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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

アイデアを 「収益をあげる仕組み」 へ育てる地域の知恵と力

場所:
愛知県半田市
分類:
【イベント】【情報発信】
人口:
11.8万人
協議会:
あり
実施主体:
(株)タウンマネージメント半田
URL:

http://www.tmo-handa.co.jp/ 別ウィンドウで開きます


まちづくり会社の事業の多くは、なかなか収益が上げられず、悩みのタネとなっています。アイデアレベルの事業を「収益をあげられる仕組み」に構築し事業展開している株式会社タウンマネージメント半田(愛知県半田市)の活動をご紹介いたします。

株式会社タウンマネージメント半田(地元では、"ティーエムエイチ"と呼ばれています。以下、"TMH"とします。)は、旧中心市街地活性化法の下で、半田市の中心市街地の商業活性化を推進するタウンマネージメント組織として、平成11年10月に設立されました。設立当時から、積極的な事業を展開しています。まちづくりに関連する収益事業を立ち上げ、その収益をまちづくり活動に活用するというサイクルで運営されています。

半田市は、名古屋市の約30km南、知多半島のほぼ中央に位置し、知多半島の政治・経済・文化の中心都市として発展してきました。JR線および名鉄線、二つの鉄道が通っています。名鉄知多半田駅前は地域の商業機能を担い、かつては半田市内随一の商業地でした。しかし、現在では名鉄青山駅周辺(旧南成岩駅)へ繁栄が移りつつあり、知多半田駅前の商業は低迷傾向にあります。
平成18年春には再開発ビル「クラシティ半田」がオープン、平成20年3月には中心市街地活性化協議会が設立され、TMHもその構成員として、まちの活性化に取り組んでいます。

TMHによる事業立ち上げは、事業アイデアの話し合いから始まります。そして、そのアイデアに力(ひと)が集まり、事業が立ち上がっていきます。その事業は、必ず収益を確保できる仕組みを考え、構築しています。

"国民的キャラクター"を使ったグッズ販売

半田市では、毎年、春に市内各地区で「山車まつり」が行われます。3月下旬から5月3日・4日にかけて、市内の10地区ごと豪華な山車が勇壮に曳きまわされます。そして、5年に1度、各地域の山車すべてが集結して「はんだ山車まつり」(10月初旬の2日間)が行われます。

はんだ山車まつり公式認定グッズ

平成14年の第5回「はんだ山車まつり」のときに、初めて「キティちゃん」を使った公式認定グッズをTMHにて企画販売しました。国民的な人気の「キティちゃん」を使うことによって、まつり自体を盛り上げ、地域活性を図ろうとしたものです。31種類の山車ごとの半被を着たぬいぐるみをはじめ、シール・根付・ボールぺンなど全10種類をまつりの1ヶ月前から商店街の23店舗と合わせてインターネットでの販売を行いました。マスコミに発表した効果もあって、4600万円を売り上げることに成功しました。

第6回目の「はんだ山車まつり」は、平成19年10月に行われました。このときには、根付・ボールペン・プチタオルなどのキティちゃんグッズを、各32種を制作、販売しました。売れ行きは好調で、完売してしまったものもあります。

はんだ山車まつり公式認定グッズ一覧

これらのグッズ企画は、認知度のもっとも高い"キャラクター"を使ってはどうか?というアイデアから始まりました。TMHが中心となって、話し合った結果、国民的キャラクターは"キティちゃん"に決定。
かなりのロイヤルティがかかるため、失敗は許されません。 そこで、"キティちゃん"の採用前に、事前調査を行いました。

毎年行われる「山車まつり」のときに各山車のリーダーに"(ダッコちゃん型)キティちゃん"をつけて祭りに参加してもらい周囲の反応をうかがいました。キティちゃんは大変目立ち評判を呼び本採用となりました。決定した後も、キャラクターの版権をもつ会社との度重なる折衝に苦労しましたが、その甲斐もあって、この「山車まつりグッズ事業」は、TMH一番の収益源となっています。

本人にも、まちづくり会社にもポイントがたまる!「H&Aカード」

H&Aカード

平成18年度には、新しい事業として"街おこしポイント付きクレジットカード"事業と商品券発行事業を立ち上げました。クレジットカード(H&Aカード:H and Aで"handa=半田"です。)を使って買い物をすると、利用者には"eマイポイント"、まちづくり会社には"街おこしポイント"が積み立てられていきます。利用者は一定のeマイポイントを貯めると、TMH発行の"共通はんだ商品券"などに交換できます。また、まちづくり会社のこの"街おこしポイント"はTMHが行う地域環境整備などのまちづくり活動に活用されています。利用者は買い物をするとポイントが貯まり、また、買い物をするだけで"街おこし"にも貢献することになります。

半田ポイントカード事業図

「ウチも載せて!」効果絶大のチラシ・マップ企画制作

情報紙、イベント企画運営、チラシ・マップ企画制作による収入など広告代理業での収益もまちづくりに活かされています。
半田のまちづくり情報紙"月刊・どまんなか"を発行して既に6年になります。TMHが企画制作を行い、地域の新聞販売店の全面的バックアップのもと、中心市街地の全戸に配布をしています。また、地域のイベントとリンクさせたマップやチラシ企画制作も請け負っており、ここへ広告として地域の商店などを掲載しています。チラシ・マップの広告掲載に声を掛けられなかったというクレームが出るほど、イベント・チラシ・マップは集客効果のあるものになっています。

秋祭りパンフレット

まちづくりのシンボル 紅茶専門館"T's CAFE"

紅茶専門館 T's CAF?

また、「旧中埜家住宅(国指定重要文化財)」をTMHが所有者から借り上げ、紅茶専門館"T's CAFE"を営業しています。マスコミの取材を多く受ける観光スポットのひとつとなっています。ゆったりとした時間を格調高い空間で紅茶を楽しむことができます。商店街のシンボルであったこの重要文化財を、まちづくりに活用できないだろうか、という想いからこの紅茶専門館の事業が始まりました。この建物の再生は地域のひとたちの手作りで行われ、まちづくりのシンボル的存在でもあります。

まちづくりは楽しい!

TMHが中心となり、地域のひとびとの知恵と力を集めたまちの活性化事業を行うことによって、収益を上げ、その収益をまた、まちの活性化に活用するというサイクルを形成しています。また、地域のひとびと・企業・まち、それぞれにメリットがあり、活動に巻き込むことによって、まちづくり活動への参加の輪を広げています。TMHの収益は、公園や街路樹整備、バリアフリー促進、マップ・案内看板作成など、安全で快適なまちづくりに活かされています。

今回、取材に協力していただいたTMHの専務である柴田氏は、「アイデアが出てくると、誰彼と集まり、きゃっきゃっと楽しそうに(議論や準備など)やっていますよ。まちづくりの活動は、最初はアイデアでしかなかったことが実現し効果が出るという面白みがあります。まちづくりは楽しいものです。」と笑顔で語ってくれました。