まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
手作りの基本計画で「どん底」から再生 !(株式会社楽市白河)2
特徴的な組織作り
過去の失敗は基本計画策定だけでなく、組織体制にも活かされています。白河市中心市街地活性化協議会は「1.明確な役割分担による責任の明確化」「2.意思決定を行ないやすくするための組織構造」を基に積極的にまちづくりを推進しています。
1. 明確な役割分担
基本計画を自らの手で作成していく過程で、行政・商工会議所・まちづくり会社のそれぞれが得意分野を活かし、まちに寄与することを意識しました。それにより役割分担がなされ、責任も明確になりました。
- 楽市白河ハード事業を含む「デベロッパー」的機能を担うまちづくりの主体としての役割
- 白河商工会議所イベント企画運営を通して街なかに人を誘導すること、新規事業支援を行なうなどの役割
2. 意思決定を行ないやすくするための組織構造
白河市中心市街地活性化協議会の全体会の下部組織は、市街地整備や都市福利施設など7つのワーキンググループと、これとは別に意思決定機関として「タウンマネージメント会議」があります。
計画遂行にあたり、「タウンマネージメント会議」が大きい役割を果たしています。会議のメンバーは白河市、白河商工会議所、株式会社楽市白河の3者を中心に、必要に応じて各種団体を召集する形式を採っています。会議中、「できない理由」ではなく、「どうすればできるか」を意識し、腹を割って話すことで、一致団結の事業推進体制を構築しました。この会議は事業の目途がつく5年の間、週に1度行われました。また、この会議の内容は市長に報告され、事業停滞時などはフォロー体制をすぐに構築できるようになっています。
つまり、白河市は、各自の得意分野を活かし役割分担を進めつつ、タウンマネージメント会議において事業関係者に横串を刺すことで協力体制を構築したと言えます。
楽市白河はこのような経緯を経て、次のような収益性が高い事業や社会公益性が高い事業を展開しています。