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コミュニティの拠点からまちづくりが広がる。 豊田市MAMATOCOとSTREET&PARK MARKET

ポイント

  • 古民家と蔵を改装し市民が活躍し、子育て世代・若者が集う拠点を整備。
  • マーケットとの連携で賑わいを創出し、起業家も発掘
場所:
愛知県豊田市
人口:
約42万人
分類:
【イベント】【空き店舗・空きビル活用】【コミュニティビジネス】
協議会:
あり
実施主体:
豊田まちづくり株式会社
参考URL:
MAMATOCO
 

http://kura-mamatoco.com/ 別ウィンドウで開きます

 
STREET& PARK MARKET
 

http://sp-market.org/ 別ウィンドウで開きます


1.まちの活性化への取り組み

 豊田市は名古屋市の東方に位置し、県下最大の市域と県下2番目の人口約42万人(平成27年8月1日現在)を有する中部圏の経済を支える中核都市のひとつです。また、トヨタ自動車株式会社の企業城下町として発展してきました。

 豊田市では、現在、第2期豊田市中心市街地活性化基本計画(以下「基本計画」)に基づき活性化事業を実施しており、その運営に関しては、豊田市中心市街地活性化協議会(以下「協議会」)やその下部組織であり具体的な事業の推進・調整及び誘導等を行う官民連携の推進組織である豊田シティセンターマネジメント(TCCM)において活発な協議が行われ、着実に事業が推進されています。

2.まちなかコミュニティ施設整備事業 ~MAMATOCO(ママトコ)~

 MAMATOCO(ママトコ)は、「まちなかコミュニティ施設整備事業」として中活基本計画に位置付けられ、豊田まちづくり株式会社が経済産業省平成26年度商店街まちづくり事業(中心市街地活性化事業)と豊田市空き店舗活用支援事業補助金を活用し、平成27年3月13日に開業しました。

 ママトコとして整備された建物(古民家と蔵)は、昔から市民に親しまれている挙母(ころも)神社の参道でもある桜町商店街の呉服店の、桜城址公園の正面に立地する大正時代に建てられ築100年を超える物件です。そこが時代を経てリノベーションされ、コミュニティ形成と、新たな商業活性化への取り組みの拠点となりました。

 最近、周辺においても空店舗に出店した新たな飲食店が人気店に成長していく等、今までとは違う層の来街など、まちにとってよい傾向が見られており、こうした動きをさらに加速させることが期待されています。

ママトコは

  1. 中心市街地に子育て世代が集まり、コミュニティ形成ができること
  2. 商業等にチャレンジ・起業できる
  3. 豊田市の地元の農作物にふれることができる

という3つのコンセプトに基づいて整備されました。テナントとして、地元の若手農業集団の株式会社夢農人(ゆめのうと)(任意団体である夢農人の有志がママトコへの出店を機に法人化)による地産地消の蔵カフェ&マルシェ「ころも農園」が入り、その他に主に子育て世代が活用することを想定した販売や講座・教室の開催に使えるレンタルスペース、手作りの雑貨等が並ぶレンタルボックスを備えています。

 レンタルスペースでは日替わりで様々なショップや講座・教室が開催されています。

3.活性化のためのイベント ~STREET&PARK MARKETの開催~

 さて、素敵な施設がオープンしましたが、拠点を整備するだけで活性化するわけではありません。

 そこで、ママトコに集まる人材(レンタルスペースの出店者)や立地を活かし、拠点が拠点として機能し、つながりが拡がり、街が活性化するために、「STREET&PARK MARKET」(以下、「マーケット」)というイベントが、桜城址公園にて毎月第3土曜日に開催されるようになりました。このマーケットは、都市公園という公共空間活用の社会実験の意味も併せ持っています。

 マーケットは、賑わいの創出に加え、起業家の発掘の仕組みづくりも目的としており、中心市街地の新陳代謝の促進につなげたいとの思いで取組まれています。

 現在では50を超える手作り・こだわりの出店者がマーケットに参加し、子育て世代を含む若者の集客に成功しています。

 こうした来場者が増えることにより、まちなかへの集客が向上し、まちなかのお店に対する需要の向上につながり、まちなかへの出店や起業につながることが期待できます。

 この事業の準備と合わせて、協議会で平成26年度に中小企業基盤整備機構の中心市街地商業活性化診断・サポート事業プロジェクト型を活用し、ママトコやマーケット会場のエリアを含む商店街や通りの物件状況調査を行い、今後、隣接する通りへの出店につながるようなデータの収集にも取組みました。

 これらすべての取組が横断的に仕掛けられたことにより、大きな効果を生み出すことに繋がっています。

4.取組の効果

  この取組により以下の効果があったと言えます。

  • 空き店舗(未利用物件)の活用
  • 商店街(まちなか)の活性化
  • 商店街エリアのコミュニティ創出
  • 子育て世代を含む若い世代のまちなかへの誘客
  • 来街者の回遊性の向上
 一方で、ママトコのころも農園では、マルシェの秋冬の品ぞろえやカフェの夜間営業といった課題も浮かんでいます。マーケットについても次年度以降の方向性の検討や事業収支の改善が課題として挙げられており、早い段階で関係者が課題に向けた検討を進めていく予定です。

5.取材を終えて

この取組は

  1. 地域内の農業団体、子育て支援者、デザイナー、建築家等と協議会がチームという意識をもって事業開発に取り組んだこと
  2. 事業コンセプトが明確であること
  3. 事業推進に関わるTCCMや豊田まちづくり株式会社の日ごろの活動から課題を正確に把握し、解決に取組んでいること
上記の3点によって成果がでる確実な事業運営につながっているのだと感じました。

6.まちの概要

 豊田市は名古屋市の中心部から約25 km東方に位置し、県下最大の市域約918.32 km2(愛知県全体の17.8%)と県下2番目の人口約42万2千人(平成27年8月1日)を有する中部圏の経済を支える中核都市のひとつです。また、トヨタ自動車(株)の企業城下町として発展し、製造品出荷額等が全国第1位を誇るわが国を代表する産業拠点です。

<取材日 平成27年8月>

関連リンク

協議会訪問

1.豊田市中心市街地活性化協議会(掲載日:2013.8.30)

2.豊田市中心市街地活性化協議会(掲載日:2007.8.28)