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中心市街地活性化協議会支援センター

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まちづくり事例さまざまな市街地活性化課題解決のヒント
まちづくり事例

市民とともに創り 市民とともに展開する 中心市街地ビル再活用

場所:
長野県茅野市 茅野市こども館
分類:
【空き店舗・空きビル】【医療・福祉】
人口:
5.6万人
協議会:
なし
実施主体:
茅野市こども館
URL:
0123広場

http://www.city.chino.lg.jp/ctg/03030511/03030511.html 別ウィンドウで開きます

chukoらんど チノチノ

http://www.city.chino.lg.jp/ctg/07010051/07010051.html 別ウィンドウで開きます


ベルビア外観

まち中にポッカリ出現した空洞。大型店の中心市街地撤退は全国各地で問題化し、後継テナントの誘致にはどこも頭を悩ませていますが、市民のニ-ズ、市民の企画で再活用に成功した事例をご紹介しましょう。

長野県茅野市。人口5万7千人。八ヶ岳のふもとにあって、蓼科高原や白樺湖などの観光資源、精密機器などの工業集積にも恵まれたまちです。

中心市街地であるJR茅野駅前の大型商業ビル「ベルビア」から、核テナントが撤退したのは平成13年夏のことでした。商業施設だけで全館埋めるのは困難と判断した茅野市は、自ら6千m2の床面積を購入します。その活用策として浮上したのが「こども館」プランです。

茅野市では当時、「どんぐりプラン」というこどもと家庭を応援する計画を策定していました。それを実現する場「こども館」を、ベルビアにしようというものです。

皮切りは 0123広場

0123広場

「おいちにさんひろば」と読みます。平成14年1月、整備の第一号としてオープンしたこの施設は、その名の通り0歳~3歳就園前のお子さんとお母さんのための広場。


あそびの広場のほか、おやつやお昼寝、絵本を読んだり授乳するスペ-ス、子育て相談室もあます。子供だけでなく、親同士も交流できる場として好評です。
雨の日も利用できる貴重な遊び場として、月2千組近い親子の利用があり、その約4割は市外から来るとのこと。流入効果も生まれています。

CHUKOらんど チノチノ

CHUKOランドチノチノ

"CHUKO(ちゅうこう)らんど チノチノ"は中高生の夢や希望をかなえる場。
音楽スタジオ、ダンスル-ム、キッチンや多目的ル-ムを備えます。27名の中高生が設計段階から参加し、こども運営委員会をつくり、自らが考えた規約により、自主的な運営を行っています。「18歳以上入館お断り」というまさに中高生のためのワンダ-ランド。

こどもにそこまで任せてしまうのは…..という慎重意見もありましたが、最終的には「こどもを信じる」事で決着。大人たちで構成する「サポ-ト委員会」はありますが、基本的にはこどもたちから求められない限り助言しないそうです

多目的ルーム チノチノでライブ演奏会

利用は事前登録制ですが、多くの地元中高生が登録しています。毎日約40人の若者が、スケジュ-ルに従ってバンドやダンスの練習、コミュニケ-ションの場として利用しています。


以上、2つの広場からなる「茅野市こども館」に、市は職員を館長にあてるほか、0123広場に保育士スタッフを常駐させるなどの支援をしています。しかし運営は、サポ-トしてくれる市民の運営委員会を中心に展開されています。

ベルビアにはこのほかに、地元有力企業の支援によるITゾーン「電脳ひろばBELLEC」や、社会福祉協議会が運営する無料喫茶・休憩スペ-ス「どっこいしょ広場」などもあります。

客足が遠のいた中心市街地ビルを、こどもが、親が、市民が、再び集い、賑わう場にしよう。それを市民とともに創り、市民とともに展開していこうという茅野市の熱意を感じました。

どっこいしょ広場 電脳ひろばBELLEC