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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

「食」の持続可能性確保と表裏一体で進める中心市街地活性化03

4.取組みの効果

リニューアルオープンして未だ2ヶ月弱のため、効果について詳細に言及することは出来ませんが、幾つかの“変化”を確認することが出来ます。今回のリノベーション事業では“二王座歴史の道”に面した壁を撤去して通り抜けを可能にしたため回遊性の向上が図られました。中庭のにぎわい広場に面して置かれているベンチには下校時に立ち寄った高校生が談笑する姿も見られ、これまではあまり見かけなかった光景に立ち寄る人の層も変わったという印象を、石橋さんは受けています。地魚レストラン“うすき魚心”の目玉は“地魚バイキング”です。豊後水道・臼杵で一本釣りされた天然鯛、アジ、サバ等の刺身、寿司、カルパッチョ、地魚フライ等がずらりと盛られた皿から、客は自分が好きなものを取って食べます。お好みの刺身で海鮮丼を作ることもできます。店内にはフカ(サメ)が泳ぐ水槽があり、捌き立ての新鮮な“フカの洗い”は話題の逸品になっています。昼間は地域の主婦グループや高齢者層の他、観光客で賑わい、夜間は予約制ながら滑り出し好調で、臼杵の「食」を通した賑わいの創出とコミュニティ活性化のサーラ(居間)として新たな息吹が芽生えています。“臼六オープンラボ”の稼働率も好調で生産者はもとより、地域の婦人グループや飲食業者が使用する機会が増えています。サーラの取組みは生産者だけではなく、飲食業者も巻き込んで臼杵の農水産物の付加価値を高め、市民や消費者へ浸透させる流れが生まれつつあり、売れる新商品の早期開発に期待が掛ります。

5.今後の課題

オープン後直ぐに、関係する機関と実行委員会を組織して“ほんまもんの里・うすき旬食フェスタ”が開催されました。サーラでは「もっと食べよう臼杵の魚」と題して大人の食育講座を開催しました。まちづくり臼杵ではリノベーション事業の効果を引き出すために、関係者とのネットワークを更に強化して、ソフト事業の質、内容、頻度を高めていくことが課題となっています。また、“臼六オープンラボ”からヒット商品を生み出せるよう商品化、販路開拓に際してのきめ細かい支援も必要と考えています。

石橋さんは現在も並行して協力隊の活動をしています。県内の協力隊が一堂に会して活動発表や情報交換を行う等、協力隊としては全国的にも珍しい取り組みを行っています。“よそ者”の協力隊は時として孤独に苛まれることもあり、それを克服するために横で繋がろうと、石橋さんが声掛けをしたのが始まりでした。その動きは九州一円の協力隊を巻き込んだ九州サミットの場にも引き継がれ、JR博多駅で熊本地震復興支援のための物産店開催に至りました。今後も協力隊の横の繋がりを活かして、各々の地域の農水産物の情報を共有し、味を知り、売れ残り解消のための活動を“臼六オープンラボ”で試みることを考えています。