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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

小判でお買い物できる商店街 ~遊座大山商店街~

ポイント

  • 商店街の地域通貨として、“遊座小判”を製作。
  • お得なプレミアムを付けて販売したり、イベント景品、エコマネーとしても活用しています。
  • 「遊座」という名前と小判をからめ、「江戸風」をキーワードに知名度アップに取り組んでいます。
遊座大山商店街
場所:
東京都 板橋区 大山
分類:
スタンプ・カード・地域通貨
協議会:
なし
人口:
53万人
実施主体:
遊座大山商店街振興組合
参考URL:

http://members.jcom.home.ne.jp/youza/ 別ウィンドウで開きます


まちの概要

規模・人口

遊座大山商店街

人口53万人の板橋区にあって、大山駅は池袋にもほど近く、多くの人が住む住宅地です。

交通など

池袋から東武線各駅停車で3つめ。駅に接続したバス・タクシーの運行はありませんが、むしろクルマに邪魔されずゆったり買い物のできる商店街が形成されています。

現状

南北約1kmにわたる商店街は、地元はもとより他地域からも客足を集めています。大山駅北口から山手通りに続く約550mが、遊座大山商店街です。(ふるさとショップ「とれたて村」を運営する南側のハッピーロード大山商店街の記事もご参照ください。)

まちの課題と、行った取り組み

課題・問題

商店街では、「どうしたら地元で買っていただけるか?」を商店街の課題とし、カラー舗装、スタンプ事業などを実施してきました。平成11年、当時東京の浅草や山梨の身延山で行われていた「小判型の地域通貨」を商店街でやってみては?というアイデアが出ました。

目的

商店街の活性化を目的に、紙印刷に比べ話題性がある「小判方式の地域商品券」を製作し商店街で流通させることにしました。

具体的な方法

真鍮を材料として、江戸時代の「天保五両」そっくりに小判を製作し、「遊座小判・五百円」と刻印しました。地元で使ってもらえるのか不安があったため、試験的に5,000枚製作し歳末大売出しの景品に出してみました。
翌1月に集計してみたところ、約8割が使われて回収されていました。これはいける!と追加作成。新たに製作した「慶長小判」も加え、発行枚数は現在1万3千枚になっています。

流通の仕方

商店街振興組合が製作し、
イベント時の景品として進呈する
プレミアム付き(額面500円を450円)で定期的に販売する
満点になった商店街スタンプカードと交換する
の3つの方法で流通させています。9割方はプレミアム販売だそうです。
【商店街】→【お客様】→【加盟店】→【地元金融機関】→【商店街】……

商店街では、小判をうまく活用し活性化に役立てています。

抽選会やつかみ取りなど、イベント景品とする。
イベントお手伝いや、空き瓶回収などボランティア活動にエコマネーとして利用する
満点になった商店街スタンプカードと2倍額で交換し、スタンプ事業を活性化する
小判1枚のお買い物金額を600円に引き上げるイベントセールを開催する

取り組みの効果

小判の人気は大変高く、プレミアム販売時には長蛇の列ができて、ものの15分か30分で売切れてしまうそうです。

お守りやコレクションにと、遠くからわざわざ大山まで買い求めに来る人もいるとか。評判を聞いた地方の商店街から問い合わせや、視察も来ており、遊座大山の知名度アップに貢献しています。

小判の製造コストが高くつくように思いますが、真鍮製で半永久的に使えるので、使えば使うほど安くなります。1枚当りの制作費は120~130円ですが、10回転ですれば10円台。その度に捨てる紙印刷の地域商品券より、環境にもやさしい。また商店街のお店にとっても受け取って金融機関へ持ち込むだけなので、流通のための設備コストがかからず参加しやすいのもメリット。現在、商店街の80店舗で利用可能です。

今後

誕生から10年たった遊座小判。遠方から視察に来るほど、全国的にも有名になりました。しかし地元で知らない人も意外に多いそうです。また金ピカで綺麗なため、使わずにコレクションしてしまう人も多いそうで、さらに知名度を上げ、いかに流通させるか?が今後の課題のようです。

関係者の声

遊座大山商店街振興組合 イベント事業部長 鈴木泰彦さん

「カタカナ名前の商店街が多い中、うちは楽市楽座をイメージして"遊座"という和風の名前にしました。それに小判をからめ、"江戸風"をキーワードに知名度アップを図っていきたいと思います。」

「街のシンボルマークになっている着物姿の"遊座くん"は、着ぐるみキャラクターになりイベントで大活躍しています。遊座くんは実は江戸時代の生まれで、兄弟もいた?等のストーリーを展開し、ブレイクを狙っています。」

「小判の次は"大判"をつくろう!とか、江戸がらみで"富くじ"はどうだろう?等アイデアも色々出ています。各お店でも江戸風の商品とか、"小判で買える逸品"などを揃えて、"小判が飛び交う商店街"にしていきたいと思っています。」