固定・可動・仮想のベストミックスへ
~可動商店街が維持する地域社会と、これからのまちづくり~
『軽トラ市』をご存知でしょうか。軽トラックの見本市ではなく、軽トラックの荷台に食料品、衣類、雑貨などの商品を陳列して販売する定期市です。岩手県雫石町から始まり、現在では全国100地域以上に広がっています。
軽トラ市は地域の人と人をつなげ、まちの空間を活かした地域活性化の取組といえます。愛知大学三遠南信地域連携研究センター(※)長の戸田敏行教授は10年以上軽トラ市を研究しています。戸田教授は、「軽トラ市は“可動商店街”であり、日本の地方創生モデルである」といいます。今回、戸田教授を取材し、無理なく持続できるまちづくりの取組として、地域同士をつなげるプラットホームとして、人材育成の場として、さまざまな側面を持つ軽トラ市の事例、今後の展望などを伺いました。
※愛知大学三遠南信地域連携研究センター
行政境界を跨ぐ越境をテーマにした地域政策の研究と活動を推進している。
*三遠南信地域は愛知県東三河地域、静岡県遠州地域、長野県南信州地域からなる、県境をまたぐ越境地域。
<目次>
- 1.軽トラ市について/全国ネットワーク化と日本自動車工業会との関わり
- 2.軽トラ市=まちづくり/小規模な地域での成功例だからこそ他地域でも応用可能
- 3.印象的な事例/軽トラ市の発展形
- 4.軽トラ市の人材育成/地域人材のプラットホーム
- 5.軽トラ市の展望 (まちが活きる可動商店街)
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1.軽トラ市について/全国ネットワーク化と日本自動車工業会との関わり
軽トラ市は、軽トラックや軽自動車が集まり、野菜や果物などの農産物や加工食品、衣類、雑貨などを販売する定期市です。運んできた商品を荷台でそのまま販売でき、設営や飾り付け、撤収までがスムーズという実際的な利点のほか、売り手と直接やり取りできる温かみが人気です。また、参加するためのハードルは低く、相場として1 台あたり3,000円程度の費用で出店できます。
軽トラ市は数台の小規模なものから130台以上の大規模なものまで様々です。その中でも中心的な地域が三大軽トラ市と呼ばれています。軽トラ市発祥の地・岩手県雫石町の「元祖しずくいし軽トラ市」、愛知県新城市の「しんしろ軽トラ市のんほいルロット」、宮崎県川南町の「『定期朝市』トロントロン軽トラ市(以下、トロントロン軽トラ市)」です。
戸田ゼミの調査によると、月1回の開催が最も多く、出店の全国平均は30台、運営費の平均は約10万円、来場者の平均 は2,000人です。投資効率からいえば、軽トラ市は非常に効果の高い事業といえます。
<軽トラ市のはじまり>
軽トラ市は、2005年頃、岩手県の雫石(しずくいし)から始まりました。宮沢賢治ゆかりの地であり、小岩井農場があることでも有名な町です。当時中心市街地活性化基本計画を策定する中で、人が減ってきた商店街を活気づけるため、事業立案に向けた町主催のワークショップを開催した際、軽トラ市が発案されたそうです。人口約1.5万人の町で1日に6,000人を超える集客の時もあり、2024年には開催第140回を超えます。
比較的狭い道路に、約60台の出店者が順番に且つ一斉に軽トラを並べる方法の考案、住民や固定店舗の理解・調整、道路の使い方の工夫など、運営を続けてきた実行委員会が20年継続する中で他地域の事例も参考にしながらノウハウを蓄積し、今の形になりました。そうしたノウハウは他の地域にも共有され、ブラッシュアップして更に他の地域にも共有されながら進化してきました。
新城市しんしろ軽トラ市のんほいルロット写真(画像出所:戸田教授提供)
<全国軽トラ市でまちづくり団体連絡協議会(軽団連)>
軽トラ市ネットワークの仕掛け人は雫石町の相澤潤一氏です。相澤氏のアイデアで、「全国軽トラ市でまちづくり団体連絡協議会(以下、軽団連)」が組織され、「全国軽トラ市サミット」が始まりました。軽トラ市開催団体の連携促進、新規開催団体の育成、軽トラ市の認知度向上等を目的に、毎年全国各地で開催されています。また、地域創生の有効な手法として軽トラ市を振興・実施していこうと、「全国軽トラ市・地域創生宣言」も発表しました。
サミットでは、シンポジウムやパネルディスカッション等を通して、課題やノウハウの共有を行うほか、翌日には全国各地の軽トラが出店する「全国軽トラ市」が開催されます。
<日本自動車工業会との関わり>
軽トラックをはじめとした軽自動車が、地域活性化に活用されていることから、自動車業界との関わりもあります。
日本自動車工業会(以下、自工会)は、国内において自動車を生産するメーカーを会員として設立され、自動車メーカー14社によって構成されています。その自工会の中に軽自動車委員会があり、全国軽トラ市の情報をまとめるサイトは、実は自工会の軽自動車委員会が運営しています。
自工会は、軽トラ市が継続的に開催され、全国に広がることで、軽自動車が地域活性化の助けとなる事を願い、メーカーの垣根を越えて協力しています。自工会が主催するジャパンモビリティーショーでも、軽トラ市が開催されています。特に、しんしろ軽トラ市が行われる商店街には、軽自動車企業ディーラーが進出し、軽トラ市を盛り上げています。大企業と地域の事業主が共同で取り組むことはあまりないですが、気楽に連携できるところも、面白い点です。
2.軽トラ市=まちづくり/小規模な地域での成功例だからこそ他地域でも応用可能
多くの軽トラ市は、地元商店街の活性化や再生を目的として始めるケースが多いです。
<人口が減少している地域でも可能>
戸田教授ゼミの調査によると、軽トラ市を行う商店街の規模は50店舗以下が大半で、近隣型商店街(最寄り品中心)の類型に該当します。
2021年度商店街実態調査(中小企業庁)では、近隣商店街の空き店舗率の平均は14.3%でした。軽トラ市を行っている商店街の空き店舗率は2割を超えるところが過半数で、平均的商店街より衰退傾向にあることが示されています。
三大軽トラ市は、それぞれ人口は岩手県雫石町が約1.5万人、愛知県新城市が約4.3万人、宮崎県川南町が約1.5万人と、人口規模が小さい地域で行われています。人口が減少する時代で、小規模な地域での成功例は、他地域でも応用可能なものといえます。
<まちづくり活動の試行錯誤を経て>
調査やヒアリングより分かったことですが、軽トラ市はまちづくり人材が始めるケースが多く、そこも面白い点だそうです。軽トラ市は何かといえば、「まちづくりの手法」であると、戸田教授は言います。
まちづくりでは、長く継続できない事業もある中、コストがかからず即効性があること。また地域の人が関わりやすく、続けやすい仕組みでもあるため、まちづくり事業を進めていく中で、軽トラ市にいきつく例が多く見られるそうです。
3.印象的な事例/軽トラ市の発展形
軽トラ市の出店者はバリエーションが豊富で、特に多いのは食に関する店舗です。軽トラに野菜や果物を積んで売る店舗、地場の魚を売る店舗、特産の食品や調理品などを扱う店舗などです。アクセサリーや衣類も定番的な店舗です。郵便局などの公的機関の出店や学生の教育機会として中学、高校、大学の活動もあります。
軽トラ市から生まれる異業種のコラボ、新事業展開は非常に多く、把握しきれないくらいだといいます。連携だけでなく、軽トラ市は次のステージに進んでいます。戸田教授に伺った、印象的な取組についてご紹介します。
①エリアブランディング
軽トラ市でエリアブランディングを行う試みが、ジャパンモビリティショーで試験的に行われました。奥三河の東栄町(とうえいちょう)には、雲母(うんも)の鉱山があります。三信鉱工株式会社という企業のみで採掘される雲母は、絹雲母(セリサイト)という粒子の細かいもので、欧州や日本の最高級ファンデーションの材料として使われていますが、あまり知られていません。
そこで、地元のコスメのスタートアップ企業と連携し、デザインされた軽トラック1台を東京会場に配置。企業の担当者は東栄町にいて、リモートでコスメの実演を行いました。
地域ブランドを代表する軽トラが集まれば、かなり強力な地域ブランディング事業になりえます。全国各地のローカルブランドを、東京から世界へ発信するきっかけになるような試みといえます。
②外国人共生の場づくり
愛知県新城市の軽トラ市では、外国人共生を進めています。同市は外国人へのサポートが充実しており、転居してくる外国人もいるそうです。
2024年4月、同市の軽トラ市では、国際交流フェスが開かれ、フードブース設置や多彩なイベントが行われ、近隣の市町村からブラジル人だけで100名以上が参加し、7月には常設の国際交流カフェがオープンしました。
そのほか、商店街の空き店舗に入居したベトナム食材店が軽トラ市に参加したり、屋台を出していた建設会社のスリランカ従業員が軽トラ市に出店する事例も出ています。
軽トラ市は開放的な雰囲気で壁を感じにくいので、一緒に食べる、一緒に過ごすことで、心理的なハードルを下げる効果があります。軽トラ市での交流を入口に、外国人共生の場づくりとなっている事例といえます。
③観光型軽トラ市
岐阜県下呂市では、観光客を対象にした軽トラ市を行っています。下呂は日本三名泉ともいわれる温泉のまちです。旅館街は飛騨川の両岸に広がっており、軽トラ市は観光客が視認できる河川敷で行われています。飛騨牛を使った料理を提供する店もあります。2024年開始したばかりのため、今後更に磨き上げられていくと思われますが、地元の人と観光客が交わる新たなタイプの軽トラ市になることも期待されます。
④分身ロボットOriHimeとの協働 実証実験
OriHimeは人型の分身ロボットです。「パイロット」が、遠隔からOriHimeを操作します。 OriHimeを遠隔操作するパイロットは、遠方の居住者をはじめ、障害、難病を抱える等の社会に出ることができない人です。
2024年7月に新城の軽トラ市で分身ロボットと触れ合う実証実験を行いました。戸田教授は「軽トラ市=可動商店街=まちと考えると、軽トラ市の中でも社会包摂的に色々なことが起こりうる。そうしたことも軽トラ市に組み込んでいく必要があり、OriHimeの実証実験は非常に象徴的な事例と考えている」と述べました。
⑤軽トラ市の発展形 「つなぐ」試み
全国ネットワークを活用し、軽トラ市相互をつなぐ試みも行っています
戸田教授のゼミの学生が、同日に開催される複数の軽トラ市をオンラインで繋いで取材し、地域ごとの魅力を伝えるものです。昨年度のジャパンモビリティーショーでは、ビッグサイト構内に全国各地域から出店している軽トラ市を取材して回り、YouTubeで配信しました。
自工会の軽自動車委員会の事業でも、「リモート軽トラ市」を行っており、2024年6月の軽トラ市では愛知県新城市と宮崎県川南町を繋ぎました。事前に双方の商品を送っておき、リモートで接客して販売するものです。相互の購買や観光拡大を目的としています。
このように、各地域単体で軽トラ市が運営される段階から、軽トラ市同士が繋がり、またさまざまなテーマが軽トラ市にもたらされ、新たな価値をつくるステージに来ています。
4.軽トラ市の人材育成/地域人材のプラットホーム
軽トラ市の開催には、運営側も顧客側も含めて、地域の多くの人が関わっています。主に商工団体や商店主ですが、まちの商業者だけでなく、地域の生産者、住民、行政なども集まる機会です。企業の人も参加し、さまざまな人材が集まる・出会える場という点では、類を見ないものです。
地方で、毎月何千人もの人が定期的に集まるプロジェクトはあまりないといえます。まさにオープンのお祭りを継続しているため、そこには先ほど紹介したような、色々なテーマが持ち込まれてきます。テーマが増えれば、それに関連して人材が巻き込まれていくため、軽トラ市は「地域で活動する人材のプラットホーム」となっています。
<まちづくりのカリスマに頼らない運営、綿密な役割分担>
また、軽トラ市は人が動く仕組み、役割分担が綿密だという点も特徴的です。新城市の例でいうと、「運営本部」「車両配置」「取材対応」などといったように、役割を分散しています。大きな規模のプロジェクトを恒常的にどう動かすかという視点で、特定の個人に寄りかからない方法です。
まちづくりのカリスマが率先して動くのではなく、「やりがいを分散している」点が非常に賢いと、戸田教授は指摘します。軽トラ市を開催する際は自動車企業や地元のディーラーも協力します。そうした企業の人から見ても、「軽トラ市運営側のマネジメント力はすごい」と言われるそうです。
カリスマが指導して広げるのではなく、軽トラ市から軽トラ市が生み出される仕組みになってきています。全国ネットワークがあるため、拠点となる軽トラ市で運営方法を学べ、周辺地域の軽トラ市のサポートもあり、地域では自動車企業からも立ち上げサポートがある。これらは軽トラ市における人材育成の特徴といえます。
<学生が取り組みやすいまちづくり活動>
軽トラ市は学生の学びにもなる、学生でも取り組みやすいまちづくり活動です。販売や商品開発だけでなく、先述のような地点と地点を結ぶインタビュー等は社会学系の学びになります。外国人共生や社会包摂などのさまざまなテーマがあり、多分野の人材が関与できるということは、分野横断的な学生の繋がり、学びにもなるといえます。
5.軽トラ市の展望 (まちが活きる可動商店街)
日本の人口が減少する中、スマートな縮減に向けた在りようを持つことは大事だと戸田教授は語ります。コンパクトシティだけではなく、どのような像が示せるか。知恵や技術を使って、縮減社会をどう作れるか考えたとき、軽トラ市の「可動」はかなり重要な手段となりえます。
<軽トラ市が地域活性化に果たせる役割~固定・可動・仮想のベストミックス>
人口・経済が縮小していく縮減社会において、固定的な都市機能は限界ともいえます。一方でデジタル化の進展によりネット購入やバーチャル(仮想)店舗が一般化しつつあり、固定店舗の維持は困難になっています。
地域の賑わいのためには、バーチャルだけでない「人と人のリアルのつながり」は重要です。固定のまち、仮想のまちとともに、空間が動く「可動のまち」を加えて、地域により「固定・可動・仮想のバランスをとったベストミックスを考える」ことが、これからのまちづくりに有効な考え方だと、戸田教授は考えています。
いまは比較的小さなまちで行われる軽トラ市ですが、今後都市部でも必要になるかもしれません。高齢単身、独居が増えていく中、都市型軽トラ市はまちづくりの仕組みになりえます。
<輪島朝市の復興に向けた軽トラ市の活用>
令和6年能登半島地震で、石川県の観光名所輪島朝市は壊滅的な被害を受けました。現在、輪島朝市の復興に、軽トラ市を活用する取組も検討しています。石川県軽自動車協会からは出張朝市で使えるよう軽トラック2台を寄贈しました。
また、全国軽トラ市でまちづくり団体連絡協議会と愛知大学が主催し、当初8月に輪島モデル軽トラ市を実施の予定でしたが台風で開催できず、9月4日に輪島高校と仮設住宅近隣で開催しました。協力軽トラ市からの名産品の無償提供を通じて、軽トラ市の理解や被災地寄付につなげる試みです。
(輪島モデル軽トラ市の様子/輪島朝市のデザインカラーであるオレンジ色の軽テン(*)が目を引く)
現在(取材時)、輪島朝市は出張朝市の形態で行っているため、まずは朝市の人に建物の復旧を待たずに行える軽トラ市方式を知ってもらいたいという考えです。
*スズキの軽トラ用テントの「軽テン」は、戸田教授のゼミ生が名づけました。
日本の商店街の数は現在約12,000強あり、その1割の約1,000地域まで軽トラ市が広がれば、商店街の中で可動商店街という考え方が一般化できると、戸田教授は考えます。輪島朝市復興支援の過程で、軽トラ市の理解が更に広がるかもしれません。
<軽トラ市3.0へ向けて>
「仮に例えるとしたら、従来の個別軽トラ市が1.0として、それらが繋がりネットワーク化され新たな価値がつくられる段階が2.0、社会変革を対外的に発信してゆく段階が3.0」と戸田教授は表現し、今はもう2.0の段階に来ています。
原型の1.0が完成されているからこそ、色々なパターンの展開が期待されます。「拠点の軽トラ市で学んで、どんどんやってみたら良い。軽トラ市はまちづくりのために行っているので、どこでやっても良いといえる。例えば大学で軽トラ市をやってみたら、図書館やカフェテリアをオープンな空間として使える。学生と地域住民の交流に繋がり、誘発される。」(戸田教授)。
このように、地域や人の持続的な発展に向けて、軽トラ市が活躍できるフィールドや役割は広がっています。
これまで見て来た通り、軽トラ市から新たな軽トラ市が生まれるなど、成長の仕組みが出来上がっているので、地方の小都市だけでなく、大都市での展開も見込まれます。
デジタル化が進展する中で、軽トラ市により、各地域が固定・可動・仮想のベストミックスを考えていけます。さらに、可動商店街は、地域生活維持のための活用が想定されるほか、災害といった非常時に対しても有効です。一方で、可動商店街の最大の弱点はエネルギーです。過疎地域ではガソリンスタンドが減っており、車のエネルギー問題は大きな課題ですが、再生可能エネルギーを活用するプロジェクト等が軽トラ市に参画する可能性もあるそうで、そうした企業とのつながりも今後期待されるところです。
(取材を終えて)
戸田教授は広域地域計画の研究を専門とし、三遠南信の地域づくりに40年以上携わってこられました。県境を越えると行政単位では共通政策を取りにくいため、県境を越えた地域づくりのためには、地域特性を表す事業が必要だと常々考えていた中、軽トラ市に出会いました。軽トラ市が三遠南信地域に集積する自動車産業と農業に繋がり、県境を越えて動くことができる事業である点に強く引き付けられたそうです。
軽トラ市を研究したのは、県境をまたぐ事業、全国にいきわたるプロジェクトであり学生も参加できる事業だったことが発端ということですが、研究者としての目線が入り、軽トラ市の取組が客観的に可視化されたことは、軽トラ市に携わる人にとっても、大きなメリットだったのではないかと感じました。
今回、軽トラ市を学術面から考察し、軽トラ市を実践してきた人々の巧みな取組や軌跡、自動車業界の取組や将来展望をまとめた書籍『軽トラ市 —まちが活きる可動商店街』が出版されました。
軽トラ市は人口減少が続く地方でも、持続可能な可動式商店街としての可能性を秘めています。地域活性化のための取組に、自動車企業や研究者の広域の視点が入ることで、軽トラ市2.0まで進化してきたといえます。
今後も多面的に展開していく中で、軽トラ市がどのように発展するのか、地方活性化にどのように寄与していくのか、期待されます。