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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

八戸ポータルミュージアム 1周年で888,888人来館! 青森県八戸市

ポイント

  • 中心市街地、八戸市全体の活性化へ向けた取組
  • 市の玄関口としての、新たな交流と創造の拠点
場所:
青森県八戸市
人口:
24万人
分類:
【交流施設】
協議会:
あり
実施主体:
八戸市
支援策:
まちづくり交付金(国土交通省)
参考URL:

1.まちの概要

はっち外観

(1)規模・人口

八戸市は青森県南東部に位置し、水産都市と工業都市の性格を有した県下第2の都市で、人口は約24万人(平成24年4月末現在)です。

(2)交通アクセスなど

 平成14年12月東北新幹線「はやて」が八戸駅まで延伸開業し、東京からの所要時間は約3時間です。

(3)現状と課題

商圏人口は、隣接する岩手県北東部等周辺町村を含み63万人です。中心市街地は、八戸市のほぼ中央に位置し、行政、金融、商業等の機能が集積しています。しかし、大型店舗の移転・撤退による集客力の低下に伴い、歩行者通行量の減少が進んでいます。また、定住人口の減少も重なり、中心部の賑わいが失われつつあります。

平成20年7月に、「八戸市中心市街地活性化基本計画」が国の認定を受け、現在行政と市民が一体となって、賑わいあふれるまちづくりに取組んでいます。

2.中心市街地活性化への取組

(1)これまでの取組

八戸市中心市街地活性化基本計画に基づき市民、行政が一体となり、様々な事業に取組んでいます。

  • 八戸ポータルミュージアム 愛称「はっち」の建設
  • はちのへホコテンの開催
  • 本八戸駅通り地区の整備
  • 借上げ市営住宅「番町ヒルズ」の整備(まちなかの市営住宅)
  • おんでカード(共通駐車券)の発行
  • バス路線共同運行化事業(市営バスと民間バスの時間、路線の調整)
  • 市日(いちび)の開催
    これ以外の事業にも積極的に取組んでいます。 (参考URL参照) 別ウィンドウで開きます

(2)活性化の取組(「はっち」オープン)

平成23年2月11日、新たな交流と創造の拠点として、賑わいの創出や観光・地域文化の振興を図ることで、中心市街地・八戸市全体の活性化を目指してオープンしました。
施設の事業として、

  1. 会所場(誰でも気軽に立ち寄れる場所)づくり
  2. 貸館事業
  3. 自主事業

を3つの柱としました。
  地上5階建てのフロア構成は、
  1階 八戸の魅力発信 (イベントスペースを中心にカフェ、ショップ、地元FM局)
  2階 八戸の自然と暮らしを見つめ、体感 (シアター、ギャラリー、展示ブース)
  3階 八戸の人と街の発展を見つめ、和の粋をたしなむ (和のスタジオ)
  4階 八戸の子供たちに夢を与え、街を元気に (こどもはっち、食のスタジオ、インキュベータ支援機能をもつものづくりスタジオ)
  5階 八戸の眠らない創造空間 (共同スタジオ、レジデンス)
  となっています。

はっち内部

3.取組の効果と今後の課題

平成24年2月11日 オープン1周年 888,888人来館!
当館のコンセプトは、「はち」にこだわり、八戸の資源、魅力を市民にもっと知ってもらうことです。そのコンセプトが至る所に工夫されています。 

そして迎えたオープン1周年、来館者数が見事に「八」並びとなりました。
平成24年5月時点で来館者数は100万人を突破しており、まちなかのにぎわい創出が図られ、「はっち」のオープン効果が発現しつつあります。
こうした成功は、次の取組みがあったからといえます。

【イベントスペースの盛況】
1階イベントスペース

1階の正面玄関すぐ横に、普段は利用者がゆったりとくつろげるスペースがあります。 通りからもガラス張りで中が見え、からくり時計が配置されたその場所は、様々なイベントに利用され、まちの顔として、市民が集う場所となっています。

【まちの元気を失いたくない】

オープンからちょうど1か月後に東日本大震災が発生しましたが、当館は震災後も休館することなく、避難者を一時受け入れるなど、まちの顔として機能を十分発揮しました。

【関係者の努力】

当初はいわゆる箱モノ批判も少なからずあったものの、順調に運営は推移しています。
それも、支えるスタッフの努力、苦労があってこそです。
館内利用のピーク時は、スタッフ総出で準備に駆り出されることもしばしばあり、日々運営に奔走しています。

今後は、更なる集客へ向けて、リピーターの取込みが課題といえます。

4.関係者の声

市民交流の場

平成24年度が中心市街地活計化基本計画の最終年度にあたります。
そこで行政側に声を聞いたところ、24年度の目標値達成に向け、力強いコメントがありました。「従来からの商店街の取り組みに加えて、はっちのオープンが、通行量の増、新規出店を促し、民間開発の流れも生んできた。この流れを止めずに、加速させていきたい。そして、地元、市民と連携して中心市街地そして八戸市全体の活性化へ繋げていきたい。」

5.取材を終えて

今回の取材を通して、地域、中心市街地の活性化には、市民、行政が一体となり、地元を愛して、地元の魅力をもっとよく知って、地元にしっかり根付いた活動が必要であると思いました。
そういった意味では八戸の取組、地元への想いは、非常に熱の入ったものを感じました。
ぜひとも八戸市に足を運んで、その魅力、資源を、観て、感じてください。「888,888人」は偶然ではないと思います。「八」に愛着を持ち、まちの元気を取り戻したい、そんな市民の皆さんの強い想いが、この結果をもたらしてくれたのではないでしょうか。
より進化した八戸にまた訪れる事を楽しみにしたいと思います。

<取材日H24年5月>