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中心市街地活性化協議会支援センター

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令和4年度『東北地域中心市街地及び商店街関連セミナー』が開催されました。

 2022年10月12日、秋田県秋田市で『東北地域中心市街地及び商店街関連セミナー』(東北経済産業局・中小機構共催)が行われました。
 事例発表、パネルディスカッションのほかグループ討議や視察など、盛りだくさんの内容で行われたセミナーには、東北を中心に23の地域から64名の参加者が集まりました。セミナーの様子をレポートします。

<セミナー次第>
■ 開会挨拶
■ 施策紹介(東北経済産業局、中小機構まちづくり推進室)
■ パネルディスカッション『地域のまちづくり活動の自走について~事業の人的・面的広がりを作る~』
■ グループ討議
■ 秋田市の中心市街地活性化について
■ 現地視察

<目次>

1.セミナーの趣旨と施策紹介

2.パネルディスカッション 事例発表

3.パネルディスカッション パネリストのコメント

4.グループ討議

5.秋田市の中心市街地活性化について

※各目次をクリックすると、それぞれの記事にジャンプします。


1.セミナーの趣旨と施策紹介

 当セミナーは、東北地域において中心市街地や商店街活性化に取り組む各地域が効率的かつ効果的に事業を展開し、持続可能なまちづくりを進めていくためのきっかけとして開催されました。
 まちづくり会社、自治体や支援機関の担当者、まちづくりコーディネーター等のネットワークや連携を強化し、課題解決のためのノウハウ共有と向上、まちづくり人材のスキルアップを図ることが目的です。今回は地域のまちづくり活動の「自走」「連携」のテーマで行われました。

 開会にあたり、主催者の東北経済産業局産業部 商業・流通サービス産業課の伊藤ひろみ課長より、挨拶とともにセミナーの趣旨、目的について説明がありました。

 その後、同課の安倍優香氏より経済産業省の中心市街地活性化等支援事業として、「地域商業機能複合化推進事業」「がんばろう!商店街事業」の説明がありました。

(外部リンク)地域商業機能複合化推進事業 別ウィンドウで開きます

(外部リンク)がんばろう!商店街 別ウィンドウで開きます

  
 続いて、中小機構高度化事業部まちづくり推進室の志田竜彦室長代理より、中小機構のまちづくり支援施策として、「セミナー・勉強会の講師派遣」、「アドバイザーの派遣」、「プロジェクトチームの派遣」、「専門員等の巡回支援」、「中心市街地活性化協議会支援センター」の紹介がありました。

(外部リンク)中小機構 支援策パンフレット 別ウィンドウでpdfファイルを開きます

  • 東北経済産業局
    伊藤ひろみ氏
  • 東北経済産業局
    安倍優香氏
  • 中小機構
    志田竜彦氏

2.パネルディスカッション 事例発表 

 パネルディスカッションにあたり、経済産業省の補助事業を活用した2つの事例発表が行われ、まちづくり会社の自走、連携等のテーマ提示が行われました。
 ・事例① 山形県長井市(俺たちの株式会社楽街)
 ・事例② 福島県福島市土湯(株式会社元気アップつちゆ)

事例①【山形県長井市】俺たちの株式会社楽街の取組み

・発表者:俺たちの株式会社楽街 代表取締役 鈴木 英明氏

  • 俺たちの株式会社楽街  鈴木 英明氏
  • cross-ba(クロスバ) 発表資料より

 俺たちの株式会社楽街は、商店街前の道路の拡幅工事を機に店舗減少等が進んだ状況の打開を目的とし、商店街の経営者や建築家等により設立された民間出資100%のまちづくり会社です。山形県長井市の本町大町通り商店街において、テナントミックス施設cross-ba(クロスバ)の整備運営、地域農産物を活用したジェラート「あま恋」の企画・販売事業を行うほか、まちなかの活力を生み出す取組みを行っています。

(取組み概要)

事業名

長井のまちと人とモノが交差する本町テナントミックス施設整備事業

活用した事業

平成29年度地域・まちなか商業活性化支援事業費補助金(地域商業自立促進事業)

地域概要/課題

当市は水資源が豊かな歴史ある土地である。中心市街地の商店街では少子高齢化が著しく、加えて道路拡幅工事が実施され街が大きく変わることを機に、今後の商店街の在り方について検討する必要がありました。

取組の目的

・創業意欲のある若者のチャレンジを促し、中心市街地の商店街と連携した取り組みを行うことによって、まちなかの活力を生み出す

・庭園やベンチ、植栽のある空間による「やすらぎ」と、施設独自のイベント等による「楽しみ」を演出し、多くの人が憩いの場として訪れやすい空間をつくる

・オリジナル商品の開発や、道の駅、長井駅と連携した集客の取組みを行い、回遊性を高めることで、更なる賑わいの創出を目指す

【ハードの取組み】

・テナントミックス施設『cross-ba』整備

→商業機能とオフィス機能、交流広場が一体となった複合拠点整備

【ソフトの取組み】

①地域農産物ジェラート「あま恋」企画・販売

②コワーキングスペース「cross-ba」への入居サポート

cross-baを活用したオリジナルイベント実施

自走の考え方

・行政の委託費等は極力受けない方針(資金源は主にcross-baのテナント収入、ジェラートの収益)

連携の取組み

・地域商店街との繋がり、個人の繋がり等一度できた繋がりをたどり関係構築

     

 
  • 中庭の交流広場(発表資料より)
  • オリジナルイベントの様子(発表資料より)
  • ジェラート「あま恋」(発表資料より)

事例②【福島県福島市土湯】株式会社元気アップつちゆの取組み

・発表者:株式会社元気アップつちゆ 代表取締役CEO 加藤 貴之氏

  • 株式会社元気アップつちゆ  加藤 貴之氏
  • 空き家を活用した醸造・販売施設
    「おららの酒Bar」(発表資料より)
  • 養殖エビ釣り体験ができるコミュニティカフェ
    「おららのコミセ」(発表資料より)

 株式会社元気アップつちゆは、東日本大震災からの復興と再生、災害前を超える賑わいを取り戻すことを目指して、地元資本により設立したまちづくり会社です。福島県福島市の土湯温泉において、コミュニティ施設「おららのコミセ」、「おららの酒Bar」を経営するほか、地熱を活用した発電事業等にも取り組んでいます。

 (取組み概要)

事業名

()()を奏でる土湯温泉の街 賑わい創出事業

活用した事業

令和元年度商店街活性化・観光消費創出事業

地域概要/課題

福島市内から西南に約16㎞に位置する土湯温泉は「土湯こけし」の産地としても有名な、県内有数の温泉街。少子高齢化や震災の影響で廃業する事業者の問題があるものの、地熱などの地域資源を有効に活用して「再生エネルギー」に着目した活動が活発な地域である。

取組の目的

★日本が築き上げて来た温泉文化や発酵文化を新たな観光資源として醸成することを目的に、温泉街で酒造りを実施

①醸造した品を特産品として売り出し、観光客が見学、体験できる誘客施設として整備

②土湯ならではの観光産業として進めてきた再生可能エネルギー事業から派生した「エビ」の養殖事業の多角化の観点から、他の温泉観光地に類を見ない誘客施設を整備

【ハードの取組み】

・「おららの酒Bar」の整備

→温泉街の中心に位置する空き店舗を解体し、跡地に酒蔵と販売
所を整備。販売所では醸造した酒を提供する

・「おららのコミセ」の整備

→観光客や地域の方が気軽に立ち寄れるカフェを併設したコミュ
ニティ施設を整備

【ソフトの取組み】

・発酵文化のブランディング

・発酵食品、養殖エビ釣り体験等、温泉地の新たなアクティビティ創出

自走の考え方

・委託金や補助金に頼ることは最小限に。「稼ぐ力」を強化するため保有コンテンツを磨き上げ、武器に仕上げる

連携の取組み

・地域のつながりを大事にしつつ、“よそもの“とつながりを強化

  • エビ釣り体験の様子(発表資料より)
  • 「おららの酒Bar」で醸造したどぶろくとシードル(発表資料より)

3.パネルディスカッション パネリストのコメント

テーマ:「地域のまちづくり活動の自走について~事業の人的・面的広がりをつくる~」

  • パネルディスカッションの様子
  • ファシリテーター 
    東北経済産業局 原健吾氏
(パネリスト)50音順
 ・伊藤 大海氏/中小機構 中心市街地サポートアドバイザー
 ・苅谷 智大氏/株式会社街づくりまんぼう 街づくり事業部長
 ・下田 孝志氏/山形まちづくり株式会社 常務取締役
 ・古川 直文氏/株式会社楽市白河 常勤取締役
 ・柳沢 拓哉氏/株式会社まちづくり八戸 

(ファシリテーター)東北経済産業局産業部 商業・流通サービス産業課 課長補佐 原 健吾氏
  • 伊藤 大海氏
  • 苅谷 智大氏
  • 下田 孝志氏
  • 古川 直文氏
  • 柳沢 拓哉氏
Q:収益確保のための事業をどのように進めていますか。また、行政の委託費と自主事業のバランスはどの程度を目指していますか?

【古川直文氏(株式会社楽市白河)】
 日本の少子高齢化を鑑みると人口減少は避けられない課題であり、行政だけでなく民間の力が必要になってくる。解決する一つの策として「コンパクトなまちづくり」があり、中心市街地の活性化においても行政と民間がタッグを組んで真剣に取り組む必要がある。そのうえで、まちづくり会社が自立して新しい事業を生み出せる事業者となることは、地域のまちづくり活動にとって重要なポイントである。
 民間投資が減少している中心市街地で、新たに利益を生む事業を作ることは簡単ではない。最終的には補助金・委託金がなくても成り立つ事業として収益化を目指すことが前提だが、自分達のリスクを下げるためにも、立ち上げ時に委託金や補助金を活用することは非常に重要だと考えている。事業の目的に合致する補助金があれば活用し、無い場合は行政に事業を提案して予算化する交渉をしている。
 当社の場合、行政の指定管理事業による収益は売上の50%以上を占めていたが、自主事業の収益増加に伴い、割合は下がっている。今後行政の委託費等の割合は20%程度に抑えることを目標に、自主事業の比率を高めて会社の収益を安定させたい。
  

Q:行政の委託業務と自主事業とのバランスはどのように調整していますか?

【苅谷智大氏(株式会社街づくりまんぼう)】
 当社のメイン事業は石ノ森萬画館の運営で、指定管理料のほか入館料収入とグッズの販売費がコロナ前で約2億円あり、その収益をまちづくりに投資していた。しかし、コロナ禍の影響で売上が半減し現在も戻らない中、会社を維持していくためにこの1~2年は委託業務を積極的に受けている。
 委託業務の遂行に社内リソースを割くと、“利益は少ないがまちづくり会社としてやるべき業務”の優先順位が下がる状況があった。収益を得られる委託業務と、まちづくり業務のバランスをいかに取るかが課題である。
  

Q:まちづくり会社と商店街組織双方の立場でまちづくり活動に取り組む中で、収益確保の点についてどう考えますか?またどのような観点から収益構造を改善したら良いか教えてください。

【下田孝志氏(山形まちづくり株式会社)】
 環境変化に対応し、事業の実効性・継続性を担保するために重要なのは「人」、つまり担い手確保であることは、まちづくり会社も商店街組織も同様。まちづくりを本業とする担い手を確保するために、自主財源の確保は不可欠だと考えている。商店主のボランティアや若手のやる気に頼る従来のまちづくり活動では担い手は育たず、持続しない。まちづくりを本業とする人を、いかに地域の中で増やしていけるかがテーマであり、法人格を持つまちづくり会社等が人材に投資することは、企業として当然必要なことだと考えている。
 事業計画の観点からいうと、補助金や委託金に頼らない経営が大事で、必要ないということではない。早期に収益化を図るためイニシャルコストを抑えるのは経営の基本であり、立ち上げ時は補助金等で支えてもらいながら、3年後5年後には自立する事業計画、経営方針を持っていることが重要である。
 収益構造のポイントは過大投資を避けること、会社の体力を見ながら収益性を高めていくこと、事業を開始した後も常に販促、営業など売上を上げる努力を続けていくことが大切である。また、事業開始時にデッドライン(撤退の指標)を決めておくことは、経営リスクを下げる上でも必要だと考えている。
  

Q:「連携」について、組織内や関係機関との関係作りのため、どのような環境づくりをしていますか?

【柳沢拓哉氏(株式会社まちづくり八戸)】
 当社は商工会議所内のTMO推進組織が母体となり設立された経緯もあり、商工会議所や自治体と普段から連携して事業を進めている。事務所の物理的な近さもあるが、共に事業を進める中で、会議以外の場でも密にコミュニケーションを取ることを意識している。
 一方、商店街の中で店員や地元資本店舗の減少に伴い、まちに関わる人が減少している、空き店舗が増加しているなど、以前からあった課題がコロナ禍により一気に顕在化した。他の地域も同様だと思うが、八戸市では特にその動きが顕著で、各機関と連携、意思疎通を図りながら、課題に対応すべく試行錯誤している。
  

Q:連携構築の際に重要と思われる点は何でしょうか。

【伊藤大海氏(中小機構 中心市街地サポートアドバイザー)】
 人を繋いだり、コミュニケーションを活性化するための「場を作る」、「活動を可視化する」ことは非常に重要で、今日の事例発表者をはじめパネリストはこれらをコーディネートする役割を担われている。
 前進させるために場を作るという例では、以前、中心市街地活性化基本計画作成に苦慮していた地域に対して、それまで検討に呼ばれていなかった活動的な若手のワーキンググループをつくり、意見を入れるよう助言、コーディネートした事例がある。最終的には、ワークショップ等を通して作成した提案書をベースに基本計画が作成され、国の認定を受けている。このように、コーディネートする役割の人・機能・機関があること、またそれらをバックアップすることは、連携を作る上で重要なポイントであると考えている。
  

Q:関係者との「場づくり」はどのように実践していますか?また、連携作りのためどのような活動をしていますか?

【苅谷智大氏(株式会社街づくりまんぼう)】
 「場づくり」は地域の関係者との密なコミュニケーションというベースがある上で、関係者と繋がっていくと考えている。そのベースとなる関係づくりのため、地域のまちづくり組織以外の団体や人とも積極的に関わるほか、外で得た情報を地域に還元すること等を心掛けて実践している。
 一方、個人のネットワークや関係性をどのように会社組織としての動きに繋げていくかが課題でもある。
  
【柳沢拓哉氏(株式会社まちづくり八戸)】
 中活協議会の事務局として日々活動する中、協議会とステークホルダーの連携だけでなく、ステークホルダー同士の連携づくりを心掛けている。例えば研修会等の際には懇親会や交流の場も準備する、若手飲食店グループの活動を紹介する、地元の店舗からケータリングする、といったように、研修会等と交流の場を併せてセッティングできるよう、様々な引き出しを持つように心掛けている。
 また、自分達が企画する事業に外部団体等へ出講を依頼する場合、その団体等のイベントや会議に先に足を運ぶと、その後の協力度合いが高まることを実感しており、そうした点も心掛けている。
  

Q:まちづくり活動に関する相談先、また連携を構築する上で有用なツールがあれば教えてください。

【伊藤大海氏(中小機構 中心市街地サポートアドバイザー)】
 相談のケースにもよるが、中活法に位置付けられている支援機関としてソフト関連は中小機構、ハード関連は民間都市開発推進機構(MINTO機構)等の公的機関が考えられる。公的な支援機関としての安心感があり、地域から見ると外部の機関ゆえに地域内のしがらみもないので、まちづくりに地域外の視点が必要な際の相談先として有効である。そのほか移住者やIターンしてきた人材が持つ、地域にないネットワークを頼ることもある。コンサルタントや民間企業等も支援相手としてはある。
 有用なツールについて、ある地域でグループインタビューを行った際、学生から子育てを終了した女性まで幅広い世代の共通ツールは、TwitterとInstagramだった。彼らはホームページを検索して調べるのではなく、SNSから流れてくる自分好みに最適化された情報の中から興味を持ったものにアクセスしている。以前関わった事業でSNSを使った情報発信を行った際、広く情報が拡散された。SNSは情報発信者の信用・ブランドを借りて口コミが拡げられる良いツールであると実感している。
  


4.グループ討議

グループ
リーダー
テーマ
A
下田 孝志氏
まちづくり会社における事業化のステップ
B
柳沢 拓哉氏
まちづくりにおける地域資源の発掘方法と活かし方
C
苅谷 智大氏
安定的な雇用を作り、新しい事業をつくるために必要なことは何か
D
古川 直文氏
まちづくりのプレーヤーを探す・巻き込む・応援する
E
伊藤 大海氏
とある地域を題材にした「妄想近未来地図づくり」ワークショップを学ぶ

 グループ討議では事前のアンケートに基づいて分けられた5つのグループに分かれ、パネリストがリーダーを務めてテーマ別に討議しました。

  • グループ討議のようす
  • Aグループ
  • Bグループ
  • Cグループ
  • Dグループ
  • Eグループ

<Aグループ>まちづくり会社における事業化のステップ  

 地域に新しい事業を起こす想定で個別ワークを行いました。参加者はまちづくり会社の社長になった気持ちで、地域課題を解決するためのアイデア、使える経営資源、資金調達と回収方法まで考え、事業構想を作成しました。そして、事業推進のため誰と連携するか、事業成功のポイント、事業開始後の販促・営業方法についても考え、自分の地域の課題を自分事として検討しました。

<Bグループ>まちづくりにおける地域資源の発掘方法と活かし方      

 八戸の事例を紹介しながら、参加者それぞれのまちの状況、どのような形で各資源を生かしたいと考えているか等を話し合った後、2グループに分かれて議論を進めました。両グループの共通意見として、最大の地域資源は「人」であり、やる気のある人や若い人が活躍できる「場」をどう作るか、解決に近づく様々なアイデアについて、白熱した議論が繰り広げられました。

<Cグループ>安定的な雇用を作り、新しい事業をつくるために必要なことは何か 

 指定管理業務は安定的収益を得られますが、条例の縛りがあること、利益が出たら管理料が減る、指定管理期間に対応した有期雇用となる、スタッフのモチベーション向上等の課題があります。それら課題に対して、フリーディスカッションで必要なポイントや対応策を整理しました。これらの課題に対応していくことで自ずと環境は整い、経営者の選択と覚悟があれば新しい事業を作っていける、という意見になりました。

<Dグループ>まちづくりのプレーヤーを探す・巻き込む・応援する

 当グループの参加者は行政職員が多く、行政が支援できる場面や支援の在り方等について議論しました。担い手の高齢化、新旧プレーヤーの対立等の課題がある中、意見交換の場の重要性、若い人が育つ場づくりの必要性、通行量調査といった行政が公開するデータの精度向上等について議論されました。また、補助金頼みにならないよう、計画先に資金を投入していくため、事業計画の精査等を行政が共に行うことも必要、という意見もありました。

<Eグループ>とある地域を題材にした「妄想近未来地図づくり」ワークショップを学ぶ

 白河市の本町北裏エリアという場所をモチーフに、「妄想地図」を作るワークショップを行いました。参加者は二つのグループに分かれ、大人の居場所として自分達が欲しい場を考えました。
 現実的な制約条件を念頭に計画を立てると、本来取り込めたはずの地域資源や繋がりを逃してしまうため、最大限大きいアイデアを考え、そこから現実的な構想、計画に削ぎ落としていくステップを学びながら、制約を外して考えることの大切さを体験しました。


5.秋田市の中心市街地活性化について

 秋田市都市整備部 都市総務課長 横山康宏氏からの挨拶後、同課の湊一輝氏より、秋田市中心市街地活性化の取組みについて紹介がありました。
 秋田市は令和4年3月に第2期認定基本計画が終了し、現在は令和5年4月を始期とする独自計画を策定中です。第2期認定基本計画中には、『秋田駅西口駅前広場』や『秋田市文化創造館』、『あきた芸術劇場ミルハス』といった公共公益施設が整備されました。コロナ禍の影響により一部目標値は達成できませんでしたが、居住人口増加、地価の上昇など一定の成果が上がりました。
 今後は既存施設を活かした賑わい創出方法の模索、回遊性向上、商店街の魅力アップ、中心市街地活性化の担い手育成などに取り組む、ということです。

  • 都市総務課 横山康宏氏
  • 都市総務課 湊一輝氏

 続いて、秋田市企画調整課の高橋秀輝氏より、施設整備の経緯や目的と中心市街地活性化についてお話いただいた後、あきた芸術劇場ミルハス 企画事業・広報課の下村直也氏より、『あきた芸術劇場ミルハス』の施設紹介がありました。

  • 企画調整課 高橋秀輝氏
  • あきた芸術劇場ミルハス 下村直也氏

 当施設は秋田県と秋田市が共同で整備した文化施設であり、高い音響性能と舞台機能を併せ持つ大ホール(2007席)と臨場感を重視した中ホール(800席)をはじめ、二つの小ホール、練習室、研修室、創作室を備えた劇場です。その後参加者は『秋田市文化創造館』を見学しました。

『あきた芸術劇場ミルハス』HPより 上段(左)施設全景 (右)大ホール
下段(左)中ホール (中)小ホールA (右)創作室2
  • 『秋田市文化創造館』2FスタジオA1
  • 現地視察のようす