「人材育成」「イベント」
協議会:
なし
実施主体:
越ヶ谷TMO、新町商店会、越ヶ谷サードプレイスPJ実行委員会など

取材:平成29年2月