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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
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都市再生推進法人Webセミナー(8/11)

2020年8月11日、青森県の八戸市中心市街地活性化協議会に向けたセミナー型支援として「都市再生推進法人Webセミナー」を開催いたしました。


 都市再生推進法人指定を目指す八戸市中心市街地活性化協議会に加え、当日は100名近くの視聴者参加のもと、3名の登壇者からのお話と質疑応答が行われました。登壇者は以下の通りです。

1.まちづくり福井株式会社 代表取締役 岩崎正夫様(福井県福井市:2013年都市再生推進法人指定)
2.株式会社街づくりまんぼう 街づくり推進課長 苅谷智大様(宮城県石巻市:2020年都市再生推進法人指定)
3.国土交通省 都市局まちづくり推進課 企画専門官 塚田友美様

ナビゲーター :中小機構 久場中心市街地サポートアドバイザー
コーディネーター ;中小機構 石上中心市街地サポートアドバイザー

【各講師からの説明】
1.まちづくり福井株式会社 代表取締役 岩崎様からは、「都市再生推進法人制度をつかったまちづくり福井の取組み」をテーマに、2013年指定から実施してきたことなどの経験を中心に以下の説明がありました。
  
  ・都市再生推進法人指定と中心市街地活性化基本計画への記載
  ・まちづくり福井株式会社と福井市による都市利便増進協定の締結
  ・都市再生推進法人としての役割
  ・都市再生推進法人のメリット・デメリット
  ・今後の取り組み予定

 岩崎氏の話は、都市再生推進法人指定について、まちに来ていただいた方にできるだけ長く滞在していただく、お金を使っていただく支援ができないかをまちづくり会社でできないかを検討する中で繋がったことであり、指定にあたっては、今まで協議してきたこともあり福井市が全面協力していただき平成25年に指定となった、というきっかけの話が最初にありました。
第二期中心市街地活性化基本計画にも都市再生推進法人としての事業を盛り込み推進する中においては多くの課題に直面し、関係各所に都度あつまっていただきながら丁寧に説明し了解を得て信頼関係を築きあげてきたとのことです。都市再生推進法人としての大きなメリットの一つとして、煩雑な申請作業をまちづくり福井㈱が担うことがあります。許可する行政側からは信頼できるまちづくり福井㈱が責任を持ってくれるなら、といった信頼から許可を出しやすくなる、使用する側にとってはまちづくり福井㈱に申請書1枚出すだけで許可がおり、再度の使用や新たな使用者の口コミに繋がることで使用促進につながる、など双方のメリットとなることを挙げられていました。
 今後のビジョンとしては、住む人にも働く人にも魅力的なエリアにしていく必要があり、商業エリア、福井城址周辺エリア、足羽川河川敷エリア、飲食街エリアの各エリアにエリアマネジメント的取り組みも入れながら中心市街地全体としての魅力の幅を広げていきたい、との話がありました。




都市再生推進法人としての役割(まちづくり福井株式会社)
都市再生推進法人としての役割(まちづくり福井株式会社)
都市再生推進法人のメリット・デメリット、および課題(まちづくり福井株式会社)
都市再生推進法人のメリット・デメリット、および課題(まちづくり福井株式会社)

 



2.株式会社街づくりまんぼう 街づくり推進課長 苅谷様からは「都市再生推進法人を目指した理由、指定のために取組んできたこと・その経緯と実際」のテーマで新たな「まちづくりの担い手」の登場など、都市再生推進法人指定を背景とした内容を始めとした説明がありました。
  
  ・都市再生推進法人としての活動内容
  ・推進法人の指定を受けたいと考えた理由
  ・都市再生推進法人の指定のプロセス
  ・都市再生推進法人としての今後の活動
  ・都市再生推進法人指定にあたっての学び

 苅谷氏の話では、現状石巻市では復興が進み、民間・公共施設等の整備は完了しています。
しかしながらその施設について、誰が、どのように運営していくか、十分な検討がされないまま完成を迎えた施設も少なくない現状があるとのことです。低未利用地も多く残っている一方、空き地を利用したチャレンジショップを企画運営する中で、新たな「まちづくりの担い手」がたくさんいることに気づきました。
都市再生推進法人指定を受けた理由は、まちづくり会社として将来的なまちづくりの担い手として覚悟を持つとともに、上記に挙げた多様な担い手を巻き込みながら公共的事業を担うことで経営の安定化を図り、この先起こりうる課題に対して前のめりで対応できるようにするためであり令和2年に指定を受けました。中活計画策定のタイミングとも重なり、中活事業に都市再生推進法人としての事業化が結び付いたとのことです。
 都市再生推進法人指定にあたっての学びとして、指定までのプロセスを通し行政とまちづくり会社が目指すべきまちづくりについて共有ができたというメリットがあったこと、中活を通しては商工観光振興などの産業系部局が窓口であったが、都市再生推進法人としては道路施設整備や公共交通土地利用などの建設系部局とのお付き合いが始まるなどまちづくり会社としてかかわる窓口が増えたことを挙げられていました。
 そして、何よりもまちづくり会社と行政との信頼関係がないと都市再生推進法人指定は成り立たないとのメッセージがありました。


石巻市が都市再生推進法人の指定を受けたいと考えた理由(株式会社街づくりまんぼう)
石巻市が都市再生推進法人の指定を受けたいと考えた理由(株式会社街づくりまんぼう)
都市再生推進法人としての今後の活動(株式会社街づくりまんぼう)
都市再生推進法人としての今後の活動(株式会社街づくりまんぼう)
都市再生推進法人指定にあたっての学び(株式会社街づくりまんぼう)
都市再生推進法人指定にあたっての学び(株式会社街づくりまんぼう)

3. 国土交通省 都市局まちづくり推進課 企画専門官 塚田様からは「都市再生政策と都市再生推進法人制度について」をテーマに、都市再生推進法人制度を中心とした制度の背景や施策、指定地域事例などを説明いただきました。

  ・都市再生推進法人の業務と要件
  ・都市再生推進法人の申請/指定のプロセス
  ・都市再生推進法人が活用できる制度
  ・立地誘導促進施設協定制度
  ・官民連携まちなか再生推進事業
  ・まちなかウォーカブル推進事業の創設(都市再生整備計画事業の拡充)
  ・都市再生推進法人による交流・滞在空間の充実化に対する金融支援
  ・官民連携まちづくりポータルサイトの紹介

 
 最後に開催地である八戸市中心市街地活性化協議会から株式会社まちづくり八戸の柳沢様より八戸市の取り組みを紹介いただき、登壇者に対し質疑応答などが行われました。

全体を通し、都市再生推進法人の制度から指定の目的、実際のメリット・デメリットなど、都市再生推進法人の指定について具体的でわかりやすい内容でありました。
今後も中小機構のセミナー型を活用し様々なテーマをもとにした配信を検討してまいります。