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コロナに負けるな!助け合いマルシェの実施(埼玉県秩父市)※この活動は緊急事態宣言前のものです。

コロナに負けるな!助け合いマルシェの実施(埼玉県秩父市)

 経済活動に甚大な被害をもたらしている新型コロナウイルスは、飲食店を始めとした中小小売店にとって死活問題となっています。そのような状況下、埼玉県秩父市では被害を受けている小売店の販路拡大策として「助け合いマルシェ」を企画・実行しています。
 本日は「助け合いマルシェ」について報告させていただきます。



【経緯】
 「助け合いマルシェ」は秩父地区の小売業の影響を目の当たりし、このままでいいのか、地域活性化のためにも何かできないか、という観点から秩父市商工会議所副会頭であり、秩父市商店連盟連合会 会長である島田憲一氏を始めとした地域有志でのプロジェクト(コロナに負けるな!助け合いマルシェ実行委員会)です。
 内容としては、被害を受けている飲食店を中心に、ワンコイン(500円)テイクアウトメニューを提供いただき、毎週火曜日に実施するマルシェに出店、マルシェでの売り上げに加え、出店者がテイクアウトメニューを開発することにつながる、テイクアウトができることをお客様に知っていただける、などの効果があります。
 飲食店だけでなく、キャンセルされてしまった地元農作物なども店頭に並びます。


 島田会長をはじめとする有志の実行委員会では、チラシ作成から広報、チケット印刷など全てボランティアで行っているとのことです。

(助け合いマルシェチラシ)
(助け合いマルシェチラシ)

【運用方法】
 マルシェを開催するにあたり、力を入れなければいけないのが感染予防対策です。
 「助け合いマルシェ」では対策に非常に気を使われています。
 まず、人と人との接触を減らす策として以下を実施しています。
 ・接触を極力少なくするための事前説明を念入りに行い、お客様に理解いただく。
 ・出店者は商品の納品のみを行い、注文や受け渡しは少人数の実行委員で行っている。
 ・ワンコイン(500円)均一にすることによってお釣りなどの受け渡しを軽減させる。
 ・人が集中しないように間隔をあける。
 ・メニュー展示、注文は風通しの良い外で、商品の受け渡しは建物内(食品衛生法上)で行う。(建物内での滞留をなるべく短くする。)
 ・お客様に対し、アルコール液の活用を積極的に行う。




(店頭の準備の様子)
(店頭の準備の様子)
(間隔をあけて応対。多くの方が間隔をあけて順番を待っています。)
(間隔をあけて応対。多くの方が間隔をあけて順番を待っています。)
(地元農産物も出店、あっという間に売り切れました。)
(地元農産物も出店、あっという間に売り切れました。)
(建物内での受け渡し場所。建物内での滞留を極力抑えています。)
(建物内での受け渡し場所。建物内での滞留を極力抑えています。)

【効果】
 毎週火曜日の午前中からの販売ですが500個以上用意した商品が完売し、準備する数も毎回増え続けています。SNSなどの口コミで噂は広まり、職場のお昼などで大口購入される方も少なくありません。また閉塞的な環境の中でこのマルシェに出向くことで地元の方々との距離を保ちながらのコミュニケーションも図ることができています。



【今後のビジョン】
 島田会長曰く、「テイクアウトの存在を知ったお客様がそのお店に直接買いに行くことなどで、いずれはこのマルシェもフェードアウトすることが望ましい。」とのことです。
 一方で、まだまだ収束が見えない状況においては地域の多くの方々に理解をいただき、違った形でのマルシェも模索されています。

 ボランティアである実行委員の方々、買い物に来るお客様は笑顔が多く皆楽しそうでした。厳しい時だからこそ地域の活性化に向けた活動を行うという姿は元気と希望をいただけます。その姿勢を学ばなければならないと考えます。
 




【秩父市について】
 秩父市は、埼玉県の北西部にあり、面積は577.83平方キロメートルで、埼玉県全体の約15%を占めています。都心まで約60~80キロメートル圏、さいたま市までは50~70キロメートル圏に位置し、周囲に山岳丘陵を眺める盆地を形成しています。市域の87%は森林で、その面積は埼玉県の森林の約40%を占めています。ほとんどは秩父多摩甲斐国立公園や武甲・西秩父などの県立自然公園の区域に指定されており、自然環境に恵まれた地域です。また、市の中央を流れる荒川は、秩父湖、秩父さくら湖などのダム湖を形成しています。この川によって市の中心部は東西に区分され、東部の平坦部分は市街地を形成し、商店街、住宅地などが集中しています。西部丘陵地帯にある平坦地は、水田など農業用地が多くなっています。

 秩父の歴史は古く、旧石器時代後期の約1万6000年前の遺跡が出土しています。
西暦708年に秩父で自然銅が発見、朝廷に献上され年号を「和銅」と改元し、日本最初の流通貨幣「和同開珎」を発行したことでも知られています。今では和同開珎を模した記念コインが秩父の貨幣形商品券として流通しています。

 また秩父では秩父神社や秩父三十四箇所(札所)など神社寺院も多く歴史を巡る観光客が多いことも特長です。

 文化面では日本三大曳山祭である秩父夜祭が有名で、最近では秩父を舞台にした「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」といったアニメがヒットしました。今では全国のアニメファンが集う聖地としてにぎわっています。

 食の面では「みそポテト」や「わらじかつ丼」などのB級グルメや蕎麦、しゃくし菜漬けなどが有名です。