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中心市街地活性化協議会支援センター

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地域資源を活用し、コト消費の空間を創出〜「観光客の回遊性向上と商店街組合員の増加」を図るイベント策〜 神奈川県湯河原町

湯河原町(駅前エリア)の課題

  • 温泉街の観光客を中心市街地に取り込むこと
  • 商店街における高齢化・後継者不足への対応策の構築
  • まちの継続的発展を図る組織づくり

取り組みと効果

  • 湯河原の名産品、手作り作家が出店する手作り市を開催
  • 後継者のみが集う別組織を立ち上げ、若手人材を取り込む
  • 地域の各種団体と連携し、事業の実施体制を強化

人口約2万5千人の町内から30店舗以上出店者が集まるイベント

古くから温泉観光地として知られている湯河原町。商業の中心エリアに立地する湯河原駅前通り明店街では、手作り市を湯河原風にアレンジした「ぶらん市(ぶらんち)」を年4回開催しています。最大の特長は、ターゲットである観光客の「地域の歴史・文化に触れたい」「地域の人と交流したい」といったニーズを取り込むため、湯河原の魅力を満喫できる出店者を集めていることでしょう。その魅力を伝えるために、「ぶらん市」には地元住民や企業が30店舗以上出店します。湯河原町の人口は約2万5千人ですが、それだけの出店数があるのは特筆に値します。今では観光客をはじめとする来場者が年間1万5千人を越えるイベントとなり、郊外にある温泉街と駅前との回遊性向上に貢献。こうした地域の賑わいづくりに向けた活動への評価が高まり、新たに3店舗が商店街に入会しました。

湯河原町の総人口は平成7年の28,389人をピークに以降は減少傾向にあり、平成29年には25,000人を割り込みました。なかでも10代、20代の若年層の湯河原町からの流出が顕著であり、老齢人口の割合は神奈川県内の市町村で最も高い状況にあります。また、大型店・中型店の出店による個店の経営力の低下や、店主の高齢化と後継者不足などから空き店舗が目立つ商店街も増え始めました。

こうした環境に対応すべく、湯河原町では商業・サービスの発展に向けて歩道や街路灯の環境整備を進める一方、観光客を含めた消費者ニーズにあった商品・サービスの提供、回遊性を高めるシステムづくり、地域資源を活用した商店街の特色づくり等を支援しています。

事業の実施主体である湯河原駅前通り明店街(以下、明店街)は、JR東海道線湯河原駅を起点として西方面約400メートルの県道75号線沿いに形成されています。現在の会員数はおよそ45店舗。「人と人とが触れ合える商店街」をビジョンに掲げ、様々なハード事業・ソフト事業を展開しています。

第19回ぶらん市の風景
第19回ぶらん市の風景