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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

黒崎の商店街の新たな核施設「スイーツの駅 96cafe(クロカフェ)」

ポイント

  • 「スイーツ」に特化したチャレンジショップで、集客に成功。
  • 新たな客層・回遊を生み出し、周囲への波及効果が期待される。
96cafe
場所:
福岡県北九州市黒崎地区
分類:
【空き店舗・空きビル】【商業施設】【人材育成】
人口:
98万人
協議会:
あり
実施主体:
北九州市黒崎地区中心市街地活性化協議会
参考URL:

http://ameblo.jp/96cafe/ 別ウィンドウで開きます


まちの概要

規模・人口

 福岡県北九州市は、関門海峡をはさんで山口県との県境に位置する政令指定都市で、人口は約98万人です。その中で黒崎地区は小倉地区に次ぐ副都心として位置付けられています。

交通など

 黒崎地区の中心となるJR黒崎駅は、市の都心であるJR小倉駅から在来線で15分程度、九州一の都市である福岡市のJR博多駅まで特急で40分程度に位置しています。また、筑豊電気鉄道のターミナル駅も隣接、交通の結節点となっています。駅前には放射線状に商店街が展開しており、96cafeは、駅前から続く新天街アーケードの出口部分にあります。

現状

 近年、郊外大型店の出店などの影響により、駅前商店街を含む中心市街地の小売商業は衰退しています。特に、黒崎駅周辺は、中心市街地の大型店の閉店が相次ぐなど、同じ北九州市の小倉地区などと比べても衰退が著しい状況です。

まちの取り組み

事業内容

96cafe内

 黒崎商店街内の空き店舗を活用した「集客・回遊の拠点」、「若手起業家の育成拠点」として、経済産業省の戦略的中心市街地商業等活性化支援事業費補助金を利用して平成21年11月1日に施設をオープンしました。
 メインとなる6店舗のチャレンジショップの他、休憩所としても利用できるイートインスペースや多目的トイレ、授乳室を備えた地域の交流拠点としての機能も備えています。
 また、同ビルの2階には、中心市街地活性化協議会やまちづくり会社の事務所を設置し、まちづくりや商業支援に関する相談に応じたり、貸会議室も設置して市民やNPOなどに利用してもらうなど、情報拠点としての機能も併設しています。
 さらに、96cafeの隣には黒崎連合商店街振興組合が黒崎商店街の賑いづくりの拠点となることを目指した「イベントスペースKUROSAKI」を設置して、物産展をはじめ2週間程度で様々なイベントを仕掛けており、96cafeを中心として新たな「まちの拠点」が形成されています。

96cafe

具体的な方法

スイーツ5店舗の看板

 最長2年間の期間を設けて、スイーツ・カフェの開業希望者に基本的な厨房設備を付帯し、安価な家賃で店舗を提供するチャレンジショップです。現在、6店舗中5店舗が和・洋スイーツの製造・販売を、1店舗がカフェを営業中です。
 出店期間終了後に黒崎地区の空き店舗で出店する意向がある人のみが審査の上、採用され、上記の安価な家賃以外にも、個別の設備投資の補助制度やイベント実施による販促支援、経営・税務・財務・販促・マーケティングなど様々な分野の専門家による無料コンサルティングや先輩パティシェなどによる技術指導を実施し、黒崎の今後を担う起業家育成としての面にも力を入れています。

取り組みの効果

 今まで通りで見かけられなかった若い女性層、子供連れが多く見かけられるようになりました。イベントなどで一番集客があった日には300人を超えるお客様が訪れています。その効果は、ターゲットを同じくする近隣の他の店舗が96cafeと定休日を併せるようになったり、96cafeに近い商店街内の空き店舗が最近相次いで開店し、周囲への波及効果が見え始めているところです。
 また、早くもチャレンジショップから独立開業へ向かう話が出始めるなど、起業家育成としての目標に向けても順調に進んでいます。

オープニングイベントとクリスマスイベント

今後の課題

 96cafe前にある駐車場に車を止め、96cafeに寄った後帰ってしまうというお客さんも多く、まだまだ96cafeの集客力を地域全体で活かし切れていないところがあります。少しずつ表れてきている周囲への波及効果をどのように広げていくか、特に商店街の既存店舗との連携をどのように進めていくかが課題です。
 また、チャレンジショップを出て、黒崎地区に独立開業する方を増やしていくという本来の目的達成へ向かっていくのはこれからですので、まだまだ色々な仕掛け・フォローを行っていく必要があります。

関係者の声・まちの声

 来店者からは「明るい店で周囲がパァと明るくなる。」、「街に休憩スペースや喫茶店も少なくて、休むところがなかったので助かります」、「中心市街地にトイレが出来て安心して街に出かけられます」と言った声が上がり、商店街のイメージアップにつながる施設となっている様子。
 また、関係者からは「若いチャレンジャーが頑張っているので我々もやる気になる。全てのチャレンジャーが黒崎で本格オープンできるよう。商店街も最大限の支援をしたい」との声があり、96cafeの集客力を生かした今後の新たな展開が楽しみです。